1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。今回は、2代目ゴルフのバリエーションを紹介しよう。
2代目ゴルフ GTIにはDOHC16バルブも搭載された
2代目ゴルフにも、引き続きGTIは設定され、高出力仕様も複数加わることになる。さらに4WDも投入されて、ゴルフとしてのバリエーションを拡大する。
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1983年に導入された当初の2代目ゴルフGTIは、先代モデルと基本的には同じエンジンを搭載していた。ゴルフ1の末期以来、排気量が1588ccから1781ccに拡大されていたが、SOHCの8バルブという形式は変わらず、最高出力は112psだった。
ところが、1986年に新たにDOHC16バルブ エンジン搭載車が加わった。排気量は同じまま最高出力は139psまで向上し、「ゴルフGTI 16V」を名乗った。ちなみにこの139psエンジンでは触媒がなく、触媒付き仕様では10ps劣る129psとなった。強化されたエンジンは熱対策のために、ソジウム封入バルブを採用するなどしている。
GTI 16Vの外観はノーマルのGTIとほとんど変わらず、バッジでそれが知れるのみ。ただ車高は10mmだけ低められた。最高速は208km/hに達し、アウトバーンでの高速巡行能力は、よりいっそう高められることになった。
1989年になると、さらに出力を上げたGTI G60が登場する。フォルクスワーゲン独自のGラーダーという機械式過給器を搭載しており、最高出力は180psへと一気に2ランクアップほどの向上を果たした。最高速は210km/hと、GTI 16Vと大きくは変わらないが、最大トルクは17.1kgmから22.9kgmへと太くなって、しかもそれが低回転を発生する。足回りもだいぶ締め上げられたので、ワインディング路での速さにはかなり磨きがかかり、「武闘派」的な性格を身につけていた。
高速クルーザー的に、ふつうに乗りやすいのがゴルフGTI登場当初の位置づけだったが、ライバルもある中で高出力化を極め、乗りやすさは維持しつつも、硬派なリアルスポーツの領域に入ってきた。その背景には、当時ゴルフがWRCをはじめとするモータースポーツで活躍していたこともあったに違いない。
GTIモデルでエンジンの技術的な見せ場があったいっぽうで、駆動系技術でもゴルフ2は注目された。それが「シンクロ」と呼ばれた4WD仕様である。
4WDのゴルフ シンクロは、1986年に登場した。ゴルフ シンクロが注目されたのは、それが当時まだ珍しいフルタイム式4WDを採用していたからである。1980年代以前には、乗用車で4WDを採用すること自体が珍しく、スバルなど一部にしかなかった。だが、1980年にアウディ クワトロが登場して、乗用車の4WDに革命が起こった。クワトロの影響で、各メーカーから4WDモデルが登場することになったのだ。ただ、その多くはパートタイム式4WDを採用しており、クワトロのようなフルタイム式は、値段の張る高性能モデルなどに限られていた。
ところがフォルクスワーゲンは、ビスカスカップリングをセンターデフとして使用することで、実用車のゴルフで、フルタイム式4WDを採用したのだった。ビスカスカップリングは、電子制御などを使わないシンプルな構造が特徴だった。その仕組みは出力側と入力側のプレートディスクをそれぞれ30枚ほど交互に並べて、その間に粘度の高いオイルを満たし、オイルの粘性によって動力を伝えてセンターデフとして働く、というものである。
ビスカスカップリングはフォルクスワーゲンの発明ではなく、それ以前にもアメリカのAMC(アメリカン モータース)などで採用されていたものの、耐久性などに問題を抱えていた。それがこの大量生産車の超優等生であるゴルフで採用されて以後、乗用車に普及することになる。ビスカスカップリングはシンプルな構造なので、今でもベーシックカーで採用されている。
シンクロは、同じグループ内のアウディのクワトロとは別ものであり、フォルクスワーゲンが独自に開発した技術だった。ゴルフの通常モデルで設定されたほか、GTI系モデルにも採用されている。変わり種としては「ゴルフ カントリー」という、地上高を高めた今でいうところのクロスオーバーSUV的モデルも少量生産された。まだクロスオーバーSUVが珍しい存在だったので、かなり大げさな仕立てだったが、その生産はヘビーデューディ4WD車を得意する、シュタイア ダイムラー プフ社に委託されていたのだった。(文:武田 隆)
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