もくじ
ー 積算1万7685km 初回点検
ー 慌てて予約 次の1万6000kmへ
ー 喜びは格別 残りの日々は少なく
ー テスト車について
ー テストの記録
トヨタ・ハイエースに、海外向け新シリーズ フィリピンで世界初公開
積算1万7685km 初回点検
長期テスト車両のベンテイガは、なんの不具合もなく、走行距離1万6000kmを走行して6カ月点検の時期を迎えることができた。
19万7000ポンド(2815万円)ほどもするクルマとしては、当然だと思われるかも知れないが、これだけ複雑極まりないモデルとしては、快挙と言っても良いかもしれない。
V8ディーゼルか、長期テスト車が積むW12ガソリンのどちらが優れたエンジンかという議論も相変わらず白熱しており、AUTOCARスタッフや友人たちにどちらが好みをきいてみたところ、現時点ではW12ガソリンが11票、V8ディーゼルが7票という結果になった。
インターバルが延びているとは言え、やはり点検時期になると憂鬱になるものであり、ましてや、長期テスト車のベンテイガのように、着実に走行距離を伸ばしている場合にはなおさらだ。
さらに、現代のクルマは点検が必要であることを感じさせることなどほとんどなく、1990年代のベントレーであれば、ひとつかふたつくらいはその兆候を示してくれたものだが、ベンテイガは納車のときとまったく変わらない状態を保っている。
慌てて予約 次の1万6000kmへ
走行距離1万4800kmを越えたあたりから、ディーラーへの入庫予約を考え始めてはいたものの、結局は、最初の点検タイミングとして指定されている1万6000kmを400km超過したうえ、さらに、急遽1000kmのドライブに出なければならない事態に至って、慌てて予約をすることにしたのだ。
しかし、高級車専門ディーラーであるHRオーウェンのベントレー整備担当に連絡をしてみたものの、生憎サービス工場は予約が立て込んでおり、例えこんな超高級SUVであっても、順番待ちからは逃れられないのだという事実を認識させられる結果となった。
だが、幸いにも、シニアサービスアドバイザーのケイタン・ワラから連絡があり、緊急用に空けておいた枠に入れてくれるとのことで、わざわざ、ワンズワースにあるHRオーウェンの工場から、トゥイッケナムの編集部までクルマをピックアップするため、人まで寄こしてくれたのだ。
翌日には、整備を終えて新車と見まがう姿となったベンテイガがふたたび編集部へと送り届けられ、次の1万6000kmへ向けての準備が整えられた。
今回の点検整備にかかった費用は810ポンド(11万7000円)であり、基本点検に加え、エンジンオイル、オイルフィルター、ワイパーゴムとリモコンの電池交換、さらに付加価値税まで含めた金額とは言え、2時間10分の作業費としては、決して安くはないというのが偽らざる感想だった。
喜びは格別 残りの日々は少なく
それでも、点検を終えたベンテイガとのドライブは素晴らしいものであり、プロの手でしっかりと整備を受け、万全の調子に整えられたクルマであれば、例えヴォクゾール・ヴィヴァであろうと、そのドライビングの喜びは格別なものだ。
他のクルマであっても、1000kmのドライブなど、ベンテイガと同じくらい容易くこなすことは可能であり、この大型ベントレーの燃費は相変わらず8km/ℓ前後というものだったが、点検費用と同じく、この燃費性能に関してもふたつの見方があるだろう。
2tをはるかに超える車重に、6.7ℓガソリンターボエンジンを組み合わせたクルマが、640km以上の航続距離を確保しているのだから、問題ないとも言える一方、間違ってもこのクルマを経済的だとか、万人向けのモデルだなどと評価することは出来ない。
だが、ベントレーが拠点を置くクルーの街にとって、このクルマがどれほどの雇用をもたらしたかを考えてみても良いかもしれない。
素晴らしいベンテイガとの日々だが、残念ながら次のオーナーのもとへと旅立つ日が近づいている。
テスト車について
モデル名:ベントレー・ベンテイガW12
新車価格:16万200ポンド(2308万円)
テスト車の価格:19万7150ポンド(2840万円)
テストの記録
燃費:7.9km/ℓ
故障:無し
出費:初回点検費用 810ポンド(11万7000円)
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