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昔のキャッチコピーもイカシとるやん! 80年代、90年代のホンダ・スズキ・いすゞのカタログが中々いいぞ!

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昔のキャッチコピーもイカシとるやん! 80年代、90年代のホンダ・スズキ・いすゞのカタログが中々いいぞ!

 漫画や小説などあらゆる紙媒体が電子媒体に変わりつつある今日この頃。昔の自動車カタログを引っ張り出すと、紙質がよく、今でも印刷が悪くなっていない事に気付いて驚かされる。今回は自動車の紙カタログが消える前に、往年の名カタログを少し覗いてみよう。

文/佐々木 亘、写真:HONDA

昔のキャッチコピーもイカシとるやん! 80年代、90年代のホンダ・スズキ・いすゞのカタログが中々いいぞ!

■ホンダは多くを語らず魅せるカタログ

ホンダはリトラクタブルヘッドライトもかなり独特だ

 象徴的な短い言葉で、機能や性格を説明していくのがホンダのカタログだ。

 1987年登場のCR-Xは「サイバースポーツ」と表現され、「運動神経と直結する、FFスポーツ」と説明が加わっている。

 強く印象に残るのだが、表現の仕方は綺麗でわかりやすいのが特徴だ。

 逆輸入という言葉を定着させたアコード・クーペでは、「日本がまだ知らなかったクーペです」と、海外の文化が日本に入ってくるということを、一節でよく表している。

 写真と一言で、明瞭に示すのもまたホンダの上手さだろう。

 1987年登場のプレリュードでは、横からの外観写真に「ひとに、響く」と添えられカタログがスタートとする。

 すると、翌ページからはフロント写真とともに「大地を這う」、フロント・リアの寄りの写真とともに「気配がする」、内装写真とともに「透きとおる」という言葉しか記されていない。

 写真と一言だけを載せる割り切った作り方なのだが、それで事足りるのが不思議な魅力である。

 魅せる部分と語る部分、この使い分けがホンダは上手い。

■秀逸なコピーにメロメロ!スズキのワードセンスは凄い

 90年代の自動車カタログで、最も面白いのはスズキかもしれない。

 1990年登場のアルトワークスでは、「そこのけ、そこのけ、ワークスが通る。」と一度見たら忘れないコピーが躍る。

 オシャレなデザインに高スペックなアルトワークスを、見事に表現した一言だ。

 93年登場のカプチーノのでは、オープンカーの特性を生かし、「オープンに生きませんか」という一言がニクイ。

 ジムニーシエラ(1993年)では、「大地がくれたカラダだ。」というワードにゾクゾクさせられる。力強さを感じる、いい言葉だ。

 そして極めつけがワゴンR。表紙をめくると「ワゴンR。」という文字がお出迎え。

 なぜワゴンRに句点(。)が付くのか、このカタログを考えた人に聞いてみたいものだ。

 さらにページをめくると、車体左側面の写真と「左から見ても」の文字、続くページには車体右側面の写真と「右から見ても」という文字が躍る。

 変則ドア(運転席側1枚、助手席側2枚)の事実を知らせるものなのだが、気になる箇所が満載だ。

 さらに機能説明では、ページ右上に「効能:クルマより楽しい」の文字が。既にワゴンRの世界観に引き込まれ、次々と現れてくる奇天烈な表現が楽しい。

 所々、遊び心だけで作りすぎじゃないかと不安になるのだが、カタログを読んでいる全ての時間が幸せに感じられるのが、スズキの力なのかもしれない。

■いすゞのカタログは横文字だらけ!

近未来的な出で立ちで、このクルマの異質さを感じる

 今ではトラックメーカーのいすゞだが、80年代から90年代初頭までは、いすゞの乗用車を見ることができた。

 どこかアメリカナイズされたというか、欧米の空気感を持っていたクルマが多く、カタログにも聞きなれない横文字が並ぶ。

 1987年登場のジェミニでは、「NEAT RUNABOUT」「LIVE PERFORMER」と、英文が多く使われた。

 91年のピアッザネロは「テレパスか」と、聞きなれないカタカナが並んでいる。(※テレパス:いわゆるテレパシー能力者のこと)

 極めつけは89年登場のビッグホーン。「全身にジェントルマンスピリットがあふれている。プレステージの高さを見てほしい。」と記された。

 おおむね言いたいことは分かるのだが、こんなにカタカナ文字を使わなくてもいいのでは、とツッコミたくなるほどだ。

 クルマも独特だったが、そのカタログも独特な作り込み。いすゞというメーカーのキャラクターをよく表している。

 こうした面白いカタログが、現在は無くなっている。今後は、カタログという冊子の存在も無くなっていくだろう。

 電子になってもいいので、クルマの表現方法のひとつとしてカタログの面白さは残してほしい。カタログはいつまでも「読み物」であってほしいのだ。

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