現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 電動バイクってガソリンバイクと構造はあまり変わらない? どこが違うのか

ここから本文です

電動バイクってガソリンバイクと構造はあまり変わらない? どこが違うのか

掲載 8
電動バイクってガソリンバイクと構造はあまり変わらない? どこが違うのか

電動バイクの構造ってどうなってる?ガソリンバイクとほぼ同じ?

 近年、環境にやさしい電動バイクの開発が国内の各二輪車メーカーで進められています。実際に、一般ユーザー向けのモデルも販売されるようになってきていますが、その数はほんのひと握りで、電動自動車(EV)のラインナップにまだまだ及びません。

【画像】国内メーカーが販売する電動バイクの画像を見る(10枚)

 バイクの電動化を目指すにあたって大きな壁となっているのが、バッテリー問題。ガソリンバイクのバッテリーを大型化すれば、そのまま電動バイクになりそうな気もしますが、そう簡単なことではありません。

 クルマに比べて車体が小さいバイクは大容量のバッテリーを搭載することができないため、フル充電しても航続距離が短いというのがネックとなっています。そのため、バッテリーの小型化や充電時間、充電インフラの整備などが電動バイクのこれからの課題といえるでしょう。

 それでも最近では、郵便などの配達業務に電動バイクが導入されるようになり、街中でよく見かけるようになりました。音が静かなこと以外はガソリンバイクとほとんど見た目が変わらないので、見分けがつかない人も少なくないかもしれません。

 では、電動バイクとガソリンバイクの構造は、バッテリーのほかにどのような違いがあるのでしょうか。

 ガソリンバイクと見た目がそっくりな電動バイクですが、その中身はまったくの別物。とてもシンプルな構造で、動力はガソリンを使う内燃機関(エンジン)ではなく、モーターが使われているのが大きく違う点です。

 またエンジンがないので、ガソリンバイクの特徴ともいえるマフラーやそれをつなぐエキゾーストパイプもありません。さらに燃料タンクも不要なほか、高温になるエンジンがないため冷却装置をつける必要がなく、ラジエーターやファン、ウォーターポンプなどのパーツも装着されていません。

 つまり電動バイクの構造は、大きく分けてモーター、バッテリー、コントローラーの3つのパーツに分けられるというわけです。あとはガソリンバイクと同じフレームや車体、タイヤといった外観を形成するパーツと、ライトやミラーなどのその他の細かいパーツからできています。

 電動バイクのしくみとしては、搭載されたバッテリーからモーターへ電気が供給され、その動力でタイヤが回転してバイクの駆動力が生まれるというもの。そのため、ガソリンエンジンのように走行時に二酸化炭素を排出しないので環境にやさしく、振動や騒音もほとんどありません。

電動バイクに搭載されているモーターとは?

 現在の電動バイクに採用されているモーターは、「インホイールモーター」を搭載する車種もあります。

 インホイールモーターは、駆動輪となるホイールに直接モーターが内蔵され、タイヤを駆動させる仕組み。これを採用することで、スペースに限りがあるバイクでもシンプルな構造でコンパクトに設計できるメリットがあります。

 また、ホイールにモーターが内蔵されているため、駆動力がホイールに直接伝達され、ガソリンバイクのようなギア操作などによるエネルギー損失がほとんどなく、レスポンスに非常に優れているのが特徴です。

 なお、違うのは、バイクの構造だけではありません。モーターを使っているため、トルクやパワーなどの出力特性もガソリンバイクとはまったくの別物です。

 まずガソリンエンジンでは、回転数を徐々に上げていくことで最大トルクを発生させます。一方モーターの場合はスタートと同時に最大トルクを発生するため、低速時がもっともパワフルで、高回転になるにつれトルクが減少し穏やかにパワーが落ちていくという、ガソリンエンジンとは真逆の特性です。このゼロ発進からのスタートダッシュの力強さこそが、モーターを搭載している電動バイクの最大の魅力ともいえます。

 電動バイクに対して「スピードが遅い」「加速力がイマイチ」というイメージをもっている人は多いようですが、実際に運転してみるとガソリンバイクにはないパワフルな加速力に驚くかもしれません。

 このように、環境にやさしく快適な乗り心地で注目が集まっている電動バイクですが、課題も多く残されています。

 たとえば車体の小さい電動バイクは構造上、クルマのように大型のバッテリーを搭載できないため、充電1回の航続距離がどうしても短くなりがちです。そのため、多くの充電スポットやバッテリー交換施設などが必要になります。しかし、まだまだインフラ整備が追いついておらず、長距離の走行には向いていません。

 また、バッテリーの充電に時間がかかるため、数分で給油できるガソリンバイクから乗り換えた場合は不便を感じるかもしれません。そのため、夜間の就寝中に充電するなど、自分の生活のリズムに合わせて工夫して電動バイクを利用していく必要があります。

 電動バイクに乗る頻度が多い人であれば、予備バッテリーを用意しておくと充電切れの心配がなくなるので安心です。

 また、輸入車を除くと、2024年6月現在で国内4大メーカーから販売されている一般ユーザー向けの電動バイクは原付一種、原付二種が数台。クルマに比べると、まだまだラインナップが少ないのが電動バイクの現状となっています。

※ ※ ※ 

 電動バイクは形こそガソリンバイクに似ていますが、その構造は非常にシンプルで似て非なるものです。また構造が違うだけでなく、性能面もモーターならではのパワフルな走りが特徴で、ガソリンエンジンにはないひと味違ったフィーリングが楽しめます。

