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映画用にデザインされたアストンマーティンが活躍する! 『007 スペクター』を観る!!

掲載 更新 2
映画用にデザインされたアストンマーティンが活躍する! 『007 スペクター』を観る!!

 1963年に発売された名車アストンマーティンDB5は、世界中に多くのファンを持つが、そのきっかけの一端となったのは映画の『007』シリーズだろう。

 『ゴールドフィンガー』に登場した「ボンドカー」のDB5は、流麗なスタイリングに加え、銃や防弾板、煙幕装置などの装備を持ちスパイカーにふさわしい仕上がりだった。ミニカーなどの玩具も発売され、当時の子供たちにも大人気だったのだ!

低価格で高音質!! どこでも使えるポータブルスピーカーを車内に導入してリッチな音空間を実現!!

 そんなDB5は、ダニエル・クレイグが主演する最新の007シリーズにも登場する。今回はアストンマーティンが大活躍する映画『スペクター』をご紹介しよう。

文/渡辺麻紀、写真/ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント、アストンマーティン

【画像ギャラリー】ボンドカーのスパイギミックにビックリ!!『007 スペクター』を楽しもう!!

■最も有名なボンドカー アストンマーティン DB5

アストンマーティンDB5。演出上のさまざまな仕掛けの印象が強く、ボンドカーといえばアストンマーティンを想像する人も多い

 キャラクターのアイデンティティを表すアイテムとしての車のなかで、もっとも有名なのは『007』シリーズのアストンマーティンDB5だろう。

 このシリーズの第3作目、ショーン・コネリーがジェームズ・ボンドを演じた『007/ゴールドフィンガー』(64)のときからボンドの愛車、ボンドカーとして登場している。マシンガンや煙幕、可変ナンバープレート、無線電話等、さまざまな機能を搭載した、まさに絵に描いたようなスパイカーだった。

 あまりにこの組み合わせの印象が強いせいか、すべてのシリーズ作品でアストンマーティンが使用されているようなイメージだが、実はそうでもない。

 日本を舞台にした『二度死ぬ』(67)ではトヨタ2000GT、ボンド役がロジャー・ムーアにバトンタッチされてた3作目『私を愛したスパイ』(77)では、潜水艇に変形するロータス・エスプリ、『オクトパシー』(83)ではベンツ250SE等、実にさまざまな車を起用しているのだ。

 アストンマーティンがボンドカーとして再び注目を浴びるようになったのは、ダニエル・クレイグが6代目ボンドを襲名した『007カジノ・ロワイヤル』(06)以降。クレイグがこの車をお気に入りなのか、すべての作品でボンドカーとして使用されている。

 そこで今回は、クレイグ・ボンドの見納めになる新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開に合わせて、前作『007スペクター』(15)をおさらいしておきたいと思う。

■宿敵登場!! 自らの過去と対峙していくボンド

『スペクター』で4作目のボンドとなるダニエル・クレイグ。歴代ボンド同様、スーツ姿が実にさまになっている

 『スペクター』の前作、シリーズ最高傑作とも言われる『007スカイフォール』(12)で自らの過去と向き合ったジェームズ・ボンドが、引き続き過去に追いかけられるというストーリー。

 彼を地の果てまでも追いかけようとするのが、タイトルにもなっている秘密組織スペクターの首領ブロフェルド(クリストフ・ヴァルツ)。実はふたりの間には複雑で深い因縁があったという設定で、ボンドは新任のM(レイフ・ファインズ)の命令を無視し、ひとりでこの巨大組織に立ち向かって行く。

 そんな孤立無援のボンドをバックアップしてくれるのはお馴染みのQ(ベン・ウィショー)とマネーペニー(ナオミ・ハリス)たち。

 009のために作ったというプロトタイプのアストンマーティンDB10を(結果的に)ボンドに譲り、マネーペニーは上司のMに内緒でさまざまな情報を流してくれる。この辺のチームワークはシリーズものならではの面白さだ。

 そのDB10は(字幕では)何と5億5000万円! もちろんスパイカーとしてカスタマイズされているからこそのお値段なのだろうが、思った以上にお高い印象ではある。

『スペクター』でボンドカー(の1台)となるのはアストンマーティンDB10。もちろんスパイギミック満載だ

 3.2秒で時速100キロに加速可能で完全防弾、さらにさまざまな機能を搭載したこのゴージャスな車が真価を発揮するのは深夜のローマ市街地。

 好きな音楽から、火炎放射器やマシンガン、さらには「ARI」のスイッチを押すと車の座席のまま外に飛び出しパラシュートで落下出来るという、いたれりつくせりの機能をボンドは、敵に追われて車を走らせつつ実践して行く。

 この設定のおかげで、スリルと笑いがミックスされたカーチェイスシーンになっているのだが、最後は川にドボン。5億5000万円が……いや、本当にもったない。

 ちなみに、このアストンマーティンはシリーズで初めての映画のために作られたオリジナル。10台生産され、撮影に8台、プロモーション用に2台使われ、そのうちの1台はオークションに出品。

 何でも243万4500ユーロで落札されたという。今のレートで日本円に換算すると驚愕の3億1500万円! 一体誰が手に入れたのでしょうか。

■数々の名車・高級車を使って繰り広げられるカーチェイス

カーチェイスも盛り沢山。登場車両の総額を考えるとソワソワして楽しめないので、車の豪華さは忘れてアクションを堪能しよう

 そんなDB10を追いかけるのは、ボンドを狙う殺し屋Mrヒンクス(デビッド・バウティスタ)。彼が駆るのは、最近流行の柿色っぽいジャガーC-X75だ。バチカン市国のサンピエトロ大聖堂に向かう大通りを疾走し、テレべ川の河川敷に入ってもフルスロットルで爆走する。

