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クルマの「全幅」どこまで拡大する? いまや「全幅1900mm前後」は当たり前! 日本の道路で限界は何mm?

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クルマの「全幅」どこまで拡大する? いまや「全幅1900mm前後」は当たり前! 日本の道路で限界は何mm?

■拡大の一途をたどる「クルマの全幅」 どこまで大きくなる?

 運転のしやすさに大きく影響すると言われるクルマの全幅。近年では売れ筋モデルの多くが全幅1800mmを超えるようになり、ユーザーから「これ以上全幅が大きくなると運転できない」という声も。
 
 さらに街を見ると全幅2000mmを超えるモデルも少なくありませんが、クルマの全幅の「本当の限界」はどこにあるのでしょうか。

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 現在販売されているモデルのほとんどは、先代以前に比べてボディサイズが大型化しています。

 たとえば、ホンダのなかでも長い歴史を誇る「シビック」を見ると、11代目となる現行モデルは全長4550mm×全幅1800mm×全高1415mmであるのに対し、1972年に登場した初代のセダンは全長3590mm×全幅1505mm×全高1325mmと、ふたまわり以上も拡大しています。

 さらに、「シビック フェリオ」の名で1995年に発売された6代目のセダンを見ると、全長4450mm×全幅1695mm×全高1390mmと、やはり現行モデルと比べてひとまわり小さいことがわかります。

 またトヨタ「クラウン」は先代となる15代目までほぼ日本専用モデルと言える存在だったことから全幅1800mm以下を維持していました。しかし、16代目ではボディタイプが4仕様になったことやグローバル化されたことで「クラウンクロスオーバー(1840mm)」「クラウンスポーツ(1880mm)」「クラウンセダン(1890mm)」「クラウンエステート(1880mm)」と拡大しています。

 ボディサイズの大型化は、衝突安全性の向上や居住性の向上につながる一方、重量が増えることで燃費性能が悪化したり、より大きなコストが掛かるなどのデメリットもあります。

 また、特に全幅の拡大は運転のしやすさにも大きく関わります。

 日本の場合、全長4700mm以下×全幅1700mm以下×全高2000mm以下で排気量が2000cc以下の乗用車は「小型乗用車(いわゆる『5ナンバー車』)」と区分され、それ以上のサイズの「普通乗用車(いわゆる『3ナンバー車』)よりも税制面などでの優遇措置が得られます。

 こうした車両区分は日本の道路事情に合わせて設計されたものです。

 そのため、「小型乗用車」は「普通乗用車」に比べて「より日本の道路を走りやすいクルマ」と呼ぶことができます。

 ただ、この規定内に収まるモデルは年々減少しています。その大きな理由は、現在新車で販売されているモデルの多くが全幅1700mm以上となっているためです。

 全幅1700mm以下のクルマを選ぼうとすると、コンパクトカーもしくは軽自動車が圧倒的大多数となり、トレンドとなっているSUVや多人数乗車が可能なミニバン、あるいは輸入車などはほとんど選択肢に入りません。

 つまり、近年では「より日本の道路を走りやすいクルマ」の選択肢が少なくなってしまっています。

 こうした現状に対して、前述の通りユーザーからは「これ以上全幅が大きくなると運転できない」という声も上がっています。

■1900mm以上だと実用困難に?全幅の「本当の限界」とは

 全幅の拡大は、衝突安全性や走行安定性、居住性、デザイン性などにおけるメリットも大きく、グローバル市場でのニーズも高いことから、今後も一定のペースで進んでいくことが予想されています。

 一方、あまりに全幅が大きくなってしまうと、実用性が損なわれてしまうのも事実です。では、乗用車の全幅の「本当の限界」はどこにあるのでしょうか。

 道路法における車両制限令第三条を見ると、公道走行可能な車両の全幅は2500mmと規定されており、これが法律上の限界であることがわかります。

 全幅がこれ以上の車両は日本の公道を走行できないため、その意味では全幅2500mmが「本当の限界」と呼べるかもしれません。

 ただ、これは大型のトラックやトレーラーを意識したもので、2500mm近い全幅を持つ乗用車が発売されたことはいまだかつてありません。

 実用上の限界という点では、たとえば東京都内にある高級ホテルの駐車場では全幅2100mmが上限とされていますが、これはスーパーカーや高級SUVなどに配慮したものと考えられます。

 現在日本で新車で購入可能なモデルのうち、最も全幅が大きいのはキャデラック「エスカレード」の2065mmですが、ロールスロイス「ファントム」の2020mm、ランボルギーニ「ウルス」の2016mmがそれに続きます。

 いずれもごく限られたユーザーしか乗れないモデルではありますが、全幅2100mm以内であれば、なんとか実用することはできそうです。

 より現実的な範囲で考えると、ほとんどのコインパーキングや機械式駐車場の上限である、1900mmが多くの人にとっての実用上の限界と言えるかもしれません。

 全幅が1900mmを超えると、都市部における駐車場インフラのほとんどが利用不可能になってしまうため、量販モデルの全幅がこの数字を超えることはまずなさそうです。

 全幅2000mmを超える2トントラックが市街地を多く走っていることを考えると、全幅1900mm程度では「物理的に走行できない」ということはほとんどないと思われます。

 ただ、特に都市部での実用性を考えると、全幅1900mmがひとつの限界と言えそうです。

※ ※ ※

 車両制限令第5条では、「市街地区域」の道路を走行する車両の全幅が規定されており、車道の幅員から0.5mを引いた数の2分の1を超える車両は、原則としてその道路を走行できないとされています。

 建築基準法における「道路」は幅員4m以上とされており、家屋などを建築する場合は原則としてこれに接している必要があります。つまり、ほとんどの道路は最低でも4mの幅があることになります。

 先の計算式に当てはめると、幅員4mの道路を走行可能なのは全幅1750mm以下の車両となります。

 法律でこのように規定されていることを考えると、コンパクトカーや軽自動車などの生活に根ざしたクルマは、今後も全幅1750mm以下となることは間違いなさそうです。

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