もくじ
どんなクルマ?
ー 内容は控えめな「eボクサー」ハイブリッド
どんな感じ?
ー 電気の力でドライバビリティは向上
ー スバルらしい四輪駆動は健在
ー 経済面でのメリットはほどほど
「買い」か?
ー 他にはない特徴こそが魅力
スペック
ー スバル・フォレスターeボクサーのスペック
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どんなクルマ?
内容は控えめな「eボクサー」ハイブリッド
近年のスバルを見ていると、少なくとも欧州では、自社をSUVブランドとして定義付けしようとしている様子。そう考えるとフォレスターが、一般的なファミリー層向けのSUVとして受け取られていないことが、少し不思議に感じられる。フォレスターは、クロスオーバー・エステート的な派生モデルとは異なる、充分に大きいボディサイズを備えたスバル唯一のSUVモデルとなっている。アメリカで生産され、欧米を中心に販売されていた、スバル・トライベッカ(B9型)というモデルもあったが、そちらは短命だった。
スバルは昨年、ボクサー・ディーゼルエンジンの生産を終了しているが、欧州では残りのモデルライフを好調に終わらせることができたようだ。そして今年、少し趣向を変えた新しい5代目のフォレスターが登場した。いまだにディーゼルエンジンへの不買運動のようなものが続いているが、新しいフォレスターにはガソリンエンジンにハイブリッドを組み合わせたパワートレインが搭載されている。スバルは「eボクサー」をブランド化させたい狙いがあるのだろう。
ただし、ハイブリッドとしての内容はかなり控えめなもの。電動モーターだけでの走行も可能とは謳われているが、モーターの出力はわずか16psと6.6kg-mと穏やかで、搭載されているリチウムイオン・バッテリーの容量も小さい。キャパシティとしては、マイルドハイブリッドと呼んだ方が正しいかもしれない。
しかし小型なハイブリッドシステムは、その分軽量で、電気モーターとバッテリー、パワーコントロールユニットなどを合わせても重量は110kgに収まっている。スバルで幅広く用いられているCVTの改良版に対応させる都合もあり、このサイズに決まったという理由もあるようだ。クルマとしての実用性や優れたオフロード性能に関しても、全く影響はないという。このハイブリッドシステムは、追って現行XVとインプレッサにも搭載予定となっている。ちなみに日本ではXVのeボクサーは導入済みだ。
どんな感じ?
電気の力でドライバビリティは向上
欧州での正式発表の場となった2019年ジュネーブ・モーターショーに先駆けて、われわれはオーストリアの自動車性能試験場へ招かれ、新しいフォレスターeボクサーの試乗をさせてもらう機会を得た。
5代目となるフォレスターは全長と全幅が少し大きくなり、車内空間もより広々と感じられるようになっている。インテリアの質感は、先代よりも第一印象としては高級感が増している。主要な装備類のデザインも良くなり、包み込まれるような雰囲気も備え、ワンランク上級志向の素材も用いられている。
eボクサーに搭載されるエンジンは、スバルのFB20Dと呼ばれる2.0ℓの自然吸気ガソリンエンジンで、若干改良を受けている。エンジン単体ではトルクが細く、スバルのCVTと組合わされることで、ドライバビリティという面では今ひとつだった。しかし、ハイブリッド化でモーターのアシストが加わり、即時的にパワーが上乗せされることで、ハーフスロットル付近でのスロットルレスポンスは大きく向上している。特にドライビングモードを「S」にすると、明確だった。
一方で、電気モーターだけでの走行は可能ではあるものの、容易ではない。許容されるスピードは40km/h以下で、アクセルペダルも慎重に扱う必要がある。ハイブリッドモデルの運転の練習のようだけれど、仮にエンジンが始動するポイントで、インスツルメントパネルに表示が出たり、音が鳴ったりすれば、EVモードのままでの走行もしやすいように思う。
スバルらしい四輪駆動は健在
