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ナニワ電装TEAM IMPULがスーパー耐久デビューに向け走行開始。星野一樹が語るチーム運営と意気込み

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ナニワ電装TEAM IMPULがスーパー耐久デビューに向け走行開始。星野一樹が語るチーム運営と意気込み

 2月23日に静岡県の富士スピードウェイで行われたスーパー耐久シリーズの公式テストで、2023年シーズンからスーパー耐久に初参戦を果たすナニワ電装TEAM IMPULが初走行に臨んだ。

 これまではスーパーGTや全日本スーパーフォーミュラ選手権で活躍してきた国内屈指の名門、TEAM IMPULだが、今季は新たにナニワ電装とタッグを組みスーパー耐久ST-Zクラスに年間エントリーを行う。参戦車両は今季デビューとなるニッサンZ GT4だ。

41台が参加したスーパー耐久富士公式テストが開催。シーズン開幕に向けて各車が精力的に周回を重ねる

 ドライバーはスーパーGTやフォーミュラ・リージョナルなどで活躍経験がある田中優暉がAドライバーを努め、Bドライバーには2022年のスーパーGT GT500チャンピオンである平峰一貴、さらにCドライバーには昨年のスーパー耐久でST-Zを戦った若手の大木一輝が抜擢された。そして、このプロジェクトの総指揮を執る星野一樹がDドライバーを務める。

 ナニワ電装TEAM IMPULにとって今回の富士公式テストが初走行の機会。だが、TEAM IMPULの高橋紳一郎工場長によると、マシンがチームのもとに届いたのはテストの前日。しかも、富士スピードウェイの現場でニスモから受け取り、そのままシェイクダウンを実施したという。

 23日の富士公式テストでは高橋工場長をはじめ、スーパーGTやスーパフォーミュラの現場スタッフも勢揃いし、星野一義総監督の姿も見られた。そんななか、ナニワ電装TEAM IMPULは計72周を走破し、夜間練習走行も精力的に走り込みを行っていた。

「このシェイクダウンのためにニスモさんがギリギリ(マシンを)間に合わせてくれて、前日にやっとシェイクダウンをすることができて、今回のテストに臨めています。自分がゼロから始めたプロジェクトでマシンが走り出し、ここまで辿り着いたと思うと感慨深いです」

 そう笑みをこぼしながら語るのは、TEAM IMPULのスーパー耐久プロジェクトの総指揮をとり、自身もDドライバーとしてシーズン中はステアリングを握ることになる星野一樹だ。昨シーズン、スーパーGTとスーパーフォーミュラでチームに帯同しながら、水面下でスーパー耐久参戦のプロジェクトを進めてきた。

「スーパーフォーミュラもスーパーGTも、ずっとTEAM IMPULが行ってきたことですけど、こうして新しいことも行い活動の場を広げていきたいなと思っていました。そんななか、ナニワ電装さんが若手育成をやっていきたいと言ってくださり、最初はGT300でやろうという話も出ましたが、いきなりGT300に行くのはハードルが高いので……。そのなかでニッサンZ GT4が新しく登場するタイミングで『スーパー耐久はどうだろうか?』ということで始めさせていただきました」

「本当にゼロから立ち上げて始めたプロジェクトで、今まではドライバーとして乗るだけで、そのたびにいろいろと文句を言っていましたけど(チームを運営するということは)大変なんだなと思いました」

 チームの体制づくりだけでなく、車両の手配やレース参戦にかかる資金面の管理もやっているという星野一樹だが、改めて“チーム運営の大変さ”を実感しているという。

「正直、とんでもないところに足を踏み入れてしまったなと最初は思いました(笑)。実際に準備をしていくなかで『こんなにお金がかかるのか!』ということに驚きましたね。本当にスポンサー様様ですし、いろいろな人に協力してもらっていることに感謝しています」

「GT4は車体の値段こそ違いますが、そこにプラスしてかかる経費はレース距離が長い分かかってきます。スーパー耐久は24時間レースがあるので、そこでも相当(経費が)かかる……。最近は毎日ヒィヒィ言いながら準備を進めています(苦笑)。 開幕まで気が抜けませんね。『頼むからクルマ壊れないで!』という感じです」

 クラッシュしたときの資金的な負担を考えると、どうしても守りに入ってしまいがちだが、その部分に関して“星野一義イズム”は崩したくないと星野一樹は強調する。

「やはり星野一義の教えにもあるとおり『スピンやクラッシュを恐れずに行ってこい!』ということもあるので、ドライバーには『絶対に壊すなよ』と言いたくないと思っています。そういったTEAM IMPULの良いところは守っていきつつ……、でも、そこまでお金はかけられない(苦笑)。初めてこちら(チーム運営)側になって、そういったことが分かりました」

「今まではドライバーという立場で、クルマに乗って文句だけを言っていれば良かったのに、いざ運営側になってみると、ドライバーが文句を言ってきたら『うるさい!』と言いたくなっちゃいますね(苦笑)。それは冗談ですけど、今後はこのスーパー耐久のプロジェクトをしっかりとかたちにしていきたいです」

 ナニワ電装TEAM IMPULが参戦するST-Zは年々台数が増えており、スーパー耐久でも経験豊富なチームが集結しているため“最激戦区”として注目度も高まっている。その部分は星野一樹も楽しみにしている様子で「ST-Zは熾烈ですが、その分やりがいもあると思っています。今シーズンはもちろんチャンピオンを目指していきます」と、参戦初年度での王座獲得に向けて意気込みを披露した。

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