”不惑”間近のハミルトン、F1キャリア継続を迷ったと認める。「今は勝てないし、疑問に思っていた時期はあった」

　ルイス・ハミルトンは1月7日に39歳の誕生日を迎えた。現役F1ドライバーの中では、42歳のフェルナンド・アロンソに次ぐ年齢となっている。

　ハミルトンの引退も近いのではないかと噂されていたが、2023年の夏にメルセデスとの新契約にサイン。数ヵ月に渡る憶測にピリオドを打った。そこには心境の変化があったという。

　ハミルトンがメルセデスと結んだ新契約の期間は2年。40歳の大台を超えてF1をドライブする予定となっているのだ。

　ハミルトンは自身のF1キャリア継続に疑問を持っていたと明かし、新契約にサインした心境の変化について、『BBCスポーツ』とのインタビューで次のように説明した。

「学ばなければならないのは、決して”絶対”とは言わないことだ」

「でも間違いなく、続けるとは思っていなかった。シーズンは本当に長いんだ。みんなと長い間離れなくちゃいけない。そんな世界に16年（編注：正確には18年）もいるんだ。過酷だよ」

「華やかさやポジティブな要素もたくさんあるけれど、ベストの状態を維持し、努力やトレーニングを続け、結果を出し続けるのは決して簡単なことじゃない」

「プレッシャーは大きい。常に厳しくチェックされるし、僕は今、勝てるわけがないところにいる。レースに勝てば、『ああ、彼は7度の世界チャンピオンだ』と言われる。僕がうまくいかなければ（批判される）……」

「今の時点では、負けることしかできない。だから、それを経験したいかどうか疑問に思っていた時期も確かにあったよ」

　ハミルトンはこれまでの18年のF1キャリアで103勝、チャンピオンを7回獲得している。しかし2022年のレギュレーション変更をきっかけにメルセデスが覇権を失い、ここ2シーズンは未勝利に終わっている。

「僕は今でもドライブが大好きだし、マシンに乗り込むのが大好きなんだ」とハミルトンは語った。

「マシンが始動して、クルーや周りの人たちがいて、ピットレーンに行くと、初めてドライブした日と同じような笑顔になるんだ」