 今後はバイクの世界も少しずつ電動化にシフトしていき、技術も進歩していくと予想されます。これまで電動バイクに興味がなかったユーザーも、来るべき未来に備えて各バイクメーカーの動向に注目していく必要がありそうです。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

JRPA日本レース写真家協会が2024年モータースポーツ写真コンテストを開催。11月から作品を募集
JRPA日本レース写真家協会が2024年モータースポーツ写真コンテストを開催。11月から作品を募集
AUTOSPORT web
シトロエン『ベルランゴ』改良新型を日本発売…新世代デザインと最新ロゴ採用
シトロエン『ベルランゴ』改良新型を日本発売…新世代デザインと最新ロゴ採用
レスポンス
デロリアンとフォードGTをEVで蘇らせた! 単なるEVコンバージョンじゃないリンクス・モータースの激熱な「新車」
デロリアンとフォードGTをEVで蘇らせた! 単なるEVコンバージョンじゃないリンクス・モータースの激熱な「新車」
WEB CARTOP
屋根なしルックはマジでイケてる! たった92台だけが生産された「MRスパイダー」という幻のオープンスポーツ
屋根なしルックはマジでイケてる! たった92台だけが生産された「MRスパイダー」という幻のオープンスポーツ
WEB CARTOP
母国ファンの応援で気合注入! 予選5番手の山中琉聖「ペース的にはすごく良い。晴れだったら思いっきり行く!」
母国ファンの応援で気合注入! 予選5番手の山中琉聖「ペース的にはすごく良い。晴れだったら思いっきり行く!」
motorsport.com 日本版
「半世紀前のバス」運行へ!夏は走らないレア車両 埼玉の秘境で“試乗会”
「半世紀前のバス」運行へ!夏は走らないレア車両 埼玉の秘境で“試乗会”
乗りものニュース
約58万円! ダイハツ製の「“ひとり乗り”軽トラ」がスゴイ! “軽規格”より小さい「超ミニサイズ」採用! しっかり4輪で“公道走行可能”な「MIDGET II」とは
約58万円! ダイハツ製の「“ひとり乗り”軽トラ」がスゴイ! “軽規格”より小さい「超ミニサイズ」採用! しっかり4輪で“公道走行可能”な「MIDGET II」とは
くるまのニュース
「1秒の充電で1.7km走れる」世界初、1000kW級充電器が登場
「1秒の充電で1.7km走れる」世界初、1000kW級充電器が登場
レスポンス
パフォーマンス向上だけでなく装備もアップデート! 三菱 アウトランダーPHEVがマイナーチェンジ
パフォーマンス向上だけでなく装備もアップデート! 三菱 アウトランダーPHEVがマイナーチェンジ
WEB CARTOP
故ケン・ブロックの娘、スバルWRXで米ラリー最終戦に出場へ「ラリーは私の故郷」
故ケン・ブロックの娘、スバルWRXで米ラリー最終戦に出場へ「ラリーは私の故郷」
レスポンス
ホンダ『N-BOX』が2024年度上半期で10万台超、新車販売でトップに
ホンダ『N-BOX』が2024年度上半期で10万台超、新車販売でトップに
レスポンス
【Moto3】レースペースに自信を見せる鈴木竜生……それだけに悔しい日本GP予選17番手「何かくだらない予選になってしまった」
【Moto3】レースペースに自信を見せる鈴木竜生……それだけに悔しい日本GP予選17番手「何かくだらない予選になってしまった」
motorsport.com 日本版
今週、話題になったクルマのニュース3選(2024.10.5)
今週、話題になったクルマのニュース3選(2024.10.5)
@DIME
“約172万円”のホンダ新型「フィット」登場に反響多数! 大人気「コンパクトカー」の進化に「コスパ抜群」の声! 選択肢豊富すぎる「新モデル」が話題に
“約172万円”のホンダ新型「フィット」登場に反響多数! 大人気「コンパクトカー」の進化に「コスパ抜群」の声! 選択肢豊富すぎる「新モデル」が話題に
くるまのニュース
日本GP目前! アライヘルメットがMotoGPライダー中上貴晶選手の新たなレプリカモデル「RX-7XナカガミGP3」を発売
日本GP目前! アライヘルメットがMotoGPライダー中上貴晶選手の新たなレプリカモデル「RX-7XナカガミGP3」を発売
バイクのニュース
【あぶ刑事】トオルが愛した[セフィーロ]!港306がトミカリミテッドヴィンテージ NEOに登場!至急チェックせよ!
【あぶ刑事】トオルが愛した[セフィーロ]!港306がトミカリミテッドヴィンテージ NEOに登場!至急チェックせよ!
ベストカーWeb
【カワサキ】モーターサイクル事業 70周年特別展示“70 Years of Good Times”の第三弾が10/1からカワサキワールドにて  
【カワサキ】モーターサイクル事業 70周年特別展示“70 Years of Good Times”の第三弾が10/1からカワサキワールドにて  
モーサイ
三菱 アウトランダーPHEVを大幅改良。日本では2024年秋、欧州では2025年春に発売開始
三菱 アウトランダーPHEVを大幅改良。日本では2024年秋、欧州では2025年春に発売開始
Webモーターマガジン

みんなのコメント

8件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村