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BMWが燃料電池コンセプト「i Hydrogen NEXT」を出す理由【フランクフルトショー 2019】

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BMWが燃料電池コンセプト「i Hydrogen NEXT」を出す理由【フランクフルトショー 2019】

BMW i Hydrogen NEXT

BMW i ハイドロジェン ネクスト

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市場投入は2025年頃が濃厚か

BMWは第68回フランクフルト・モーターショーで燃料電池自動車のコンセプト「i Hydrogen NEXT」を初披露した。モデル名に冠する「i」は、今後はBMWのあらゆる新しい技術のインキュベーター(新技術を推進する役割)として使用していくという。

BMWはミドルクラスSUVの現行X5をベースにした燃料電池車を2022年に発表する計画。今回発表したコンセプトカー「i Hydrogen NEXT」はその予告篇といえるもの。BMWは量産燃料電池モデルの市場への投入は早くても2025年頃と見積もっており、そのタイミングは市場の声と社会環境によって変化するとしている。

i Hydrogen NEXTが示すのは、たとえば X5のようなスポーティなモデルにも搭載が可能であるという燃料電池ユニットの汎用性の高さ。ボンネット上には“BMW i ブルー”と呼ぶ専用の柄をあしらい、グリルやエアインテーク、ホイール、リヤディフューザーなどにも青を配色することで次世代パワートレインの搭載車であることを主張する。また、テールパイプを無くすことで、このクルマが「ゼロエミッションで走っている」ことを示した。

水素の充填に要する時間は4分未満。航続距離が長く、トルクが太くて牽引能力も高く、性能が気象条件に左右されにくいのが燃料電池車の特徴だが、多くの地域ではインフラ面がまだまだ追いついていないという問題も横たわっている。

あらゆるパワートレインの可能性を否定しない

i Hydrogen NEXTは、自動車の電動化を積極的に行ってきた自動車メーカーとして、BMWがあらゆるパワートレインを広く研究していくことを明示する重要なコンセプトモデルだ。世界中の幅広いユーザーの声に応えるには、ひとつの解答に絞ることは現実的ではないとBMWは言う。内燃機関、HV、PHV、EV以外の選択肢として、燃料電池の可能性を引き続き模索していくことを示した格好だ。

燃料電池技術の開発にあたっては、BMWは2013年よりトヨタと協働している。2015年夏からは、トヨタと共同開発した燃料電池ユニットを積んだ5シリーズGTのプロトタイプを少数生産し実証実験を行っている。さらに両社は燃料電池製品開発のパートナーシップを2016年に正式に締結。汎用性の高いモジュラーコンポーネンツの開発とともに、インフラの構築、燃料電池市場の拡大に向けた仕組みづくりについても二社共同で進めていく。2017年にはエネルギーや輸送、工業などのリーディングカンパニー11社で構成する“ハイドロジェン カウンシル(水素協議会)”が発足。2019年現在、加盟企業はすでに60を数えている。

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