「次期型クラウンはSUVになる」。
そんな衝撃的なニュースが駆け巡ったのは2020年11月のことだった。トヨタのお膝元、名古屋を本拠とする中日新聞からの第一報だったこともあり、「あえてトヨタがリークして世論の反応を見ているのでは!?」、「いやいや流石にそれはないだろう……」と、さまざまな憶測を呼んだ。
【確定情報入手】新型クラウンが新技術満載で7月15日デビュー!!! サイズもパワーもここまで掴んだ!!
そしてついに2022年6月中旬、新型クラウンの最終確定情報を入手した。発売開始は7月15日。これまで伝えられていたように、FFプラットフォームをベースとしたまったく新しいプレミアムサルーンに生まれ変わるという!! 現時点で全国トヨタ販売店へ伝えられた新型クラウン市販仕様の全貌を解剖する!!
取材・文/ベストカー編集部(ベストカースクープ班)
セダンとSUVのクロスオーバー!? 新型クラウンはSUVテイストのプレミアムファストバックサルーン
2020年11月の第一報以来、ベストカー本誌の誇るスクープ班は「新型クラウンSUV説」の真相を探るため、情報網をさらに広く張り巡らせた。すると、どうやら「既存のFRプラットフォームを使った次期型クラウン」は開発が凍結され、FFプラットフォームをベースとした「新世代の大型サルーン」の開発が進行中、との情報に行き当たった。
そんな中、現行型(15代目)クラウンは2022年3月14日をもって受注を停止。つまり、クラウンを買うことができない状態が約3カ月継続している。これは異例の事態。通常、クラウンのような基幹車種が受注停止となる場合、販売店には同時にモデルチェンジ情報が伝えられるものだが、今回は具体的な理由がいっさい伝えられることのないまま、受注停止だけが通達されたのだ。
トヨタ本社サイドは新型クラウンに対して徹底したトップシークレット体制を敷いていたのだが、2022年6月中旬、デビュー1カ月を切るタイミングでついに、具体的な情報を明らかにして販売店の営業活動が本格化したのだ。
販売会社首脳の証言によれば、「新型クラウンのフェンダーアーチにはハリアーのようなブラックのフェンダーモールが付けられている」という。これはベストカー本誌スクープ班が制作したSUVルックの予測CGだが、さすがにここまでのSUVルックではなさそうだ
具体的な内容としては、冒頭お伝えしたとおり、新型クラウンが7月15日にデビューするということ。具体的な写真などは見ることはできなかったが、資料に描かれた新型のシルエットは流麗なルーフラインを描いたファストバックプロポーション。155mm延長されたフロントオーバーハング、フロントアクスルとAピラー付け根の距離の短さからもわかるように、横置きエンジンのFFプラットフォームであることが確認できた。
■全長:4930mm(+20mm)
■全幅:1840mm(+40mm)
■全高:1540mm(+85mm)
■ホイールベース:2850mm(-70mm)
以上が新型クラウンの車体サイズだ。カッコ内は現行型クラウンとのサイズ差を示している。
車体サイズは全体的に大きくなっているが、ホイールベースは70mmも短くなっている。そしてこの2850mmというホイールベースは、2022年6月1日に発表された新型レクサスRXと同寸。そう、新型クラウンは、GA-Kプラットフォームを大幅改良した新型レクサスRXとプラットフォームを共通に開発して誕生したのである。ストラット式フロントサス、マルチリンク式リアサスというレイアウトも両車共通だ。特にリアサス周辺は完全新開発したという力作となる。
ところで、新型クラウンのボディサイズを見ると、全高が特に高いことがわかる。1540mmというのは同じGA-Kプラットフォームを採用するカムリの1445mmと比べても95mmも高い。
たしかに、新型クラウンの前席ヒップポイントは路面から634mmと現行型クラウンに対し85mmも高く、後席ヒップポイントも70mm高い621mmとなる。つまり、それだけフロアが高くなっていることを示唆している。
ここで販売店首脳の興味深い証言がある。商品研修の際に見た写真、動画で、「新型クラウンはいわゆるSUVではないが、一般的なセダンとも違った雰囲気。フェンダーアーチにはハリアーのようなブラックのフェンダーモールがついている」というのだ!! セダンとSUVのクロスオーバーのようなスタイルだという。
トヨタハイブリッド史上最大の事件!! 新開発の2.4リッターターボ+1モーターハイブリッド4WDのE-Four Advance搭載
パワートレーンにも新型クラウンの衝撃がある。
直列4気筒2393ccターボエンジン(272ps/46.9kgm)にクラッチを介して82.9ps/29.8kgmのモーターをドッキング。さらにトルコンレスの6速ATを組み合わせて前輪を駆動。後輪はbZ4Xの後輪にも採用されるeAxle(79.7ps/17.2kgm)を搭載し、前後輪の駆動力配分を100:0から20:80の間で制御する4WDシステム「E-Four Advance」 を採用。動力分割機構を使うTHSとはまったく異なる新システムだ。
これ、先に発表された新型レクサスRXのハイパフォーマンスモデル「レクサスRX500h Fスポーツ・ハイパフォーマンス」に採用される「DIRECT4」と同じシステム。トヨタのハイブリッドパワーユニットとしてはCVTを介したTHS-C以来の新システムで、大事件と言っていいトピックスだ。ハイブリッドのバッテリーはリチウムイオンではなく、(新型アクアに搭載され話題となった高効率なバッテリーである)バイポーラニッケル水素を搭載する。
写真はレクサスRX500h Fスポーツ・パフォーマンスのものだが、新型クラウンRSに搭載される「E-Four Advance」もこれと同じシステム。272ps/6000rpm、46.9kgm/2000-3000rpmを発揮する2393cc直4ターボに82.9ps/29.8kgモーターをクラッチを介して接続。さらに別のクラッチを介して6速ATを組み合わせて前輪を駆動。後輪は独立したeAxleで駆動する4WD
この「E-Four Advance」が搭載されるのがスポーツグレードのRS。
新型クラウンはこのほかにベースグレードが設定され、装備を充実させた「HIグレード」、さらにこの「HIグレード」にはレザーパッケージが設定される。これらのパワートレーンは2.5L直4、NAエンジンのハイブリッドE-Four。こちらは基本的にはカムリやハリアーなどに搭載されるTHSで、フロントモーターは119.7ps/20.6kgm、E-Fourのリアモーターは54.4ps/12.3kgmと、eAxleには及ばないが、充分にパワフルだ。
GA-Kプラットフォームのリア回りを完全新設計したマルチリンクサス。RSグレードの後輪は79.7ps/17.2kgmを発揮するeAxleで駆動する
7月15日の発売開始時点では、新型クラウンは全モデルハイブリッドとなり、4WDのみ。このタイミングで2WD仕様の設定はないという。
7月15日の時点ではサルーンクロスオーバーのみだが、今後ワゴンが追加されることが販売会社への新商品研修では通達されている(ベストカー編集部作成の予想CG)。新型の外観はまだ未公開。早く見たい!!!!
新型クラウンはやはり相当な意欲的ニューモデルだ!! 価格は現時点では明らかにはなっていない。もちろん、新情報が入り次第お伝えします。新型クラウン、待っていますぞ!!!!!
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みんなのコメント
俺が知ってるハリアーにはそんなの付いてないんだよなぁ