現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 若手育成向けレーサーマシンも続々登場! 日本とヨーロッパの若手育成環境の違いとは レーシングライダー大久保光のEICMAレポート

ここから本文です

若手育成向けレーサーマシンも続々登場! 日本とヨーロッパの若手育成環境の違いとは レーシングライダー大久保光のEICMAレポート

掲載 2
若手育成向けレーサーマシンも続々登場! 日本とヨーロッパの若手育成環境の違いとは レーシングライダー大久保光のEICMAレポート

日本人キッズライダーが世界チャンピオンの快挙を達成

 2024年11月中旬、スペインのモーターランドアラゴンのショートコースで行われましたMini GP世界選手権で見事、日本人ライダーの国立和玖選手がMiniGP160ccクラスの世界チャンピオンに輝きました。

初めてのEICMA !! バイクタレントのEICMA 2021現地レポート

 日本でMini GPシリーズが開催されて3年目の年に世界の頂点に立てたという事実は、日本のキッズライダーのレベルが世界のトップクラスであると同時に、環境さえ整っていれば決して日本人はヨーロッパ人に劣っていることはないということを証明できたと思います。

 このような偉業が達成されたのも国立選手の努力とMini GP日本シリーズに関わるスタッフの熱い気持ちがあってのこと。改めまして本当におめでとうございます。そして国立選手には、これからのレース人生で更なる上を目指して頑張ってほしいと思います。

 そんなMini GPシリーズのマシンとしても使用されているイタリアのミニバイクメーカー「オバーレ」がついに本格的な17インチのロードレースを対象にしたバイクを開発。それがEICMAで発表されました。

 今回はEICMAで発表されたオバーレの新型レーシングバイクとESBK(スペインスーパーバイク選手権)などで開催されている若手育成クラスのPre moto3クラスで使用されているレーサーマシンを開発している、BeOnというメーカーのマシンをご紹介したいと思います。

 まずはオバーレの新型レーサーマシン「Ohvale GP-7」は、今までオバーレが販売してきたミニバイクとは全く別のマシンとなっており、17インチのホイールに250ccエンジンが搭載され、たまさにmoto3マシンのようなモデルとなっています。

 フレームやマフラーの見た目はホンダ「NSF250RW」のような設計ですが、若手育成向けということもあり、見た目は少し小さめに感じました。ブレーキはブレンボ製のものが標準装備となっており、フル調整可能なオリジナルサスペンションも搭載されています。

 こちらのマシンはCIV(イタリア選手権)のジュニアレースシリーズに使用される予定のようで、2025年からイタリアで走り出すとのこと。

 正直、小さい頃からこのようなマシンに乗れる環境があることに羨ましく思うと同時に、日本にもこのような若手育成を考えたレースカテゴリが必要なのではないかと思います。

EICMAで見るヨーロッパと日本のライダー育成の違い

 続きましては、BeOnというスペインのバイクメーカー。主にMoto4(日本でいうS8になるカテゴリー)からPre moto3の専用マシンの設計、開発、販売を行っている会社です。

 スペインの方では若いうちからこのmoto4を使って実際にロードコースでレースをするみたいで、10歳にも満たないキッズライダーが一生懸命走っている姿を度々見かけます。

 このmoto4の前には同じくスペインのバイクメーカーのMIR製レーサーマシンのワンメークレースが、スペイン各地のカートコースで行われているとの事。こちらに関しましてはタイミングが合えば一度取材してみたいと思っています。

 話を戻しますが、今回展示されていたバイクはPre moto3で使用されている250ccのマシンと、新たにmoto3 cupで使用される新しいマシンが展示されていました。

 このmoto3 CupはESBKと併催される新しいカテゴリらしく、見た目はPre moto3のようですがエンジンがなんと450ccのものが搭載されているハイパワーマシンとのことです。

 このメーカーのエンジンは基本的にヤマハのモトクロスバイク、「YZ250F」と「YZ450F」のものが使用されているとのことで、エンジンの耐久性は間違いないと思います。

 モトクロッサーエンジンが搭載されたカテゴリとして、日本の中で記憶にあるのがGP monoというカテゴリ。こちらも当時の市販レーサー、ホンダ「RS125」の車体にモトクロッサーエンジンを搭載したレーサーマシンが製作され、全日本ロードレース選手権の1カテゴリとして開催されていました。

 他にも、モリワキなどがオリジナルの車体を製作し、参戦していた記憶もあります。   今回公開された新しい450ccエンジンが搭載されたマシンを見ると意外とコンパクトな車格となっており、体が小さいライダーでも乗りやすそうな雰囲気があります。

 また車体の設計もしっかりとしているようでエンジンパワーをキチンと受け止めてくれそうな印象でした。

 個人的にはこのマシンをロードコースではなく、桶川スポーツランドのようなミニバイクコースで走らせてみたいなぁなんて思ったりします(笑)

 ちなみに香川県に拠点を置く全日本チームのTEC2が、12インチのミニバイクの車体にモトクロッサーの450ccエンジンを搭載したマシンを製作中とのことで、うまくいけば今年の冬には乗れるとのこと。そちらも、個人的に楽しみなマシンだったりします。

 ヨーロッパではこのようにローカルレースで様々なレーサーカテゴリーのレースがあるのが現状。正直、マシンの金額を見ると、とても簡単に手を出せるものではありませんが、それでもこのような環境があるのは改めて羨ましいと今回EICMAで若手育成カテゴリのマシンを見て思いました。

