アップデートを受けたVクラスの最新版
text:Steve Cropley(スティーブ・クロップリー)
【画像】メルセデス・ベンツEQVとVクラス 大容量の純EVと比べてみる 全91枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
メルセデス・ベンツVクラスの電気自動車版が、EQV。バッテリーで走る純EVとして完璧な姿に近いと、今回の試乗では実感させられた。
もともとVクラスのボディサイズは大きい。全高も高いため、巨大なバッテリーはなんの問題もなくフロア下へ並べられている。
ワンボックスカーのVクラスは、欧州では都市部のホテルから空港へ定期的に運行するような、シャトルバス的な利用シーンが想定される。そんなクルマの場合、航続距離は必要以上に長い必要はない。走行するルートも、一定であることが多い。
様々な収容力を想定し、大人6名とその荷物にも対応できるように設計されている。あるいは、お迎えに行く時はドライバー1人かもしれない。
EQVのエアサスペンションはバッテリーの重量を受け止め、変化する乗員や荷物にも順応できる。専任のドライバーやスタッフなら、定期的なバッテリー充電を面倒がることもないだろう。
基本的に、このEQVは最近アップデートを受けたVクラスの最新版といえる。2列目と3列目のシートをあわせて、大人5名か6名が快適に移動できるスマートな車内空間が与えられている。
滑らかで静か 航続距離は342km
ボディ両サイドには電動のスライドドアが付き、インテリアはコンサバティブながら豪華な雰囲気を醸し出す、ブラックのレザーで仕立てられている。英国でのEQVの価格は、約7万ポンド(1050万円)からだ。
今回の試乗車、スポーツ・プレミアムの場合、英国価格は7万7145ポンド(1157万円)とバーゲンプライスとは呼べないだろう。購入費用を抑えたいなら、英国では5万ポンド(750万円)前後から用意される、内燃エンジン版のVクラスを選ぶといい。
運転し始めると、すぐにVクラスが純EVに適していると理解できる。多くの高級EVと比べると出だしは若干鈍いものの、大差なく大きなボディが滑り出すように加速していく。
アクセルペダルを踏み込んでも、非常に滑らかで静か。舗装の傷んだ道に出くわしても、何事もなかったように平然と通過してくれる。大きなリチウムイオン・バッテリーがフロア一面に敷かれている構造は防音性でも有利で、ロードノイズは小さい。
ステアリングの操舵感はバスのようなものかと思いきや、重み付けはちょうど良く、反応はとても正確。ボディの全長はピックアップ・トラックのフォード・レンジャーや三菱L200(トライトン)とほぼ同じ。小回りも、悲劇的なほど効かないわけではない。
実際、フォード・レンジャーをファミリカーとして乗っている人も英国では少なくない。
設計目的の実行に素晴らしい完成度
そして、筆者が一番驚いたのは航続距離。メルセデス・ベンツによれば、この大きなボディで最大342kmが走れるという。今回の試乗でも、ほぼそれに近い距離へ届くことが示されていた。
メルセデス・ベンツEQVを英国の一般道で運転した時、気になる部分が弾むように硬い乗り心地。ドイツのような平滑な路面なら、同じ思いをすることはないのだろう。
荷物もお客さんも載せていない状態で、跳ねるような動きが感取された。もし5名のラグビー選手と必要な装備を積んだら、ダンピング不足を感じるかもしれない。
送迎用の大型ワゴンとしての利用が想定されているだけあって、ドライビング体験に目立ったドラマ性はない。そのかわりメルセデス・ベンツEQVは、Vクラスとしての設計目的を実行するのに、とても素晴らしい完成度を得ているようだ。
メルセデス・ベンツEQV 300 スポーツ・プレミアム(欧州仕様)のスペック
英国価格:7万7145ポンド(1157万円)
全長:5140mm
全幅:1928mm
全高:1901mm
最高速度:157km/h
0-100km/h加速:12.1秒
航続距離:342km
CO2排出量:−
車両重量:2635kg
パワートレイン:AC非同期モーター
バッテリー:90.0kWhリチウムイオン
最高出力:206ps
最大トルク:36.8kg-m
ギアボックス:−
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