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世代交代しても1番イイ ホンダ・シビック・タイプRへ英国試乗 熟成された能力 前編

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世代交代しても1番イイ ホンダ・シビック・タイプRへ英国試乗 熟成された能力 前編

プラットフォームは10代目の進化版

先代のホンダ・シビック・タイプRは、ホットハッチ界のポルシェ911 GT3のようなクルマだった。ファミリーカーとしても使えるスポーツカーでありながら、ひときわハードコアな内容が与えられていた。

【画像】世代交代を経てもベスト ホンダ・シビック・タイプR 競合ホットハッチと写真で比較 全151枚

ご存知の通り、シビックは11代目へ進化。6代目となる新しいFL5型シビック・タイプRも、英国上陸を果たした。この地の場合、電動化技術が搭載されていない唯一のホンダ車となる。

ところが、英国への輸入台数は「数1000台単位ではなく、数100台程度に留まる」と、同社担当者のレベッカ・アダムソン氏は表明している。ハイブリッドやバッテリーEV(BEV)の販売台数を増やし、メーカー平均のCO2排出量は抑えられているにも関わらず。

ホンダは2024年までに英国で販売する新車の22%を、ゼロエミッション・モデルにする必要がある。われわれに残された時間は短い。そんな渇望を知ってか、シビック・タイプRには4万6995ポンド(約780万円)という強気の英国価格が与えられた。

さて、気を取り直そう。新しいタイプRのベースが、通常のシビックであることは先代までと同様。プラットフォームは、10代目が採用していたモノの進化版に当たる。

ワイド&ローなプロポーションを与えるべく、ホイールベースは35mm伸ばされ、左右のタイヤの間隔、トレッドは15mm広げられている。大きくなったぶん、車重は30kg増しの1429kgになった。この増加には、排気ガス微粒子フィルターの追加も影響している。

2.0L 4気筒ターボは330psと42.7kg-mを発揮

ボディシェルの改良で静的なねじり剛性は15%増えているが、ホンダの技術者はそれに留まらないと説明する。接合部の接着面積が先代から4倍も増えており、剛性はさらに高められているものの、それを数字として計測することは難しいという。

少なくとも、強固なボディであることに変わりはない。シリアスなメカニズムを搭載するのに、一層相応しい基礎骨格になったというわけだ。

現代の前輪駆動のハッチバックとして、ドライブトレインはとても魅力的。エンジンは2.0L 4気筒ターボガソリンで、基本的には先代からの進化版。フライホイールの軽量化や吸気量の増大、排気効率の改善といったチューニングが加えられている。

その結果得た最高出力は、330ps/6500rpm。最大トルクは、42.7kg-mを2200rpmという低い回転域から生み出す。先代のシビック・タイプRは320psと40.7kg-mだった。

トランスミッションも、先代と同じ6速のマニュアル。ゲートに再設計を受けており、レバーを動かした際の横方向の剛性が高められている。特に2速から1速への減速がしやすくなったという。既に優れたいたものを、一層磨き込んでいる。

フロントタイヤで330psを受け止めるべく、機械式リミテッドスリップ・デフも装備する。フロント・サスペンションには、ホイールセンターとキングピンのずれを最小限にするため、2軸ストラット(デュアルアクシス)を採用。トルクステアを軽減した。

リア・サスペンションはマルチリンク式。前後には、減衰力が変化するアダプティブダンパーが組まれる。

精度を高めたサスペンションとステアリング

構成内容としては、オールドスクールでアナログなホットハッチへの期待通り。ボディ剛性の上昇によって、サスペンションは細かな処理を正確にこなせるようになる。それにより、優れた安定性やしなやかな乗り心地へ結びつけることもできる。

従来のシビック・タイプRは、ホンダの技術者が望んだ精度の高い操縦性を得るため、サスペンションが引き締められていた。だが高剛性になった新型では、よりソフトに設定することが可能になった。

もっともソフトというのは、先代と比べればという話し。英国での発表会では、日本の鈴鹿サーキットを新しいシビック・タイプRが攻め込む映像も紹介されたが、かなりハードコアに見えた。

電動機械式のパワーステアリングも新しくなっている。センサーの解像度を高めることで、システム内部のトーションバーの剛性を60%強化し、ステアリングのダイレクトさと正確性を向上させたという。

予習はこのくらいにして、シビック・タイプRのドアを開いてみよう。筆者は11代目シビックのインテリアが好きだ。タイプRでは僅かにスポーティ度が高められているが、基本的なデザインは変わらない。

内装に用いられている素材は、ドイツのハイブランドには及ばないにしても、ソリッドで上質な印象がある。通常のシビックの価格帯なら、まったく不満を感じないだろう。なお、リアワイパーは標準装備される。

この続きは後編にて。

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