 こちらのジャガーも実は市販されたものではなく、数台のプロトタイプしか生産されなかったレアアイテム。ということはつまり、本作最大のカーアクションの主役2台ともに、どちらもこのシーンでしかお目にかかれないことになる。車ファンは、そのつもりでご堪能くださいませ。

 その他の登場車をあげると、雪のスイス山岳地帯で展開する車とヘリのチェイスではレンジローバー スポーツSVRとディフェンダー・ビッグフィットが大活躍。こちらを運転するのは敵キャラで、ヘリがボンド。

 アフリカの砂漠地帯でボンドと、今回のボンドガール、マドレーヌ・スワン(レア・セドゥー)を出迎えるのは、ボンド曰く「1948年ロールスロイス、シルバーレイス」という美しいクラシックカー。

 その車が、地平線の彼方から徐々に近づいてくるシーンは、まるで『アラビアのロレンス』のオマー・シャリフ登場シーン。美しく優雅かつミステリアスで、監督のサム・メンデスの遊び心なのだと思う。

 ボンド映画のお約束のひとつ、世界各地を謎解明のために走り回ったのち、ロンドンに戻って来たボンドが乗るのは、MI6の公用車であるジャガーXJ。この車に乱暴に突っ込んでくるのは、真っ黒に塗り替えられたトヨタのハイラックス。

 そして、最後の最後に登場するのは、あのアストンマーティンDB5。前作で木っ端みじんにされ、ステアリングだけは残ったと言われた車が、(おそらく)Qの手で見事に甦り、ボンドが再びハンドルを握るのだ。

■再び登場のDB5! ナンバープレートの粋な演出に感涙!!

前作で破壊されたはずのDB5も再登場する! ボンドがDB5に乗ってカーアクションを展開するのは007第3作『ゴールドフィンガー』以来だ

 この車は『スカイフォール』でボンド自身が隠し持っていたという設定で登場する。というのも、初めて登場した『ゴールドフィンガー』と同じ車という設定なので、ナンバープレートも同様に「BMT 216A」になっているのがシリーズファンには嬉しいポイント。

 アストンマーティンDB5は、これまでも『トゥモロー・ネバー・ダイ』(97)や『カジノ・ロワイヤル』(06)に登場しているが、ボンド自身がこれを駆ってカーアクションをするのは『ゴールドフィンガー』以来だったのだ。

 そんな思い出の車と、美女を手にしてニヤリで終わる『スペクター』なのだが、最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でもアストンマーティンが出演するという。それも4種類も!

 ボンドが勝手にマイカーにしてしまった(としか見えない)DB5はもちろん、V8サルーン、DBSスーパーレッジェーラ、ヴァルハラの4台が登場するという。

 また、マセラッティのクアトロポルテ、ランドローバーのディフェンダー、さらにトヨタのランドクルーザープラドも活躍するというから、車もいつも以上に大判振る舞いなのか? 期待が高まります!

●解説●

 死者の日の祭りで沸き返るメキシコで、何者かを追うジェームズ・ボンド。だが、それは彼自身が勝手に行っていた捜査。それがばれたボンドは新任の上司Mから停職処分を受けてしまう。

 ボンドの本当の目的は謎の男の正体を暴くこと。落命したMの遺言を果たすためだったのだ。しかし、その任務は、またしてもボンドを過去へと引きずり込むことになる。

 『スカイフォール』をモノした監督サム・メンデスが関係者全員の希望に応えて続投したシリーズ第24弾。

 ボンドを過去と向き合わさせる人物、かつてドナルド・プレザンスやテリー・サラバス、マックス・フォン・シドーらが演じていたボンドの宿敵を、今回は『イングロリアス・バスターズ』(09)等で二度のオスカーに輝く名優クリストフ・ヴァルツが熱演。

 スペクターの首領という設定に変わりはなく、マオカラーのジャケットやネコ等、ガジェットも踏襲しているものの、ボンドとの個人的確執は本作のオリジナル。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』にも顔を出しているところを見ると、またもボンドを追い詰めるのかもしれない。

*   *   *

『007/スペクター』
ブルーレイ ¥2,619(税込)/DVD ¥1,572(税込)
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
SPECTRE(C)2015 Danjaq, LLC, Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Columbia Pictures Industries, Inc.
SPECTRE, 007 Gun Logo and related James Bond Trademarks(C)1962-2016 Danjaq, LLC and United Artists Corporation.
SPECTRE, 007 Gun Logo and related James Bond Trademarks are trademarks of Danjaq, LLC. All Rights Reserved.

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【画像ギャラリー】ボンドカーのスパイギミックにビックリ!!『007 スペクター』を楽しもう!!

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みんなのコメント

2件
  • ヴァンテージを 映画と同じDB10のデザインで出せばもっと売れたのにね
  • >アストンマーティンがボンドカーとして再び注目を浴びるようになったのは、ダニエル・クレイグが6代目ボンドを襲名した『007カジノ・ロワイヤル』(06)以降。

    15作目のリビングデイライツではV8ヴァンテージ、20作目のダイアナザーデイではヴァンキッシュが装備満載のボンドカーとして登場してますよ。
    アストンマーチンに乗っていないのはRムーアだけですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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