 私は今ヨーロッパを拠点に活動しており、稀にではありますがヨーロッパ人ライダーの若手育成コーチとして呼ばれることもあります。

 そのような経験を日本にどうにかして伝えられたらと思うと同時に、今自分にできることを少しずつできればと日々考えています。

 次回は再び市販車をメインに、EICMAに登場したバイクをご紹介できればと思います。

こんな記事も読まれています

来季のレース情報も盛りだくさん! 世界最大のモーターサイクルショーEICMAレポート レーシングライダー大久保光の海外生活
来季のレース情報も盛りだくさん! 世界最大のモーターサイクルショーEICMAレポート レーシングライダー大久保光の海外生活
バイクのニュース
来季はホンダ!レーシングライダーの石塚健が2025年シーズンの活動体制を発表
来季はホンダ!レーシングライダーの石塚健が2025年シーズンの活動体制を発表
バイクのニュース
ハーレーがMotoGPと共同テスト!? 「ロードグライド」のレース仕様車を公開 マモラやメランドも参加 最高速は275km/hを記録
ハーレーがMotoGPと共同テスト!? 「ロードグライド」のレース仕様車を公開 マモラやメランドも参加 最高速は275km/hを記録
バイクのニュース
型落ちマシンで超アンビリーバボーな走り!!! 最新マシンを食う激走に海外勢も「ドン引き」レベル?? 総合9位の新井大輝選手がスゴすぎる
型落ちマシンで超アンビリーバボーな走り!!! 最新マシンを食う激走に海外勢も「ドン引き」レベル?? 総合9位の新井大輝選手がスゴすぎる
ベストカーWeb
マセラティ、フォーミュラEに2030年まで参戦。次世代『Gen4』レギュレーションにコミット
マセラティ、フォーミュラEに2030年まで参戦。次世代『Gen4』レギュレーションにコミット
motorsport.com 日本版
自転車のチューブバルブは英式・米式・仏式の3種類 空気の入れ方をあらためて確認
自転車のチューブバルブは英式・米式・仏式の3種類 空気の入れ方をあらためて確認
バイクのニュース
トヨタ、ダカールラリーの王座奪還へ。2025年は6台の最新型ハイラックスを投入
トヨタ、ダカールラリーの王座奪還へ。2025年は6台の最新型ハイラックスを投入
AUTOSPORT web
ホンダ「ノビオPM50」で出かければ、そこはヨーロッパの街角。ペダルでも走れるモペットスタイル
ホンダ「ノビオPM50」で出かければ、そこはヨーロッパの街角。ペダルでも走れるモペットスタイル
バイクのニュース
ホンダが「スーパーカブ50・Final Edition」を発表! どんなところが魅力的?
ホンダが「スーパーカブ50・Final Edition」を発表! どんなところが魅力的?
バイクのニュース
カワサキ「シェルパ」待望の復活!! 「KLX230 SHERPA」を11月に発売
カワサキ「シェルパ」待望の復活!! 「KLX230 SHERPA」を11月に発売
バイクのニュース
スーパーカブC100「鉄カブ」なら可能な板金修理に挑戦!! 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ VOL.23
スーパーカブC100「鉄カブ」なら可能な板金修理に挑戦!! 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ VOL.23
バイクのニュース
新基準原付で125ccも原付扱いに!? 125ccのバイクには一体何がある?
新基準原付で125ccも原付扱いに!? 125ccのバイクには一体何がある?
バイクのニュース
普通のバイクのスタイリングが安心感を生む! カワサキの原付二種電動バイク『Ninja e-1』に試乗します~小野木里奈の○○○○○日和~
普通のバイクのスタイリングが安心感を生む! カワサキの原付二種電動バイク『Ninja e-1』に試乗します~小野木里奈の○○○○○日和~
バイクのニュース
キャデラック、F1参戦を表明…2026年から
キャデラック、F1参戦を表明…2026年から
レスポンス
ホンダが電動二輪の新型モデル「ACTIVA e:」「QC1」をインドで発表
ホンダが電動二輪の新型モデル「ACTIVA e:」「QC1」をインドで発表
バイクのニュース
各部のアップデートでよりスポーティに!! BMW Motorrad「F900R」2025年モデル発表
各部のアップデートでよりスポーティに!! BMW Motorrad「F900R」2025年モデル発表
バイクのニュース
“世界最古のバイクメーカー”発「ヴィンテージ感のあるレトロバイク」が2025年モデルへ進化! 最新の「クラシック350」は快適な先進機能が充実
“世界最古のバイクメーカー”発「ヴィンテージ感のあるレトロバイク」が2025年モデルへ進化! 最新の「クラシック350」は快適な先進機能が充実
VAGUE
ハセガワモビリティがYADEA最新モデル「K2」を表参道ショールームに展示! EICMA2024で公開された高性能電動バイクを日本で披露
ハセガワモビリティがYADEA最新モデル「K2」を表参道ショールームに展示! EICMA2024で公開された高性能電動バイクを日本で披露
バイクのニュース

みんなのコメント

2件
  • hab********
    お値段やランニングコストはNSF250よりお安かったりするだろうか?
    一部欧州の二輪モータースポーツ熱が高い国と違って日本の規模だと、こういうバイクはワンメイクのシリーズを立ち上げないと、競える場が無くてなかなか難しいと思う。
    残念なことしか言えないが、実際お金が回ってないんだよね、国内の二輪モータースポーツには。
  • xee886366
    オケスポの大久保光選手は激速ですからねー。
    小椋藍選手にも劣らない雰囲気出します。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村