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勝田貴元、ラリージャパンの“前哨戦”で5位入賞「厳しいラリーでしたが、本当に良い経験になりました」

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勝田貴元、ラリージャパンの“前哨戦”で5位入賞「厳しいラリーでしたが、本当に良い経験になりました」

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムからWRC世界ラリー選手権第12戦『セントラル・ヨーロピアン・ラリー(CER)』に出場した勝田貴元は、チームの4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1を駆り、10月26日(木)から29日(日)まで、計4日間にわたって行われたターマック(舗装路)ラリーを走破。総合5位入賞を果たし、最終パワーステージでのボーナスポイントと合わせてドライバー選手権ポイント12点を獲得した。

 勝田がコドライバーのアーロン・ジョンストンともに出場したCERは、この2023年に初めて開催されたラリーだ。ドイツと隣国のチェコ、さらにオーストリアの計3カ国を跨ぎ、そのうえで各国で競技が行われるイベントは半世紀の歴史を持つWRCでも史上初の試みとなった。

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 ひとくちにターマックイベントといっても国や地域が違えばステージのキャラクターは異なる。それは隣接する国や地域にも該当し今回のCERでも、狭い道幅でありながら比較的ハイスピードであることや、グリップの低さ、市街地や集落の狭路を通過するようなステージなどの部分で共通項があったものの、やはりそれぞれに特徴がありそこに雨が加わったことで難易度は飛躍的に上昇した。

 そんなCERは、木曜日にチェコの首都プラハでスタートを迎えた。競技初日はチョコ国内に設定された2本のスーパーSSのみで、本格的なラリーは翌日のデイ2から。勝田は雨の影響もあってとくに滑りやすく、小さなミスも許されない難易度の高いステージが続くなか、完全にはクルマに自信を持ち切れない状況下で確実性の高い走りを続け、金曜の計6つのSSを総合5番手で走破する。

 ドイツとオーストリアが舞台となったデイ3は雨がほとんどあがっていたが、午前中の段階では路面はまだ濡れている状態。インカットにより大量の泥で汚れている箇所も多く、依然として難しいコンディションが続いた。この日、勝田はテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)と総合5番手を争い、一時は先行を許してしまう。

 しかし路面が乾いてきた午後はペースアップに成功する。ステージ3番手タイムを記録するなど好走を見せライバルを逆転。総合5番手で最終日に駒を進めた。迎えた日曜のデイ4ではさらに走りが良くなり、SS16で3番手、続くSS17では2番手タイムをマーク。最終パワーステージでも4番手タイムを記録し、総合5位でフィニッシュすると同時にボーナスポイントの2ポイントを獲得している。

■まだ改善できる部分がある。さらにプッシュできたはず

 勝田はとくにラリーの前半で苦しんだが、セットアップの変更も奏功しステージが進むごとにペースを改善していった。最終的には良いフィーリングを掴むことができたと述べている。

「とても難しくて厳しいラリーでしたが、自分にとっては本当に良い経験になりました。天気もグリップの変化も激しく、土曜日の午前中は苦戦しましたが、チームのエンジニアたちがより良いセットアップを見つけてくれたので、その後は自信を持つことができました。最終的には、クルマのフィーリングはとても良くなりました」と初開催イベントを振り返った勝田。

「もちろん、まだ改善できる部分もありますし、限界ギリギリの走りを楽しむことができたならば、さらにプッシュできたはずです。それでも、非常に厳しかったこの週末を総合5位でフィニッシュできたのは良かったです」

 また勝田は、第5戦ポルトガルから7ラウンド続いたグラベル(未舗装路)ラリーのあと、ターマックイベントであるCERを走りきれたことが、最後に控える母国イベント『ラリージャパン』に向けて重要だったと述べた。

「ターマックのラリーを良いフィーリングで走りきれたのは、ラリージャパンに向けてさらなる自信と余裕を持つためにも重要なことです。ラリージャパンにはヨーロッパとはまた違った難しい路面がありますが、もちろんプッシュして自分にとってのホームラリーで良い結果を残したいと思います」

 TGR WRCチャレンジプログラムのインストラクターを務めるユホ・ハンニネンは、今回の勝田の走りを次のように評価した。

「貴元は今週末、本当にいい仕事をしたと思う。今回のラリーのステージは完全に新しいものだったし、グリップレベルもさまざまで、すべてのドライバーにとって非常に難しいコンディションだった。とくに金曜日は、多くの泥が路面に掻き出され、水溜まりも多くあったが、貴元はそのような厳しいコンディションをうまく乗り切った」とハンニネン。

 日本のファンの多くは勝田の表彰台獲得を期待しているが、ハンニネンもまた勝田に期待を寄せるひとりだ。

「土曜日の午後には、彼の自信とクルマに対するフィーリングが大きく向上し、それ以降は何本かのステージで好タイムを記録した。そして、そのことは次のラリージャパンに向けて非常にポジティブなことだ」

「昨年のラリージャパンでは表彰台に上ることができたが、今回も同じような結果が出ることを期待している」

 WRC最終戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2023』は、11月16日(木)から19日(日)にかけて愛知県と岐阜県で開催される予定だ。

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