ハーフスロットルを過ぎると、電気モーターよりもガソリンエンジンが主役になってくるから、ハイブリッドのドライブトレインからは少しザラついた質感が感じられるようになる。フルスロットルに近づくに連れて、CVTが滑るような感覚とともに、2.0ℓのフラットフォーの回転数は過剰に上昇してしまう。マニュアルモードも搭載はされているが、期待ほどダイレクト感が得られるものではない。
一般道での印象としては、他のハイブリッドSUVの方が、よりレスポンスに優れ滑らかなドライビングが味わえるというのが本音。一方でオフロードでは、電気モーターが組み合わされたCVTと四輪駆動システムのおかげで、必要に応じたトルクを引き出すことが可能。滑りやすい急な坂道をゆっくり走る時でも、充分なトラクションが得られる。
ハイブリッドを搭載したSUVでは、一般的に通常のエンジンモデルと比較して最大牽引力が大幅に劣ることが多い。しかしフォレスターの場合は、ブレーキ付きのトレーラーなら1800kgまで引っ張ることができるところは大きい。また、スバル自慢のシンメトリカルAWD技術が搭載されているから、前輪駆動ベースのハイブリッドの様に、バッテリーが切れてもハイブリッドシステムがお荷物になるということもないといえる。
経済面でのメリットはほどほど
より詳しい乗り心地やハンドリングのテストに関しては、正式発表後まで待たなければならない。しかし、スムーズな路面のテストコースではあったものの、比較的大きなボディを持つフォレスターの身のこなしは、充分納得のいくものだった。ステアリングフィールはリニアで正確性も高く、衝撃の吸収性も良く、乗り心地も落ち着いたものだった。
実際の使用環境に近い条件での燃費もまだはっきりとしたことはいえないが、あまり期待はしない方が良いだろう。スバルはeボクサー・システムの導入により、同じ2.0ℓのガソリンエンジンと比較して、11%ほど燃費が向上するとしており、一般道での燃費もわずかながら向上するとのこと。
このeボクサー・ハイブリッドシステムは、電動化技術の導入の入り口に過ぎないように思えるが、スバルにとっては非常に重要な意味を持っている。ただし、三菱アウトランダーは、PHEVの登場によって飛躍的に販売台数を向上させたが、同様の効果を得ることは難しいかもしれない。
それでも、多少だとはいえ走行性能の向上は得られているし、スバルらしい頼りがいと実用性の高いクルマであることにも違いはない。スバルという自動車メーカーの電動技術の導入として、正しいスタートの切り方だと感じた。
「買い」か?
他にはない特徴こそが魅力
一般的な舗装路中心の利用を前提にファミリー層向けのSUVを探すなら、ディーゼルエンジンが提供してくれるような活発な走行性能と良好な経済性が選択時の条件に入ってくると思う。そう考えると、このハイブリッド版のフォレスターは、少しターゲットを外しているといえる。
しかし、従来のSUVのように高い牽引能力を備え、優れた四輪駆動システムを備えたモデルを探しているのなら、フォレスターeボクサーは選択肢の上位に入ってくるだろう。そんな選択肢自体が少なくなってきてはいるけれど。
フォレスターは興味深い、特徴的なクルマだ。どこか旧式的ながら、新世代のファミリーカーとして使える四輪駆動モデルで、前衛的な技術を盛り込みながら、妥協のないオフロード性能を由緒ある方式のまま残している。この明確な特徴があれば、スバル・フォレスターを好きになるきっかけとしては、充分なのではないだろうか。
スバル・フォレスターeボクサーのスペック
■価格 3万ポンド(426万円・予想)
■全長×全幅×全高 4625×1815×1715mm(日本仕様)
■最高速度 -
0-100km/h加速 -
■燃費 14.0km/ℓ(日本仕様)
■CO2排出量 -
■乾燥重量 1640kg
■パワートレイン 水平対向4気筒1995cc+電気モーター
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 150ps(エンジン)/16ps(モーター)
■最大トルク 19.7kg-m(エンジン)/6.6kg-m(モーター)
■ギアボックス CVT
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