かつて国際自動車連盟FIAで会長を務めたマックス・モズレーが2021年5月に死去したことが発表された。81歳だった。
モズレーは1993年から2009年にFIA会長を務め、レースでの安全性向上だけでなく一般の交通安全にも大きく貢献したことで知られる。
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1940年にロンドンで生まれたモズレーは、特許法と商標法を専門とする法廷弁護士になった。一方で趣味でレースに出場、1969年にドライバーとしての活動を終えて、マーチ・エンジニアリングを共同設立した。モズレーは、世界有数のレーシングカーマニュファクチャラーに成長したマーチの法的、商業的問題への対応を1969年から1977年まで担当した。
1970年代半ばに、モズレーは、F1コンストラクターを代表する団体フォーミュラワン・コンストラクターズ・アソシエーション(FOCA)の公式法律顧問に就任。最初のコンコルド協定により、FOCAと国際自動車スポーツ連盟(FISA)との長きにわたる対立を解決に導いた。
1991年にモズレーはFISA会長に選出され、1993年にはFIAの会長に就任。モズレーは、FIAがモーターレーシング以外の世界にも向上をもたらすことを目指し、交通安全の向上と環境技術の使用促進に着手した。
1994年F1サンマリノGPでアイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーの死亡事故が起きると、モズレーはF1でのさらなる安全性向上のため幅広い改革に取り組んでいった。会長時代、モズレーは、F1でのクラッシュテストの厳格化、ドライバーの頭部保護デバイスHANSの導入などに寄与、モータースポーツおよび自動車業界における安全性促進に大きく貢献した。
モズレーは1997年、2001年、2005年の3回、FIA会長に再選されたが、スキャンダルが報じられた後、出馬せず、2009年に退任、FIA名誉会長に任命された。モズレーの後任には、現会長ジャン・トッドが選ばれた。
トッド会長は訃報に際して次のようなコメントを発表している。
「マックス・モズレーが死去したことを心から悲しんでいる。彼はF1およびモータースポーツにおいて大きな役割を果たした人物だった」
「FIA会長を16年間務め、サーキット上、一般交通上の安全性向上に大きく貢献した。FIAコミュニティは、彼に敬意を表し、ご家族の方々を思い、皆様のために祈りを捧げる」
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