2CVクラブシャシー製シトロエン・メアリ
1998年、2CVクラブシャシーは、シトロエン・メアリを製造するのに必要な生産設備を完全に手に入れた。その2年後には、2CVのそれも購入している。
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フランス・マルセイユ近郊に居を構えるこの会社は、2CVやそのバリエーションであるメアリ、アミ、ディアーヌなどのスペアパーツを供給する、世界屈指の存在となった。
メアリは信じがたいほどシンプルな構造で、新規生産するのも簡単。2CVクラブシャシーは、シャシーをはじめ、プラスティックのボディパネルとそれを取り付けるフレームなど、全てのパーツを自社製作する。車体番号も付き、車検も取れる新車として扱われ、価格は1万5000ユーロほど(189万円)だ。
アルヴィス現行ラインナップ
1967年を最後に、自動車生産から手を引いていたアルヴィスの名が、クラシックカーイベント以外で取り沙汰されることは、2017年に過去のモデルを再生産する計画を明らかにするまでなかった。
そのラインナップはグラバーやランスフィールド、パークウォード、ヴァンデン・プラ、そして写真のバーテリなどだ。いずれもアルヴィスの発行するシャシーとエンジンのシリアルナンバーを与えられ、公道走行が可能だ。
ベース価格はおよそ25万ポンド(3750万円)からの設定で、加えてエアコンやインフォテインメントシステムといったオプションの数々が用意される。ただし、ほとんどのモデルが25台限定生産とのことなので、購入の決断はお早めに。
アストン マーティン製DB4 GTコンティニュエーション
コンティニュエーションと呼ばれる生産継続モデルの人気が高まるのに注目し、アストン マーティン・ワークスは2017年に、DB4 GTレースカーを25台生産すると発表した。いずれも軽量バージョンで、公道走行は不可のサーキット専用車だ。
とはいえ、ガレージを飾るためのクルマではない。アストン マーティンは、オーナーが参加できる2年間のサーキット走行プログラムを設定。また、ヒストリックカーのレースイベントの中には、これで出走できるものもある。
ニューポートパグネルの生産施設では、およそ4500時間をかけてDB4をゼロから組み立てる。オリジナルと変わりないように見えるが、ロールケージやレーシングハーネスといった安全装備は最新仕様だ。価格はおよそ140万ポンド(2億1000万円)だ。
アストン マーティン製DB4 GTコンティニュエーション
この新車のDB4 GTを、われわれは2018年初頭に試乗している。
いうなれば過敏な野獣といった感じで、パワーオーバーステアに転じる寸前がもっとも速い。とはいえフレンドリーでもあり、思うほど怖いものではない。ステアリングのギヤ比は低いが多弁で、スロットルレスポンスは素晴らしく、ペダルタッチの硬いブレーキは驚くほどソリッドな制動をみせる。
4速トランスミッションはシンクロを持たないので、スムースな変速をするには車速とエンジン回転を合わせる必要がある。
ブランニュー・マッスルカー製1968年式イェンコ・カマロ
コンティニュエーションのビジネスでは、フォード・マスタングが注目を集めているが、その状況は変わるかもしれない。オクラホマに本拠地のあるブランニュー・マッスルカーでは、2018年後半にイェンコ・カマロの復活版を少量生産するための準備を進めているのだ。
詳細はまだ固まっていないが、半世紀前にイェンコが用いたレシピを踏襲することになるとわれわれはみている。すなわち、コルベット由来のV8を、より小さく軽いカマロのボディに移植するのである。
写真のオリジナルモデルではまた、軽量なファイバーグラスのボンネットも装備。これも再現してもらいたいところだ。
クラシック・リクリエーション製フォード・マスタング・シェルビーG.T.
