“ものづくり文化”を伝え遺すために
1990年前後の空前のバイクブームから、かれこれ四半世紀が経ちました。そんな懐かしい年式のバイクやクルマが集うイベント「20世紀ミーティング2023秋季」が、2023年10月15日に新潟県三条市の「ミズベリング三条」で開催されました。
【画像】往年の名車がズラリ! 「20世紀ミーティング2023秋季」で展示された旧車を画像で見る(32枚)
このイベントは、2000年ごろまでに生産されたクルマとバイクオーナーの交流会として、隣接する文化施設「KYOWAクラシックカー&ライフステーション」が主体の「20世紀ミーティング実行委員会」が、2021年から開催しています。
元競馬場だったという河川敷の広大な敷地には、輸入車も含めさまざまなメーカーの貴重な年式のバイク約30台とクルマ約120台が整列し、まるで青空博物館のような光景を醸し出していました。
当日はときおり雨模様に見舞われながらも、さまざまな年式や製造国のクルマやバイクを囲んで、参加者と見学者の間で愛車談義や情報交換で盛り上がっていました。
バイクの出展車両は、古いものでは1955年式のブリヂストン「BSモーター41スーパー」や、1957年式のメグロ「ジュニア」など貴重なバイクが並びました。
また最近のモデル、と言ってももう23年前のモデルですが、2000年式のヤマハ「RZ50」の隣に1974年式の「RD50」が並ぶなど、約半世紀の進化を同時に見て楽しめるのもこのイベントならでは。
1960年式の三菱「シルバーピジョンボビーデラックスC200」や、1964年式のスバル「ラビット601C」など、現在はバイクを生産していないメーカーのバイクや、1956年式のMOTOBI「125Ardizio」、1996年式のクラウザー「ドマニ」など、海外メーカーのバイクやサイドカーも集まり、「20世紀」縛りのエントリー条件とすることで、多彩なモデルが集まるのも「20世紀ミーティング」の特徴です。
メインイベントはなんと言っても、1台1台紹介しながらエンジン始動を行なう「ブリッピング」と呼ぶ催しです。
当時の技術をそのままに伝えるエンジン音と排気音を直接聴けるとあって、各所でエンジン始動まで固唾を飲んで見守ったり、カメラやスマホでその姿や音を収める人だかりができていました。
バイクのブリッピングではキック始動も多く、なかなかエンジンがかからずMCにタイムアウトを宣言されてしまったり、一発でかかって拍手が起きることも。
2ストロークのオイルの香りも含めて堪能できる催しでした。
出展者のエピソードも興味深く、例えば1973年式ホンダ「ドリームCD250」を出展していたエントリーネーム「かぶそる」さんは、中古で手に入れた愛車のサイドカバーに手描きされていた「野崎屋酒店」が気になり調べたところ、今は閉店しているものの、元のオーナーさんにたどり着けたとのこと。新車から大事に使われていた車両だったとそうで「これからも大切に乗っていきたい」と話してくれました。
また、新旧ヤマハの50ccスポーツバイク、1974年式「RD50」と2000年式「RZ50」を出展していたのは、なんと高校生オーナーのエントリーネーム「やまちゃん」さん。原付免許を取ったことをきっかけに、地域交流サイト・ジモティーで中古バイクを探したところ「RD50」を見つけたとのこと。それまで「RD50」が旧いバイクだとは知らなかったそうですが、今ではどっぷり旧車の世界にハマって楽しんでいるようです。
実行委員会の主体となっている「KYOWAクラシックカー&ライフステーション」は、金属製品などの「ものづくり」が盛んな三条市にある文化施設で、母体の共和工業がもともと製品の研究開発や社員教育のために資料として集めた膨大な数のクルマやバイク、加工機械、また電化製品から家具や生活雑貨を展示しています。
代表の松井義敬さんは「三条の地で“ものづくり文化”を伝え遺すために、実際に走ってきて集い、エンジンをかけてリアルに見て感じられる20世紀ミーティングをこれからも盛り上げていきたい」と語りました。
次回の「20世紀カーミーティング(2024春季)」(カーと言ってもこれまで同様バイクも出展可能)は、2024年4月14日(日)に「三条パール金属スタジアム」(三条市総合運動公園内)で開催される予定です。現在、参加者を募集中です。
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