もくじ
どんなクルマ?
ー Gクラスの購買層 3つのカテゴリー
ー 新型Gクラス 内外装の変更点詳細
ー サスやフレーム変更 もたらす恩恵
どんな感じ?
ー 新型Gクラス 乗った印象どう違う
ー 4.0ℓV8ツインターボ/9Gの印象は
「買い」か?
ー 購入「ためらう理由なし」 象徴に
スペック
ー メルセデス-AMG G63 4.0 V8のスペック
どんなクルマ?
Gクラスの購買層 3つのカテゴリー
メルセデス・ベンツGクラス開発部門最高責任者のDr.グンナー・グーテンケは社内では「Mr.G」として知られており、彼はこのアウトドア志向のクルマの購買層は3つのカテゴリーのうちのどれかひとつだと考えている。
ひとつ目は、公私を問わず、徒歩では難しいチャレンジングな道を走破する必要があるひとびと。
ふたつ目は、このような大柄のクルマには乗れないなどと思いつつも、審美眼のあるひとびと。
そして3つ目はウエスト・ロンドンに住むような、スリーポインテッドスターのついた最も豪華で大仰なクルマを好むひとびと(新興富裕層に多い)である。このニーズは、AMGが1999年にGクラスを用意し始めてから、うまく満たされている。
もちろんGクラスの歴史はこれよりも古く、1979年に発売が開始された。メルセデスの中では最も長い歴史を持つモデルで、「生産終了」されたことのない唯一のモデルでもある。
今回のアップグレードは、これまでGクラスになされてきた中でも最大だが、この目的は例の3グループ全てを満足させることにある。
象徴を「改革」することの最大の難しさは、何を変え、何を残すかにある。Gクラスの場合、メルセデスは外装パネルの下はほとんど全て変えつつも、アルミニウムのスキンはうまく残している。
もっとも、開発中にはウインドウスクリーンにもっと傾斜をつけたくなったに違いない。風切り音も減るし、ダッシュボードに所狭しと並ぶデジタルのボタンのスペースも広がるのだから。しかし実際の変更は1°未満で、素晴らしく起き上がり切り立ったフロントからの眺めは残された。
ほかの変更点も見てみよう。
新型Gクラス 内外装の変更点詳細
同じように、ドアヒンジは外から見えるまま残されており、多くの開閉システムはキャリーオーバーされている。そのため、オーナーは引き続き、精密な機械だと感じさせるリッチなドアの開閉音を聞くことができる。
このクルマはオーストリア・グラーツのマグナ・シュタイヤー工場でハンドビルドされるが、こういった細かな精密さが、まさにクルマ1台に15万ポンド(2215万円)近く支払うようなひとびとが気にする部分である。
また、意外でもないが、ボンネット両端のライトはそのまま残されている。コストが計画の5倍かかろうとも、メルセデスはこの部分の安全性にも配慮し、どのような角度からでもライトの骨格が変形し、クルマのフロントから1m以内でも、地面から光が見えなければならないという独自の規定に従って開発したのだ。
助手席側のダッシュボード上には、旧型と変わらずバーハンドルがある。レッグ、ショルダールームは大幅に拡張され、広いリアのベンチシートに座ったひとにもその恩恵は感じられるだろう。
古いW463型から新しい世代に乗り換えると、その他の改良点も山ほど目につく。実際、新世代は全方位でボディサイズが拡大しており、全長が53mm、全幅が64mm、全高が15mm大きくなっている。
その他インテリアも根本から見直された。四角いパネルなど古風な雰囲気は残しているが、12.3インチディスプレイがふたつ横並びで鎮座している。Eクラスからのパーツも多いが、快適さは当然ながら、適切な贅沢感も持ち合わせている。
本当にデザインにこだわるひとでも、気に触る点はほとんどないだろう(さらに、このクルマの金属部は写真で見るより説得力がある)。
そして、このメジャーアップデートで一番利益を得るのはドライバーだ。
サスやフレーム変更 もたらす恩恵
フロントサスペンション・タラットをつなぐタワーバーが装着され、ラダーフレームとボディシェルのねじり剛性は50%以上向上した。
また、Gクラスのステアリングは、伝統的にローギアードのボール・ナット式で、かなりダイレクト感に欠け、戻りが悪いためハンドルを切ったらすぐに自分で戻し始めなければならなかった。
Gクラスのオーナーはこの点に長らく不満を持っていたが、このたびラック・アンド・ピニオン式の電動パワーステアリングが搭載され、問題は解消された。
このような基本的な変更は他にもある。
メルセデスはとうとう無骨で硬いフロントアクスルは諦め、ラダーフレームに直接マウントされたダブルウィッシュボーンを用いることにした(この部分にサブフレームはない)。
かんたんな作業ではない。AMGの設計者は、呆れるほどのロードクリアランスは確保したまま、通常低くなるダブルウィッシュボーンの接続箇所をなるべく高くに配置したのだ。それこそ1mm単位で。
ちなみに、アクスル間の最低地上高は6mm増え241mmになり、引き続きトヨタ・ランドクルーザーよりも高くなっている。
オフロードの走破能力についても述べることは多く、ブレイクオーバー・アングルや最大渡河水深など様々だ。とにかく、タフな場面では、小さな差ではあるが、新型Gクラスは旧型よりもあらゆる点で優れている。
どんな感じ?
