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このクルマ、覚えてる? 三菱が総力あげて開発 高級セダン「デボネア」 消えた名車の歴史をたどる

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このクルマ、覚えてる? 三菱が総力あげて開発 高級セダン「デボネア」 消えた名車の歴史をたどる

国産高級セダンは風前の灯火

2022年にはトヨタの代名詞「クラウン」にクロスオーバーモデルが登場。一方で、セドリック&グロリアの流れを汲んだフーガが生産を終了するなど、「セダン好き」にとっては寂しい年が続いている。

【画像】三菱が総力をあげて開発【自信のセダン「デボネア」の歴史】 全8枚

また、企業の役員や政治家の「お迎えグルマ」でもアルファードが勢力を拡大。かつて国産メーカーが総力をあげて開発していた高級セダンも風前の灯火となりつつある。

今回はそんな高級セダンの中でもちょっと変わった(?)1台、三菱が総力をあげて世に送り出した「デボネア」の歴史を辿る。

「シーラカンス」 初代デボネア

新三菱重工業が自動車メーカーとして総力をかけたクルマで、ツインキャブ・デュアルエグゾースト6気筒2.0Lエンジンを搭載し、最高速155km/hの高級車「三菱コルト・デボネア」として1963年の全日本自動車ショーで発表。

絶大な人気を集めた後、1964年7月に販売開始となった。

1986年の「デボネアV」の登場までの22年間、基本設計・デザインを変えず、ユニークな姿が長年親しまれた。

デザインは、当時米国ゼネラル・モータース社(GM社)に所属していたハンス・プレッツナー氏が、GM社を休職し日本の自動車メーカーでデザインコンサルタントの仕事を希望していたことから同氏を招聘し、高級感あるデザインを実現。

プレッツナー氏はこのクルマの開発に情熱を傾け、全日本自動車ショーへの出品車には京都西陣の織物工場を自ら廻ってシート生地を選び、展示場デザインも自らおこなうという熱の入れようだった。

三菱も同氏から、輸入油粘土によって粘土モデルを作るなどの貴重なノウハウを得ることが出来たという。

「セダンの時代」に生まれた2代目

22年ぶりにフルモデルチェンジした「デボネア」は、最高級FFパーソナルセダン「デボネアV」として1986年8月に発売された。

VIPなどを意味する「V」を冠した「デボネアV」は、三菱のトップモデルとして本格高級車のつくり込みを徹底。

正統を基調に、粋で現代的な味付けを加えた風格あるスタイル。ボディカラーは4回の塗装と4回の焼付けで、光沢を際立たせた。

新開発V型6気筒エンジンは、吸気慣性を利用した超速吸気システム、ハイスキッシュ・コンパクト燃焼室、排気干渉をなくし排気速度を高めるデュアルエグゾートシステムに加え、高性能噴射システム(ECI-MULTI)を採用し、特に低・中速走行域での抜群の性能を発揮した。

また、FF駆動方式によるレスポンスに優れた安心の走りとともに、快適なクルージングを実現。

装備は、高級車にふさわしいユニークなものが新開発されてた。ドアの開閉に連動してステアリングホイールが上がり、乗り降りを容易にするハイチルト機構を国産車で初めて採用。

またデュアルフルオートエアコンには、シガーライターをオンにすると自動的に強制排気装置が働いて室内のタバコの煙を車外に排出する機能を取り入れた。

さらに高級パーソナルカーらしい装備として、受話器を持たずに通話ができるハンドフリーのカーテレフォンを国産車で初めてオプション設定した。

また、ドイツのチューニングメーカーの名門、AMG社とタイアップし同社の技術力でチューンアップした「3000ロイヤルAMG」を設定し、話題を呼んだ。

三菱の技術をすべて注いだ3代目

初代「デボネア」、「デボネアV」に続く3代目は1992年10月に発売。

三菱が持てる技術のすべてを注ぎ、サイズ、スタイル、性能において最高レベルを求めた高級セダンに仕上げた。

ボディサイズを大幅に拡大(全長+110mm、全幅+90mm)、曲線美のなかに豊かな個性と風格を醸し出す堂々としたプロポーション、ゆとりあふれるインテリア&トランクスペースなど、満ち足りたパッケージをウリにした。

ハイテク装備も惜しみなく盛り込まれた。レーザービームで前車との車間距離を測定し、危険が近づくと警報やトランスミッションのODレンジを自動的に解除する乗用車世界初のディスタンスウォーニング、後退時に後方の映像をコンソールの画面に映し出すリアビューモニター、ドアやトランクリッドを軽く閉めるだけで自動的に完全に閉まるアクティブパワーロック、キーレスエントリー操作をするだけで、シート、ヘッドレスト、ミラー、ステアリング角度を自動的に再現する三菱インテリジェントコクピットシステム(MICS)など、クラスにふさわしい装備を充実。

エンジンは、新開発のV6 3.5L DOHCとV6 3.0Lを設定するとともに、運転をサポートするファジィ制御「INVECS」を本格的に取り入れた。

1999年12月まで販売されたが、この3代目をもって「デボネア」は35年にわたる歴史に幕を閉じ、三菱の旗艦セダンの役割はプラウディア、およびディグニティ(2000年2月~)が引き継ぐことになった。

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みんなのコメント

24件
  • 俺がガキの頃生まれ育った田舎の市には三菱自工の部品工場があり、
    ここの中型タクシーには黒塗りのデボネアが使われてた。
    もちろん、市長の公用車もデボネアだった。
  • 歴代、どのデボネアも好きです。存在感がありますね。
    その後のプラウディアやディグニティも悪くないけど、やっぱり三菱オリジナルのがよかったですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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