レプソル・ホンダは2024年シーズン開幕戦を苦しい結果で終えた。この状況を受け、ジョアン・ミルは今後も開幕前と同じ集中力で精力的にマシン開発を続けていくことを求めた。
ホンダはここ数年成績が低迷。2023年限りでエースのマルク・マルケスが離脱する状況に追い込まれた。
■マルケス「まだこのバイクの限界には達していない」ドゥカティで開幕戦4位の6度王者、まだまだ進化の余地アリ
2024年シーズンに向けてホンダはマシンを全面的に見直し、開発側のアプローチもこれまでとは変わって来たことが示され、新型のパフォーマンスには期待もかけられた。
しかし開幕戦カタールGPでホンダ陣営は今シーズンもヨーロッパ勢の後塵を拝する構図から抜け出せていないことが浮き彫りとなった。決勝では2020年の王者であるミルが、2021年王者のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)と11番手を争い最後は13位でフィニッシュした。
ミルはレースを振り返ると、日本メーカーによる“ジャパンカップ”が繰り広げられていたと語った。
「18番グリッドからスタートして、結構多くのライダーをオーバーテイクすることができた。その後、上位に近づいて、先頭集団も見ることができた」
「僕はレース全体をファビオの後ろで走っていた。ラスト5周で彼をオーバーテイクしていこうと決めたのは、まだもう少しできると思ったからだ」
「それでプッシュし始めて1秒差を空けたんだけど、タイヤをダメにしてしまった。レース全体でやってきたことが最後の2周で台無しになってしまった」
「“ジャパンカップ”を戦うのは少し楽しめたよ。ジャパンカップをリード、であってもね」
「でも最後の5周で楽観的になりすぎた。タイヤがああまで大きな崖になるとは予想していなかった」
2024年シーズンはドゥカティ、KTMそしてアプリリアが日本勢よりも大きく進歩してきたというのが、これまでの見方だ。
当然ホンダは手をこまねいていたわけではなく、昨年のミサノテストの2024年型プロトタイプから今年2月のテストで発展型マシンを投入するなど、開発スピードを上げてきている。
ミルは、2024年にライバルに追いつくチャンスがあるなら、その開発への集中力を維持していく必要があると考えている。
「ウチのバイクは昨年から改善している。でも他がもっと改善しているんだ」
「(カタールでの)昨年のレースタイムやポジションがどうだったかはちゃんと覚えていないけど、トップ集団から超離れているわけでは無かったと思う」
「ライバルたちが前進したんだ。僕らも進歩したけど、十分じゃない」
「チーム内で進めていることは分かっているし、ハードに取り組んでいる」
「僕が求めているのはそれを継続して、同じ集中力でもっと開発をしていくことだ。今あるものでは不十分なんだ」
「昨年は年間を通じて同じパッケージだった。正直、それだとなんとかやっていくにも精神的に凄く大変だった」
「今年はかなり期待していた。今は変化を目の当たりにしてるんだ。だからこの雰囲気で続けていけることを期待しているよ」
なお2023年のカタールGP(11月開催)ではホンダ勢トップのマルク・マルケスが勝者のファビオ・ディ・ジャンアントニオ(当時グレシーニ)から15秒差だった。
2024年開幕戦はホンダ勢最上位のヨハン・ザルコ(LCRホンダ)が、優勝したフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)から18秒差でゴールしている。
状況が違うため一概に比較することは難しいものの、ホンダはレース距離でさらに3秒の差をつけられてしまったと考えることもできる。
この状況に今季からホンダに加わったルカ・マリーニは、開幕戦だけで結論を出すのは間違いであり、そもそもホンダが短期間で何を達成するかについては、全員が現実的であるべきだと語った。
「まだ開幕の1戦だけだよ。僕らは現実的になって、落ち着く必要がある」
マリーニはそう語る。
「ヨハンは良いレースをしたと思う。僕らは立ち位置としてはかなり後ろだ。毎年、バイクを開発するために、誰もが凄くプッシュしていることを知るべきだ」
「そして、限界というのは少しずつ押し広げられているモノだから、ただ一度到達すればいいというものじゃない」
「トップに戻る必要があるけど、簡単じゃないよ。時間が必要なプロセスなんだ。だから落ち着いて、一歩ずつ進んでいく必要がある」
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みんなのコメント
ホンダがf1でも若手育成とか言って若手にやらせるとかで来てるけど、何にも育ってないのが日本企業。
やっぱりレース志望でずーっとレース畑と言うのにやらせないと駄目と言う証明だな。
今はF1はパワーユニットでホンダとあるけど、実際はレッドブルだしね。
ホンダと言うか日本企業は車体作れないしね。
結局、童夢も駄目。
馬鹿が揶揄するイタリアのダラーラが器用に各カテゴリの車体作ってますね。