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CM出演者が印象的だった1990年代のクルマ3選

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CM出演者が印象的だった1990年代のクルマ3選

今なら「?」でも、当時はインパクト“大”だった!

出演者はイメージづくりの上で重要

愛車の履歴書──Vol43. 勝地涼さん(後編)

テレビコマーシャルと、出演者は重要な関係にある。

とくにトヨタはそれをよく分かっていた。たとえば、初代「RAV4」のイメージキャラクターは木村拓哉。街ではRAV4を見ると「あ、“キムタク”のクルマ」という人が多かった。しかも、トヨタは、車種の垂直ラインナップをずっと大事にしていて、おなじブランドのなかでのオーナーの取り合いを避けてきた。そのためにもタレントは重要だったのだ。

RAV4が出た1994年を例にとると、トヨタのテレビCMでは下記のような例がある。「スターレット(ジーンズ)」とCHARA、「カローラII」と小沢健二(歌だけだけれどインパクト大)、「コルサ」と大地康雄、「カレン」と永瀨正敏、「ビスタ」と田村正和、などがすぐ思いつく。

実はこれ、マーケティング的にたいへん重要で、「あのクルマはあんな世界観だから我が家向き」などと消費者にすぐ刷り込みがおこなわれるのだと聞いた。エディ・マーフィとかデニス・ホッパー(ともにセリカ)などはなかなか難しいけれど……。

(1)トヨタ「ウィンダム」(初代)×国際線機長

外国人モデルを起用してインパクト大だったのは、初代のトヨタ・ウィンダムのテレビコマーシャル(1991年)だ。国際線機長、実業家、医師といった米国のホワイトカラー層が乗るクルマ、というアピール。

ウィンダムはこのコマーシャルで盛んに「日本名、ウィンダム」と、流れた。89年にレクサス・ブランドが誕生した時、「LS」(日本名セルシオ)とともに発売された「ES」の日本仕様だ。

ウィンダムは、90年発売の3代目「カムリ」の4ドアハードトップ版「カムリ・プロミネント」をベースにした前輪駆動モデルだ。ホイールベースを20mm伸ばし、全長を110mm、全幅を80mmそれぞれ拡大したボディを載せていた。

LSに準じて、お金のかかったプレスによる美しい面をもつボディと、米国のホワイトカラーが好んでいる、というコマーシャルのメッセージが効を奏して、ヒットを記録。作りのよいボディと、落ち着いた質の高い走りが印象的だった。

(2)日産「アベニール」(初代)×松嶋菜々子荷室からニットのミニドレスを着た松嶋菜々子が突如あらわれる。そして、ドライバーの耳もとで「お・ま・た」と、ささやく。これが日本の自動車CM史に残る作品(1995年)なのだ。

アベニールは、すくなくとも自動車ファンにとっては、本CMに負けない話題をまいたクルマだった。当初から乗用ワゴン専用設計のボディであり、クリーンなスタイリングと、やはりクオリティの高い新世代のインテリアが特徴的だったのだ。

1989年登場のスバル「レガシィ」のワゴンがたちまち大きな人気を得ていたのも、アベニールを市場に投入するための好機だった。この頃は、ワゴンブームだったのだ。それまでワゴンは商用車ベースで開発されていたが、欧州の上級ワゴンをお手本に、コンセプトが作られていったのである。

ただし初代アベニールがいまひとつ、レガシィに較べ存在感が薄かった理由は、ワゴン専用で開発されたものの、提供価値など世界観がいまひとつわかりにくかったからではないだろうか……荷室プラスの高性能とか、荷室プラスの多機能性とか。ユーザーにアピールする要素が乏しかった記憶がある。

だから印象的なCMで、ユーザーを惹きつけようとしたのかもしれない。

(3)ダイハツ「パイザー」×アグネス・ラムダイハツが96年に発売した全長4.0mそこそこのRV(いまでいうとクロスオーバーか)がパイザーだ。ハッチバックの2代目「シャレードソシアル」をベースにしながら、余裕を感じさせるやや背高ボディをかぶせた企画力は優れている。全高は最大1620mmとトールボーイスタイルで、1.5リッターあるいは1.6リッターエンジンを搭載していたので、走りも悪くなかった記憶がある。

そのイメージキャラクラーに、ハワイ出身のアグネス・ラムを起用したのはちょっと意外だった。8月に発売なので“秋”のイメージかと思いきや、広告は常夏の島のセット。

そこに置かれたパイザー車内には、プロポーションのよさで大いなる人気を博したアグネス・ラムがいて、「お、パイザー」のナレーションがかぶさる。

パイザーのコンセプトはなかなか秀逸なのに、セールスがいまひとつふるわなかった理由はこの広告戦略ではないか? と、思わなくもない。

加えて、ボディの仕上げなどにアバウトなところもあり、開発責任者はどこまでこのクルマを愛して作りあげたのか。そこも疑問だった。

90年代のダイハツのプロダクトは、どちらかというとニッチねらい。トヨタや日産ではやらないような大胆なモデルをいろいろ手がけていた。

クーペボディの軽「リーザ」は86年から作り続けていたし、ドイツの空力実験車みたいなシンプルな「オプティ」、いまでもファンの多い2座の軽トラ「ミゼットII」、ボディスタイルのバリエーションが多かった「ロッキー」、ドでかいフェンダーの「ラガーワゴン」など。

それなのに、パイザーは良かったのか……。パッケージもよく、いまでもこういうモデルはニーズがあると思うので、ちょっと釈然としないものを感じたりするのである。

文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

14件
  • abk********
    2代目セフィーロ(A32型)のCMに出演した俳優陣全員漏れなく言える位でなきゃw
  • ka_********
    カロゴンの篠原ともえ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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