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【動画付き】SUVというより4人乗りスポーツカーという呼び方が相応しいランボルギーニ「ウルス グラファイト カプセル」

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【動画付き】SUVというより4人乗りスポーツカーという呼び方が相応しいランボルギーニ「ウルス グラファイト カプセル」

連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド

 ランボルギーニがスーパーSUVの存在を明らかにしたのは、2012年4月だった。その年の北京モーターショーに発表したのが「ウルス」と名付けられたモデル。「ウルス」とは家畜牛の祖先となる大型の野生牛のことをいう。雄牛ウルスは肩の高さが1.8mもあったと言われている大型獣だった。闘牛にちなんだ名称を好むランボの伝統は受け継がれた。

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 その存在を公開してから約5年。2017年12月にランボルギーニは第3のモデルとなる「ウルス」を発表した。ランボルギーニ初のスーパーSUVは約5年間のテスト期間を経て、デビューした。オンロードはもちろんオフロード走破性の性能向上に時間をかけた結果だ。4.0ℓ、V型8気筒ツインターボエンジンは6000回転で650PSを発生。最高回転数6800回転。2250回転で最大トルク850Nmを得ている。



 0→100km/h加速は3.6秒、0→200km/h加速は12.8秒を達成。最高速は当時市販されていたSUVの中で最速の305km/hを達成していた。その後の世界的な人気は知ってのとおりだ。今回、取り上げた「Granphite Capsule」は、2021年モデルの「ウルス」のオプションとして設定されたモデルだ。

 主にカラーリングとトリムに個性と新しい表現の可能性を加えたモデルとして、ランボルギーニの新しい方向性のひとつを示している。ランボルギーニは最強、最速の車ばかりを追い続けているイメージがあるが、それだけではなく、センスの面でもトップレベルを狙っていることを示したモデルでもある。

 まず、目につくのは、大胆なカラーセンス。トレンドの先端をいくマットカラーを4色用意した。ホワイト、ブラック、グレー、ダークグレー。フロントとリアのアンダー部分はサイドシルもすべて、マットなボディーカラーで仕上げている。さらにフロントスカート、ドアインサート、リアスポイラーにはアクセントカラーをペイントしている。このカラーリングはオレンジ、イエロー、ライトグリーン、グリーンの4色なので、カラーの組み合わせは16通り以上になる。



 撮影車はダークグレー+ライトグリーンの組み合わせ。ホイールもアクセントカラー付で、23インチ径を装着、タイヤはピレリー「Pゼロ」を履いていた。リアのエキゾーストもブラッククロム仕上げを採用している。

 室内もかなりカラフルだ。外観で使用したアクセントカラーは室内にも展開される。ハンドル、ドアトリム、センターコンソールと、ハイバックシートの両サイドにもアクセントカラーが入っている。試乗車はオプションで選べるシートベンチレーション付きのアルカンターラシートに、ヘッドレストにランボルギーニ・ロゴの刺繍までアクセントカラーを使用していた。このシートは左右のホールドに優れているスポーツシートだ。

「ウルス」の特徴のひとつにリアシートの居住性が挙げられる。3mを超えるホイールベースの恩恵で室内、とくにリアシートのレッグスペースは広い。中央のトンネルも低めなので大人3人掛けもできる。着座位置も低めなので身長170cmクラスでも圧迫感はない。リアシートは3分割で前倒でき、背もたれは倒した状態でロックできる。



「ウルフ」のシャーシは、アルミ製のサブフレーム付フロントアクスルとアルミとスチールのハイブリッド構造のリアアクスルを採用。アダプティブエアサスペンションは、ラゲージスペースのスイッチで車高を約60mm変化させることができる。

 いよいよ試乗だ。V8、4ℓツインターボエンジンの始動は、センターパネルにある赤いカバーをハネ上げ、スタータースイッチを押すことから始まる。目の前のエンジン回転計は8000回転スケール。レッドゾーンは6750回転から。8速AT+4WDシステムだが、「ウルス」のシステムは実はオフロードでその性能を発揮する。トルセンのセントラルデフは、標準でフロント40、リア60比率でトルクを分配するが、最大でフロント70%、リア87%までの分配も可能なのだ。一度、思いきりウルスをオフロードで走らせてみたい、そんな欲望が湧いてきた。



 ドライブモードはSTRADA(市街地)/SPORT(スポーツ)/CORSA(サーキット)/NEVE(雪上)が選択できる。ドライブモードによってトルクベクタリングがアンダーステアを低減してくれる。一方、SPORTとCORSAはオーバーステア特性を高めるセッティングを採用。4輪操舵システムとの相乗効果で、長いホイールベースにもかかわらず、キビキビとした動きを楽しませてくれる。

 エクゾーストシステムもエンジン速度に応じてサウンドアウトプットをカスタマイズしている。もちろん、ステアリングフィールやサスペンションのチューンもドライバーが選択できる。試乗はストラーダモードを選択してスタート。乗り心地はやや上下動があるものの、収まりは早め。8速ATは60km/hで7速に入り、1100回転で走行できる。こういうシーンではまったくジェントルなSUV。高速走行も100km/hは8速Dレンジ1500回転、7速1800回転なので、平和なクルージングが可能だ。エキゾースト音もストラーダモードなら2500回転でも静かだ。

 もちろん「ウルス」(野生牛)の本領は、別の次元にある。0→100km/hは手元のストップウォッチでも4秒台前半をマーク。公表されているタイムよりも0.5秒落ちぐらいだ。6800回転まで上昇し、アッという間に100km/hの世界に突入する。スポーツモードでは2500回転あたりから勇ましいサウンドで周囲を楽しませてくれる。

 23インチタイヤはスポーツモードでは硬めで、突き上げもあるが、高速域でも安定している。このまま時速200kmオーバーの世界で突き進んでいきたくなってしまう。しかも4人乗車で快適なクルージングが可能なのだ。「ウルス」は4人乗りの快適なSUVスポーツカーなのだ。



◆ 関連情報
https://www.lamborghini.com/jp-en/%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/urus/urus-graphite-capsule

文/石川真禧照(自動車生活探検家)

雑誌「DIME」の連載「カー・オブ・ザ・ダイム」を長年にわたり執筆。取材で北米、欧州、中東、アジアをクルマで走破するなど、世界のクルマ事情に詳しい。国内外で年間に試乗するクルマは軽からスーパーカーまで200台以上。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)副会長。日本モータースポーツ記者会(JMS)監事。日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員。

撮影/萩原文博(静止画)、吉田海夕(動画)

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みんなのコメント

4件
  • ウルスは高回転まで回さずに走らせると気持ち良い。
    爆音させて所有欲を周りに響き渡らせたい人達には、物足りないだろうが。
  • 売るス
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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