免許の取得が簡単なのは、50ccのバイクが乗れる原付免許
2025年11月に導入が予定されている原付一種の排ガス規制によって、50ccのエンジンを積んだ原付バイクの生産は終了する見込みです。また、これにより原付バイクの車両区分などの法律が見直される模様で、最高出力を制限した総排気量125cc以下のバイクを「新基準原付」とし、原付免許で運転できるようになります。
普通免許で全ての125ccバイクに乗れるわけではない? 原付にまつわる法改正をもう一度おさらい
つまり、50ccの原付バイクは消滅するものの、将来的に125ccクラスのバイクに原付一種と原付二種の2つジャンルが誕生することになるというわけです。
とは言っても、新基準原付が導入されるのは来年の話で、50ccの原付バイクは今ならまだ買うことができます。なかには、これから免許を取って小型バイクの購入を予定しているけど、排気量の違いによる特徴がわからず迷っている人もいるかもしれません。
では、50ccと125ccを比較した場合、それぞれどのようなメリット・デメリットが挙げられるのでしょうか。
まず、50ccのバイクを運転するには「原付一種免許」が必要です。なお、クルマの普通自動車免許を持っていれば自動的に付帯されるので、わざわざ原付免許を取得しなくても50ccまでのバイクに乗ることができます。
一方、125ccまでのバイクを運転するには「小型限定普通二輪免許」または、クラッチ操作の必要がないオートマチックのバイクに限り運転できる「AT小型限定普通二輪免許」が必要です。
いずれも満16歳以上で取得できますが、原付免許と小型限定免許では取得する方法が大きく異なります。
たとえば原付免許は、運転免許センターでマークシートの学科試験に合格して、3時間程度の原付講習を受ければ最短1日で取得が可能です。取得費用もほとんどの地域で8000円程度で済むので、あまりお金をかけずにいち早くバイクの免許が欲しい人に向いています。
しかし小型限定免許になると、免許取得のハードルが上がり学科試験だけでは乗ることができません。一般的には教習所に通って、学科と技能のそれぞれ定められた時間の教習を受ける必要があります。MTの場合で最短6日、クルマの免許を持っている人でAT限定の場合で最短2日で取得可能です。
このように免許の取りやすさという面では、原付免許のほうが簡単で気軽に取得できるといえるでしょう。
純粋にバイクの走りを楽しむなら125ccの原付二種に軍配か?
なぜ小型限定免許のほうが免許の取得が難しくなっているのかというと、50ccよりもバイクの性能が上がり、それに見合った運転技術が必要になるためです。
排気量の小さい50ccの原付は比較的パワーが抑えられているため、原付一種の法定速度は30km/hまでとされています。公道ではもっとも遅い速度で走行するため、原則として一番左の車線を走行する決まりになっており、さらに左側に寄って走らなければなりません。
また、走行している道路が3車線以上の場合で交差点で右に曲がる場合は、基本的に車線変更をせず2回信号に従って右折する「二段階右折」をする必要があります。さらに、2人乗りは禁止されているうえ、アンダーパスや高架橋などでは原付の走行を禁止している場所も多いので、うっかり入ってしまわないように注意が必要です。
原付二種の法定速度は、クルマや通常のバイクと同じ60km/hまで出すことができます。排気量125ccのバイクの動力性能は交通の流れに無理なく乗れるため、一般道であれば不満を感じることはほとんどありません。
また、免許を取得してから1年が経過し、タンデム用の装備がある車種であれば2人乗りも可能です。さらに、3車線以上の道路を走行中でも二段階右折をする必要はありません。クルマと同じように一番右側の車線に入って右折することができます。
このように、50ccと125ccを比較すると異なる部分が多いため、とくにバイクの免許を取り立ての人はどちらを選んだらよいか迷ってしまうことも多いはずです。
スピードが控えめで手軽に免許が取れる50ccのバイクは、初心者が運転に慣れるためや、近場の移動手段としては最適です。しかし、ルール上制限が多く速度も限定されるので、バイクの爽快感を純粋に楽しみたい人には不向きと言えるでしょう。
一方の125ccのバイクは、クルマと同等のルールで走行できるうえ、2人乗りもできるので利便性やパワーが段違いです。街乗り以外にもツーリングに出かけたり、気の合う仲間とタンデムで遊びに行くなど、アクティブにバイクを利用したい人は125ccのバイクを選んだほうがよいでしょう。
※ ※ ※
50ccと125ccのバイクには、それぞれにメリット・デメリットがあります。ただ、どちらも軽くてコンパクトな車体であるため、誰でも扱いやすく入門機として相応しいモデルです。
しかし、性能や交通ルールが大きく違うので、自分のライフスタイルに合わせて運転免許やバイクを選ぶと、自分にぴったりの一台が見つかるかもしれません。
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みんなのコメント
メーカーや管理者はそのへんも考慮して既存の125ccバイクの馬力を落とすだけでなく重量も考慮して認可する事も重要だと思います。