新型Gクラス 乗った印象どう違う
このクルマに乗れば、ハンドリングという長年避けてきた問題点が解決されたのがすぐにわかる。今回の試乗会は、綺麗なアスファルトが広がる、フランスのラングドック・ルシヨンで行われたので、なおさらだった。
現代的にアップデートされたフロントアクセルのおかげで、新型のステアリングは大幅に改善された。いっぽう、リアのリジッドアクセルも刷新された。トレーリングアームのそばに配置され、先代から引き続き、ラテラルロッドは好ましからぬ水平方向の動きを抑える。
もちろんボディロールはある。AMGモデルに装着されているグッドイヤー・イーグルF1の性能をフルに引き出そうとするとロールは特に顕著になる。しかし、ロールレートはステアリングへの入力とうまく釣り合っており、今までよりもかなり自信を持ってアクセルを踏むことができる。
同様に、重心が高いため、フロントタイヤがすぐに鳴いてアンダーステアを出してしまう。しかし、この新型Gクラスはそのタイミングが完全に予想できるので、それに対応したドライビングが可能だ。
コーナー進入時には、「基本、辛抱強くスムーズに」というルールを守れば、徐々に地面にトルクがかかって、リアを軸にしてバランスが得られる。
少々気むずかしく古風であることに変わりないが、楽しく滑稽なほどに速い。そしてトルクは前後50:50から後輪寄りの40:60にまで分配されるが、これによって運動性能が妨げられることはない。
乗り心地も劇的に改善した。Gクラスの全モデルでアダプティブ・サスペンションを採用し、幾つかのモードに変更できるので、今や長距離移動用のクルーザーとしても使うことができる。
ディファレンシャルからの奇妙な衝撃と、ハイスピード時の小さくない風切り音はあるものの、実用性と洗練度合いはGクラスのパッケージングの美点だといえる。
パワートレインや走破性も見ていこう。
4.0ℓV8ツインターボ/9Gの印象は
トルクの面で、どのエンジンを搭載するかは、長らく注目すべきポイントである。
G63の場合、エンジンはメルセデス-AMG製M178型4.0ℓツインターボV8が搭載される。2.5tのオフローダーという特性に合わせて、6000rpmで585ps、86.5kg-mというとてつもないトルクを2500-3500rpmで発生させる。
これはドライサンプ化されたAMG GT Rよりも高性能なチューニングになっている。
トップスピードは225km/hだが、0-100km/hは驚きの4.5秒だ。強大なパワーはメルセデス9Gトロニック・トルコントランスミッションで伝達される。エンジン音は尊大で、5.5ℓのM157型ほどとげとげしくはないが、そのクラシカルな巨体に見合ったひたすら大きなサウンドを発する。洗練されてはいるが、サイドからエグゾーストが響いているのがわかる。
時たまオフロード車の片鱗が垣間見える。例えば、運転しているとたまに「Gモード」に入ったと表示される。この表示は3つのディファレンシャルが完全にロックされた時か、オフロード・リダクションギアが使用された時に現れる。
厳しい地形だと感知すると、ダンパー、ステアリング、ギアボックス(早めのシフトアップをしなくなる)、スロットルレスポンスのキャラクターが変わり、最もGクラスの走破性能が高くなるセッティングへと変更される。変更のためにボタンをプッシュする必要はなく、これはメルセデスがGクラスの古めかしい雰囲気を演出したいからである。
Gクラス開発チームのテスト中に、レンジローバーが険しい地形の中、電子制御のせいで立ち往生したことがあったそうだ。そのため、Gクラスは3つのディファレンシャルロックの信頼性を重視している(メルセデスいわく、フルセットで装備している量産車はGクラスだけだ)。
「買い」か?
購入「ためらう理由なし」 象徴に
もしすでにGクラスの購入を検討しているなら(2017年が、30万台のGクラスの歴史の中で最も成功した年だったことを考えると、当然購入していそうなものだが)、ためらう理由はない。
ボディワークに以前のような無骨さはないが、これは大幅に向上した乗り心地とハンドリング、豪華になったインテリアで相殺される。
実は、ライバルとしてレンジローバーとともに検討した時に、このような点が大切になってくる。
スピードはもちろん、全体的に洗練度はレンジローバーよりも低いが、Gクラスで570kmを1日で走破することも、もはや怖くはない(ドライビングポジションがより自然になったのも大きい)。Gクラスでの旅は、楽しいものとなるだろう。
全てを盛り込んだフル・ロードテストも必要で、こちらはそう遠くないうちに行われるだろう。この初試乗ではっきりわかったのは、コアのキャラクターをよく残したままに、その他の部分が徹底的にリファインされたということだ。
うまく調教されつつも、ふさわしい場所で本来の類い稀なる性能を発揮できるG63は、信頼に足る、新たなメルセデスの象徴だ。
メルセデス-AMG G63 4.0 V8のスペック
■価格 14万3305ポンド(2116万円)
■全長×全幅×全高 –
■最高速度 225km/h
■0-100km/h加速 4.5秒
■燃費 9.7km/ℓ
■CO2排出量 299g/km
■乾燥重量 2485kg
■パワートレイン V型8気筒3982ccツインターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 585ps/5500rpm
■最大トルク 86.5kg-m/2500-3500rpm
■ギアボックス 9速オートマティック
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