60年代のマスタングを自分でレストアするのもいいが、オクラホマのクラシック・リクリエーションにオーダーすれば、1965~1968年のファストバックを新車同様に蘇らせてくれる。
ドナーカーはどれも丸裸にされ、現代のコンポーネンツを組み込まれる。オリジナルにあくまでも忠実なレストアにこだわるのではなく、ほとんどのクルマはさまざまなモディファイが施され、なかにはチューニングカーのショーでさえ目にすることができないような内容のものもあるほどだ。
シェルビーG.T.仕様の製作には、2500時間近く掛けられる。クラシック・リクリエーションでは、顧客にデザイン過程からの参加を促し、世界に一台だけのクルマ作りを目指す。
553psのV8や拡大されたブレーキ、アップグレード版サスペンションを備えるG.T.350CRの価格は、およそ11万ポンド(1650万円)からだ。
DMC製デロリアンDMC-12
テキサスのDMCは、短命に終わったデロリアン・モーター・カンパニーを買収。不屈の情熱で、1997年にデロリアンの残されたオリジナル部品を入手し、販売権も手に入れた。当初はスペアパーツの供給を行っていたが、2008年には車両組み立ても開始する。
希望するスペックでのDMC-12製造は、6万5000ドル(700万円)からオーダーできる。1981年当時の新車価格は2万6175ドル(280万円)で、現在の貨幣価値では7万2000ドル(780万円)近い金額に相当する。それを考えれば、復刻版はバーゲン価格とも言える設定で、さらには保証まで付く。
イーグル製ジャガーEタイプ
ヘンリー・ピアマンが1984年に創立したイーグルは、1991年にジャガーEタイプの再組み立てを開始。それも、現代レベルの品質と信頼性を目指した。まずは、クラシックカーのショーで初号プロトタイプを公開。その後すぐに、独立したレストモッド部門を設立した。
Eタイプをイーグルが認める品質に仕上げるには、4000時間を要する。ドナーカーに手作業でボディ補強を施すところから始まり、現代レベルの防錆加工を行う。
その後は、ユーザーの希望に沿って作業が進み、サーキットスペシャルにも大陸横断GTにも仕立てることができるが、いずれにせよ妥協のない仕上げで、購入しうる最高のショーカーにも見劣りしないレベルだ。
価格は仕様によって異なるが、イーグルでは最近完了した3つのプロジェクトをウェブサイトに掲載している。その販売価格は、46万5000~55万ポンド(6975万~8250万円)だ。
イーグル製ジャガーEタイプ
オートカーでは2014年に、アンドリュー・フランケルが写真のロー・ドラッグ・クーペに試乗し、レポートを行なっている。
イーグルという会社とそのスタンダードを知っていれば、このクルマが好きになることは予想できた。しかし実際には、それを超えて魅了された。試乗を終えても、それがなぜだろうかと思い続け、こう結論づけた。これは新車当時、どのように造るべきか知っていたならこう造られただろうと思えるEタイプなのだ、と。
数多くの改修がなされていても、それはジャガーらしさもEタイプらしさも損なわれていないどころか、むしろそれが増している。このクルマの本質的なスピリットは高められ、それでいて、古いクルマの走りを汚すようなつまらない不確かさは減じているのだ。
利得を後付けしたEタイプということである。それも、全域にわたって。
イコンによるクラシック・オフローダーのレストモッド
イコンは、クラシックカーの完璧さを追求したレストモッドで名を成した。ジョナサンとジェイミーのワード夫妻がロサンゼルスで立ち上げたのは、トヨタのFJランドクルーザーやフォード・ブロンコの初期モデルといった、クラシックなオフローダーに特化して、ヴィンテージスタイルを損なわずに、モダンな、日常遣いのできるマシンを仕上げるショップだ。
たとえば、60年代のブロンコを、見た目はほぼそのまま、2015年式マスタングGTの5.0ℓV8とブレンボのブレーキを組み込むことなどができる。イコンは製作コストとして、16万~26万ドル(1735~2820万円)という金額を掲げている。
イコンのディレリクト・シリーズ
ジョナサン・ワードの創造性の、もうひとつの顕現がディレリクト、すなわち「放置された」と銘打たれたシリーズだ。オリジナルの、レストアされていない錆び付いたクルマをベースに、その内側を全てアップデートするのである。顧客にデザイン過程へ参加することを勧め、一台一台をユニークなものに仕上げている。
たとえば写真の1954年式デソート・ワゴンは、納屋に仕舞い込まれて忘れられていた不動車に見えるが、エンジンはインジェクション仕様の6.1ℓヘミV8で、現代の5段ATが組み合わされる。
イコンではエアコンやアップグレードされたワイパー、Bluetooth接続機能を持つオーディオなども組み込んだ。年式相応の古びた外観ながら、中身はモダンなのである。コストは作業の難易度によるが、最大で160万ドル(1億7360万円)という。
ジャガー製コンティニュエーションDタイプ
おそらく、イーグルの成功に触発されたのだろう。ジャガーは2014年に、復刻モデル製作ビジネスに参入し、未使用のまま残されていたシャシーナンバーを用いて6台のライトウェイトEタイプを製作すると発表した。それらは記録的な早さで受注され、同種のプロジェクトに着手することをジャガーの幹部に決断させた。
そうして2016年にはXKSSロードカー9台の再生産を発表し、それに続いたのが2018年のDタイプだ。25台が生産されるが、これは50年代に100台が予定されながらそれに満たなかった台数を補完するためのもの。
新規製造されるそれらは、設計当時に忠実なスペックで、最新のインジニウムユニットを積んでお茶を濁すようなことはしていない。価格は明らかになっていない。
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