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国内最強のコンビネーションが登場! 国内初上陸スカニア6×6トラクタと6軸モンスタートレーラのインパクト!!

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国内最強のコンビネーションが登場! 国内初上陸スカニア6×6トラクタと6軸モンスタートレーラのインパクト!!

 大型プレス機の運搬・据え付けを専門とする中山運輸機工(滋賀県大津市)はこのほど、スカニアS650トラクタ(6×6駆動)と、ドイツの特殊車両メーカー・ゴールドホファー社のモジュラー型コンビネーショントレーラを導入し、運用を開始した。

 同社はかつて、オランダの特殊トレーラメーカー・ノーテブーム社の多軸トレーラを国内でいち早く導入した多軸トレーラのパイオニア。

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 近年は大型プレス機をはじめとする重量物の据え付けに特化し、本格的な重量物輸送からは遠ざかっていたが、ここにきてコンビネーショントレーラを導入するなど重量物輸送の戦力強化を図っている。

 そんな同社が導入した期待の新戦力、スカニアS650トラクタとモジュラー型コンビネーショントレーラとは、一体どんなクルマなのか?

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2020年12月10日発売「フルロード」第39号より

【画像ギャラリー】重量物輸送の大きな戦力!! スカニアS650トラクタとモジュラー型コンビネーショントレーラを見る

■大型プレス機など超重量物の運搬・据え付けのプロ集団 中山運輸機構のプロフィール

ユーザーの中山運輸機工は大型プレス機の据え付け(設置・組み立て)がメイン。これまで据え付けに付随する輸送は協力会社に委託していたが、コスト削減などを図るため内製化に着手。その目玉として導入されたのが今回のトレーラだ

 中山運輸機工は1977年に設立。大型プレス機の運搬・据え付けを得意とし、国内の大手プレス機メーカーを顧客とする。

 これまでは据え付けがメインで、据え付けに付随する輸送は協力会社に委託していたが、2017年に「特殊車両課」を発足。現在は大型プレス機を中心に重量物の運搬・据え付けの2本柱で業務を行なっている。

 特殊車両課立ち上げの狙いは、「外注コストの削減」「大型化するプレス機の運搬・据え付けニーズへの対応」「自社機材で運搬・据え付けを行なうことで顧客安心感アップ」の3点。このほど運用を開始したスカニアトラクタとゴールドホファーは、そんな同社の今を象徴する存在だ。

 なお、同社は国内でいち早く多軸トレーラの運用を始めた日本の多軸トレーラのパイオニア。

 本格的な重量物輸送からはしばらく遠ざかっていたものの、特殊車両課は以前特殊トレーラに乗務していたドライバーが中心となり発足したもの。歴史ある同社の本格的な重量物輸送への復帰は業界でも大きな話題となっているという。

■650PS/3300Nmで100tも余裕のモンスター スカニアの総輪駆動トラクタの実力は?

スカニア6×6シャシーはオフロードシャシーがベース。一番豪華なSキャブのフロア下部に搭載されたエンジンは650PSを発揮する16.5LのV8だ

 スカニアS650トラクタは、スカニアジャパンの正規ディーラーで、特殊車両や重機械の販売・メンテナンスを得意とする阪東自動車工業(大阪府東大阪市)がスウェーデンのスカニア本社に特注し、国内限定15台で販売したもの。

 日本仕様に未設定のオフロード用6×6シャシーをベースとしており、国産の重量物運搬用トラクタの第5輪荷重20t前後を大きく上回る28tを確保。トラクタの第5輪荷重は単車のトラックの最大積載量に相当。数値が大きければ大きいほど重たい荷物を運ぶことが可能だ。

オフロード志向の頑丈なシャシーは重量物輸送にも寄与。GVW40740kgと第5輪荷重28000kgは国産トラクタには設定のない本場の重量物運搬車ならではのもの

 キャブは最上級Sキャブのロールーフ仕様。車両寸法は全長8165×全幅2495×全高3550mmで、カプラ高は1665mm。GVW(車両総重量)は40740kgとなっている。

 パワートレーンは、V型8気筒「DC16」型エンジン(16.5L)に、12段AMT「スカニアオプティクルーズ」の組み合わせ。スペックは最高出力650PS、最大トルク3300Nmを誇る。

 AMTとは、電子制御式MTを意味する「オートメーテッド・マニュアル・トランスミッション」の略。同車両のAMTは通常走行用のアクセルとブレーキの2ペダルに加え、微速走行用のクラッチペダルも備わる3ペダル式(クラッチオンデマンド式)となっている。

コクピットは通常の6×4トラクタとほぼ共通。インパネ右下(写真左下)に駆動力配分を設定するダイヤルレバーが6×6の証だ。トランスミッションは12段AMTだが微速走行時に使うクラッチペダルを備える

 駆動方式は6×6の総輪駆動で、運転席のダイヤルレバーの操作でトランスファーの駆動力配分を切替可能。なお、登録上のGCW(連結車両総重量)の数値が大きい重量物運搬用トラクタのため、上限速度(リミッターの作動速度)は40km/hとされている。

■最大積載量115t(構内240t)の圧倒的スペックを誇るモジュラー型コンビネーショントレーラの特徴

モジュラー型コンビネーショントレーラはアタッチメントの組み合わせでさまざまな荷台形状を実現。中山運輸機工の車両は2軸ボギー台車(グースネック)+低床ドロップデッキ+4軸ボギー台車の6軸編成となる

 スカニアトラクタとセットで導入されたのが、ドイツ・ゴールドホファー社製のモジュラー型コンビネーショントレーラだ。コンビネーショントレーラは、モジュラー設計の各種アタッチメント(ボギー台車、荷台、グースネックなど)を自在に組み合わせることができるのが特徴の重量物運搬用トレーラである。

 今回、中山運輸機工が導入したのは2軸ボギー台車(グースネック付)+低床ドロップデッキ+4軸ボギー台車の6軸編成で、長さが異なる2種類の低床ドロップデッキを用意。ドロップデッキの換装により、荷台全長を14000mmまたは17000mmとすることが可能だ。

 ボギー台車の油圧ペンデュラムアクスルは、油圧式アクティブサスペンション1本でダブルタイヤ2組を保持。優れた路面追従性と耐荷重性に加え、車軸ステア機能や車高調整機能などを備えており、さまざまな積み荷の積載に対応する。

前後ボギー台車の油圧ペンドルアクスルは車高調整機能を搭載。通常走行時の床面地上高は1175mmだが、積み荷の形状や路面状況などに応じて875~1475mmの範囲で調整可能。写真は875mm時と1175mm時

 床面地上高は通常走行時1175mmだが、車高調整機能により875~1475mmの範囲で変更可能。車軸ステア機能は最大55度のステア角度を誇り、ロッドの取り付け位置を変えることで、角度調整なども可能。

 最大積載量は115000kgだが、ボギー台車は1軸あたり45tの許容軸重を誇り、構内など限られた場面では最大で240000kgの積み荷を積載可能。兵庫~静岡で行なわれた国内最大級の大型プレス機輸送では、重さ約100t、長さ約19mのプレス機主要部品を余裕で運んでポテンシャルを見せつけた。

 今後のさらなる活躍にも期待できそうだ。

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