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あえての“ガソリン”という選択はいかに? 新型レクサスLS500試乗記

掲載 更新 11
あえての“ガソリン”という選択はいかに? 新型レクサスLS500試乗記

レクサスのフラグシップ「LS」には、ガソリンとハイブリッドが設定されている。昨今、環境問題意識の高まりもあってか多くのオウナーがハイブリッドを選ぶなか、ガソリンモデルの魅力とは?

やわらかな乗り味

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気持ちよく乗れる大型セダンを探しているなら、SUVばやりの昨今であるものの、じつは選択肢がけっこう多い。なかでも日本代表といえば、レクサス「LS」。2020年11月のマイナーチェンジで、快適性が格段に向上しているので、いちど試してみてほしい。

レクサスLS、いいね、と感じたのは、さきごろ「LS500バージョンL」に乗ったからだ。3.5リッターV型6気筒ガソリンターボ・エンジンと後輪駆動の組合せ。ボディは全長5235mmで、ホイールベースは3125mmもある。後席もかなり気持ちよい。

「レクサス車のキャラクターは大きくいって、Fスポーツと、それ以外に分けられます」

レクサスで車両性能開発を統括する水野陽一部長の言葉どおり、トップモデルのLSにおいて、Fスポーツはしゃきっとした足まわりと、クイックなステアリングで走りを楽しむ仕様だ。いっぽう、今回のバージョンLは、いってみれば”あたり”のやわらかい乗り味が特徴だ。

このちょっとソフトな味つけが、LS500バージョンLの魅力になっている。いまのLSが登場したときは、足まわりがびしっと決まらない場面もあり、乗っていると上体が揺さぶられてしまったりしたこともあった。

しかし、最新モデルはちがう。ボディ剛性を強化するとともに、ダンパーなど足まわりの設定を見直したというだけあって、乗っていると”気持ちいいなぁ”と思わず口にしてしまうような出来なのだ。

ガソリンエンジン+バージョンLの組み合わせもアリ!

パワーユニットは、LSには2種類が用意されている。LS500hには3456ccV型6気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドを、今回のLS500には3444ccV型6気筒ガソリンツインターボ・エンジンを搭載する。前者は220 kWの最高出力と300Nmの最大トルクをエンジンが発生し、そこに132kWのモーターがくわわる。後者は、310kWと600Nmを発揮する。今回のったLS500は、ガソリンツインターボ・エンジンの爽快なパワー感が魅力だった。

「電動駆動方式で過給圧を制御するウェイストゲートバルブのバルブ開度を緻密に制御し、アクセル操作に対して発生するエンジントルクの精度を高め、車両の加速レスポンスを向上させました」とはレクサスの報道資料内の説明だ。

このガソリンエンジンは、最高出力を6000rpmで発生する。その近辺の回転数でパワーを堪能するのがお望みなら、高めのエンジン回転数を使うように、つまりあえて低めのギアをマニュアルで選んで走るのがよい。じっさいにレクサスの開発陣は、加速レスポンスを重視して、シフトアップの頻度をやや抑えめにするようシフトスケジュールを変更している。

となると、選ぶなら、スポーティなハンドリングを持つFスポーツがいいのかもしれない。バージョンLではどうか? というと、こちらも意外なほど相性がいいことが、わかった。1600rpmから600Nmの太いトルクが出るキャラクターが、重厚な雰囲気を味わわせてくれるからだ。

かつてのジャガーを思い出す

軽めの設定のステアリング・ホイールを切ったときに、車体が比較的ゆっくりしたスピードでロールしていくのも気持ちがいい。足まわりも、ボディの重さをうまく使って、快適だ。往年のジャガー「XJ6シリーズ」を思い出してしまった。大型セダンならではの乗り味を求めているなら、このバージョンLはとてもよいと思う。

じっさいに、今回、足まわりの変更点は多い。ひとつは、構造を見直した減衰力可変ダンパーの採用。油圧制御用ソレノイドのオイル流量制御バルブの流路を拡大したことで、上質な乗り心地を実現した、と、レクサスはうたう。減衰力の可変幅を拡大し、「すぐれた操舵応答性と安定性」の実現をめざしたのである。

さらに、ランフラットタイヤの縦バネ剛性、スタビライザーバーのばね定数、バウンドストッパーの先端剛性の最適化なども、今回のLSのマイナーチェンジで行われた。見直しはエンジンマウント内のオリフィスにまで及び、加減速に合わせてエンジンは動くものの、それが快適性に影響を及ぼすのを避けている。

フロントサスペンションを高強度アルミ鍛造アームに変更したのも、タイヤの質量低減によりばね下質量を約3.5kg軽量化し、さらに、路面からの入力をボディへ伝わりにくくすることで乗り心地を向上させたのも、今回のLSの特徴、とレクサスの報道向け資料にある。

賢い選択

インテリアのデザインは、ドイツ車などとは一線を画した独自のものだ。好感がもてる。ドアのオーナメントに、日本のクラフツマンシップと関連づけられた木工やガラス細工を使うなど、独自の世界観は健在だ。

今回オプションでプラチナ箔と西陣織りを組み合わせたインテリア・トリムも用意された(ただし「エグゼクティブ」専用)。

「LS500」の価格は「Iパッケージ」後輪駆動車の1073万円からスタートし、「バージョンL」後輪駆動車で1345万円。ちなみに「LS500h」の同グレードでは、それぞれ、1219万円と1493万円となる。

ライバルをみると、モデルチェンジを控えているメルセデス・ベンツ「Sクラス」では3.0リッター直列6気筒にISG(スタータージェネレーター)を組み込んだ「S450エクスクルーシブスポーツリミテッド」が1395万円。BMW「740 i Mスポーツ」は1286万円だ。ドイツ車はいずれも装備が簡略な”素”のモデルなので、LS並みの快適装備を装着すると、実際はレクサスよりうんと高くなりそう。LS500は、かしこい買い物になるかもしれない。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

11件
  • オウナーという文字を見たとたん
    読む気が失せた・・"(-""-)"
  • オウナーGQの連中なんかは根っから外車アゲなのだから、無理せず輸入車称えて怪しいカタカナ英語使って悦に入っているのがよろしいかと笑笑
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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