フィアットの商用車部門であるフィアット・プロフェッショナルが手掛けた「デュカト」に小川フミオが試乗した。日本に正規導入されたイタリアの商用車とは?
ビッグサイズ!
LCV(ライトコマーシャルビークル=小型商業車)の欧州代表選手ともいえるフィアット・プロフェッショナルのデュカトが日本に上陸した。とりわけキャンプ好きに喜ばれているようだ。
フィアット・デュカトは、欧州ではありとあらゆる姿で目にする。日本だとキャンプ仕様に改造するニーズが高いようだけれど、あちらでは、ラダーフレームの車体を活用して、工事現場から個人使用まで幅広い。
今回乗ったのは、もっともベーシックな「L2H2」仕様。3450mmのホイールベースのシャシーに、全長5410mm、全幅2050mm、全高2525mmのボディを載せている。
ふたり乗りで、荷室がやたら広い。観音開きのリアゲートを開けて荷室に入ると180cmの人でも頭をぶつけないほどの天井高。
おどろくのは、このL2H2仕様は、日本に導入されるデュカトのなかで最小サイズということだ。「L3H2」は4035mmと超がつくロングホイールベースに、全長5995mm、全高2525mm(これはおなじ)の車体を載せている。
最大は「L3H3」。ホイールベースはL3H2と同じだが、全高は2765mmに達する。ちなみに全幅は3モデルで共通だ。
ホイールベースにバリエーションが設けられるのは、前輪駆動だから。見かけはバンだけれど、トラックと同様、駆動系がすべて収まったトラクター部分と、その後ろの荷台のトレーラー部分とで構成されているのだ。
エンジンも全車おなじ。2184cc直列4気筒ディーゼルで、インタークーラー付きターボチャージャー搭載により、132kW(180ps)の最高出力と、450Nmの最大トルクで前輪を駆動する。
力強い走り運転席には、“よっこらしょ”という感じで登る。しょっちゅう乗降を繰り返すのはツラそうだ。
コクピットはふたり乗り。試乗したのは”素”の状態の車両のため、運転席と荷室のあいだにはボルトオンの隔壁が取り付けられていたが、これは容易に取り外し可能。
鉄板を取り外してしまえば、前席シートは2脚とも回転機能をそなえているので、180度後ろを向くこともできる。「キャンプ仕様では求められる装備です」と、輸入元であるステランティス・ジャパンの広報担当者は説明してくれた。
シートはハイバックタイプで、サポートもしっかりしていて、クッションはややソフト。落ち着く。
足まわりは予想どおり硬めで、空荷だと東京都内の制限速度内でも細かく跳ねる。その振動をシートクッションがていねいに吸収してくれる。
寝かされているステアリング・ホイールはグリップ径太めで、径は大きい。パワーアシスト付きなので、もっと径が小さくても操作が困ることはなさそうだが、小径化で車体の反応が速くなりすぎるのは嫌われるのだろう。
エンジンは450Nmもの最大トルクが1500rpmで出る設定なので、走り出しも市街地の中間加速も、力強く感じる。
昔は欧州製のディーゼルエンジンといえば、高速ではいいけれど、ストップ・アンド・ゴーの多い市街地では、ぜんぜんまわらなくて苦しかったのに……と、私には隔世の感があった。
2tを超えるボディを痛痒感なく加速させていく。荷物が増えていっても、これだけトルクがあれば、けっこうよく走りそうだ。エンジン音の侵入はとても低く抑えられている。
充実の装備もうひとつ、私が感心したのは、車体の扱いやすさ。輸入元による「高さに気をつけて!」というようなウォーニングが車内に大きく掲げられているように、ポルシェ「911ターボ」なら2台分に相当するほどの全高だけはともかく、幅寄せとか大変やりやすい。
ルームミラーはデジタルタイプ。解像度は高くて、すこし離れてついてくる車両のナンバープレートを読み取るのもむずかしくない。
装備は、乗用車なみに充実している。電動格納式ヒーテッドパワードアミラー、サイドビューカメラ、エレクトロニックスタビリティコントロール、レーンキーピングアシスト、前面衝突警報、ブラインドスポットアシスト、リアパーキングセンサー、リアパーキングカメラ、ヒルディセントコントロールなど、とくに安全支援システムは豊富だ。
さらに、クルーズコントロール、ドライブモードスイッチ(エコ、ノーマル 、パワー)、ナビゲーションシステム(ETC)、7インチフルカラーTFTマルチファンクションディスプレイ、10インチオーディオナビゲーションシステム、USBポート(Type-AとType-C)、ワイヤレスチャージングパッド、12V 電源ソケット、キーレスエントリー、といった具合。商用車とは思えぬ内容だ。
「L2H2」の価格は512万5000円。このまま乗る人はいないだろう。オーナーのクリエイティビティの見せ場ともいえるデュカト。おもしろいクルマが入ってきた!
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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