■納期のズレが影響? お金持ちにコロナは影響なし?
日本自動車販売協会連合会によると、2020年4月の軽自動車を除く新車販売台数は14万4674台となり、前年同月比マイナス約30%となりました。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けて全国で外出を自粛となったことが、新車市場にも影響が出ているようです。
アルファードを超える? トヨタが新型高級ミニバン「マジェスティ」発表!
2019年4月の自動車メーカー別の販売台数と比較すると、「ヤリス」や「ライズ」が好調のトヨタがマイナス約20%、「フィット」投入のホンダはマイナス約15%、「ノート」と「セレナ」を看板とする日産はマイナス約50%まで落ち込んでいます。また、三菱はマイナス約65%と国産メーカーのなかでもっとも落ち込む結果となりました。
そのなかで、ミニバンでは大きな番狂わせが起きています。2018年にミニバンの新車販売台数1位に輝き直近でも販売台数上位に位置していた日産「セレナ」が2020年4月期では16位と大きく順位を落としたのです。
同時期のミニバン順位は、3位トヨタ「シエンタ」、5位ホンダ「フリード」、6位トヨタ「アルファード」、11位トヨタ「ヴォクシー」、15位トヨタ「ノア」、そして前述のとおり16位がセレナとなります。
シエンタやフリードは、コンパクトミニバンとして価格帯もセレナよりは安く、ファミリー層から絶大な人気を誇っています。
また、ヴォクシーやノアはセレナと同じミドルサイズミニバンでこちらも人気があるミニバンです。
しかし、高級ミニバンの代名詞的存在のアルファードは人気こそありますが、価格帯はエントリーグレードでも約350万円となります。
なぜコロナ禍で新車販売が落ち込むなか、アルファードはほかのミニバンより好調を維持したのでしょうか。首都圏のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。
「2020年4月に販売台数が増えたのは、『ナンバー登録されたクルマが増えたから』だと思います。通常、ほとんどの新車はお客さまから注文を受けて生産を開始、完成したら納車という流れになります。
アルファードの納車時期は3か月程度ですので、2019年末におこなわれた一部改良を受け、年明けにお客さまからの受注が増加、そのクルマたちが4月に納車(登録)となったため、数字が伸びたと考えられます」
※ ※ ※
2019年12月の一部改良では、全車に車載通信機が標準装備されたほか、一部グレードに9インチのディスプレイオーディオを採用。
対応のスマホアプリの表示や操作がLINEカーナビに対応したほか、オプションを追加してトヨタのコネクティッドサービス「T-Connect」を契約すれば、Apple CarPlayやAndroid Autoの利用も可能となるなど、通信系の装備が充実しました。
ほかにも、バックガイドモニターが全車に標準装備、さらに「3眼LEDヘッドランプ」や「ウェルカムパワースライドドア&予約ロック機能」の標準装備グレードが拡大、「スライドドア連動式の電動サイドステップ」のオプション設定も追加されています。
■一部改良でも売上増の理由とは
しかし、今回の改良はあくまで「一部」です。なぜ、これほどまで大きく販売に影響するのでしょうか。前出とは別のトヨタ販売店スタッフは、以下のように話します。
「これは例年そうなのですが、年度末である2月から3月は社用車としての注文が増える時期です。企業や自営業者が、決算前にクルマを新しくするといったケースです。注文とナンバー登録は時期がズレるので、それが4月の台数に影響したと思われます。
また、直近4月から5月のアルファードに関する話だと、ファミリー向けの低・中グレードを検討するお客さまは激減しましたが、高いグレードを検討するお客さまの数は普段とそこまで変わりませんでした。
そして、高グレードを検討するほとんどのお客さまはコロナの影響を受けていない、いわゆる『お金持ち』の人です。
これは近隣店舗から聞いた話ですが、『コロナ禍で逆に儲かったからクルマを検討しに来た』というお客さまもいたそうです」
コロナ禍で経済状況が悪化しているなか、アルファードが4月に好調だった理由には、改良後や決算前に増えた注文の「納車時期がズレた」ことが要因だといえます。
さらにコロナ禍の影響を受けないユーザーの注文が「減らなかった」という、ふたつの要素があった結果としてアルファードの販売台数が堅調だったようです。
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アルヴェルにビビッて生きてる小心者が可哀想。