往年のレーシングマシンを彷彿させるエクステリアで人気となっている、ヤマハのスポーツヘリテイジモデル『XSR900 GP』に新たな動きだ。ヤマハモーターヨーロッパ(YME)が「Back to the Paddock」と名付けられた最新のカスタムプロジェクトを発表。ヨーロッパ中のヤマハディストリビューターが独自のレトロデザインを施し、6月12日より開催される「Wheels and Wavesフェスティバル」でデビューするという。
この発表に合わせて公開された車両は、500ccクラスで13回もの優勝を誇るレーシングレジェンド、ランディ・マモラと1987年のアイコニックな『YZR500』からインスピレーションを得たもの。XSR900 GPをベースに、マモラが3勝と9回の表彰台を獲得しプレミアクラスで準優勝を果たした1987年のマシンが持つ、500ccレースの頂点を思い起こさせるデザインを採用した。特徴的な「ラッキーストライク」ロゴは、XSRシリーズのスローガンである「FASTER SONS」に違和感なく置き換えられている。
【ヤマハ XSR900GP】開発者が語る「ただの80年代オマージュやレプリカを作ったわけじゃない」
YMEはこれまでも「Yard Built」として様々なカスタムプロジェクトを手掛けてきた。共通するのは、バイクのフレームには切断や溶接を行わず、ボルトオンパーツとアクセサリーを使用してカスタマイズの容易さを示しているということ。今回のXSR900 GP“マモラ”には、同色のベリーパン、テールタイディホルダー、そして80年代風カスタムに欠かせないアクラポヴィッチのエキゾーストなど、スタイリッシュなレーサーパックを満載している。
赤、白、黄色のクラシックなヤマハカラーの塗装を手掛けたロバート・ラマーズ氏は、マモラのカラーリング制作について興奮気味にこう語る。
「YMEからマモラのデザインを依頼されてとても光栄でした。ランディはヤマハの絶対的なアイコン。彼のYZRカラーを再現するのは非常にふさわしいことです。1987年のバイクのライン、つまり赤、白、黒のトリプルカラーブロックと、フロントとテールのイエローのスプラッシュを維持したいと思いました。なぜなら、それがとても印象的だからです。XSR900 GPはそのままでも信じられないほど美しく、非常に強いレトロな雰囲気を持っているため、ランディへのオマージュとなるようお手伝いするのは非常にエキサイティングでした」
スポンサーロゴの代わりにヤマハブランドを示す「FASTER SONS」のデカール施され、アメリカ国旗がランディのバイクにあったものとまったく同じように配置されるなどノスタルジーを強く感じさせるものに仕上げた。制作者であるエディ・スピールマン氏も喜びを隠しきれない。
「YZR500のカラーリングは絶対的なクラシックであり、Back to the Paddockでそれを再現するためにYMEとロバートと協力できたことは光栄でした。スポンサーのロゴを除いたランディのバイクと同じ外観と雰囲気を維持したかったので、“FASTER SONS”と“YAMAHA”のブランドが完璧にフィットしました。アメリカの国旗も、ランディとの明確なつながりを保つために、本当に素晴らしいアクセントになっています。取り組むのはとても楽しかったので、完成するのが待ちきれません」
XSR900 GP“マモラ”は、6月12日から16日にフランスのビアリッツで開催される「Wheels and Wavesフェスティバル」で公開される。
■Yamaha XSR900 GP: Back to the Paddock - Yard Built - Customisation Phase
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