2024年9月1日(現地時間)、WEC(世界耐久選手権)第6戦ローンスター・ル・マン決勝がアメリカ・テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われ、サテライトチームの83号車フェラーリ499Pがチーム初優勝を飾った。9番手からスタートした7号車トヨタGR010はレース中盤にトップに立ったが、終盤に黄旗違反のドライブスルーペナルティを受け2位に終わった。ポルシェは6号車の6位が最高位だった。
83号車フェラーリと7号車トヨタによる激しい攻防
スタート時点で気温32度、路面温度46度という猛暑の中、6時間レースとして始まったWEC第6戦ローンスター・ル・マンは、快調に周回を重ねるフェラーリと後方から追い上げるトヨタによる激しい攻防となった。
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序盤はフロントロウを独占するなど予選から好調のフェラーリが一時1-2-3体制を築きあげてリードするが、予選では苦戦していたトヨタが決勝で見事に復活し、9番手スタートの7号車トヨタが徐々に順位を上げて、残り2時間の時点でついにトップに立った。83号車フェラーリのペースもいいいが、7号車トヨタのペースはそれを上回る。
7号車トヨタは残り1時間、最後のピットストップを終えた時点でも2位フェラーリに10秒以上の差をつけて首位を快走し、そのまま優勝かと思われたが、残り40分のところで、不可解なイエローフラッグ無視という判定によりドライブスルーペナルティを受けてしまう。
それでも7号車トヨタはこのペナルティを消化すると猛ダッシュ。首位と9秒差の2位でコースに復帰したドライバーの小林可夢偉は、周回毎に83号車フェラーリとの差を詰めていったが、不運なタイミングで出されたフルコースイエローにも阻まれて逆転は叶わず、わずか1.780秒差の2位でチェッカーを受けた。
一方フェラーリも好調で、7号車トヨタの猛追を振り切って優勝した83号車のほか、ワークスチームの50号車も3位入賞を果たしている。
8号車トヨタはアクシデントやペナルティでレースを作れず
トヨタのもう1台、8号車トヨタは12番手スタートから徐々に順位を上げ、レースが折り返しを過ぎた頃にはドライバーズタイトルを争うポルシェ6号車を攻略して6位までジャンプアップ。
しかし、ピットストップからのアウトラップでその6号車ポルシェと接触し、左リアタイヤをパンク。この接触で30秒のストップ・アンド・ゴーのペナルティを科され、さらにその後、ブルーフラッグ無視によるペナルティも受けて、結局15位に終わった。
2台のトヨタにとっては惜しい結果となったが、それでも7号車が2位でフィニッシュして大きなポイントを獲得し、マニュファクチャラーズ選手権ではポルシェを逆転して首位を奪還。ドライバーズ選手権でも7号車トヨタが6号車ポルシェに12ポイント差まで詰め寄ることになった。
2024年WECシリーズも、9月15日の富士6時間と11月2日のバーレーン6時間の2戦を残すのみ。第6戦ローンスター・ル・マンでは敗れたものの、2台のトヨタは決勝でフェラーリ、ポルシェを凌駕する速さを見せただけに、チャンピオン争いがいよいよおもしろくなってきた。
次戦WEC第7戦富士6時間は、1週間のインターバルをはさみ、9月13日に富士スピードウェイで開幕、決勝は9月15日11時にスタートする。
2024年WEC世界耐久選手権第6戦ローンスター・ル・マン 決勝
1位 83 フェラーリ 499P・リシャールミルAFコルセ(クビサ/シュワルツマン/イエ)183周
2位 7 トヨタGR010ハイブリッド(デフリース/小林可夢偉/コンウエイ)+1.780s
3位 50 フェラーリ 499P・フェラーリAFコルセ(フオコ/モリーナ/ニールセン)+26.282s
4位 2 キャデラックVシリーズR(バンバー/リン)+46.924s
5位 35 アルピーヌA424(シャタン/ハブスブルク/ミレッシ)+70.513s
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15位 8 トヨタGR010ハイブリッド(ブエミ/ハートレー/平川亮)+2周
2024年WEC世界耐久選手権ドライバーズランキング(第6戦終了時)
1位 エストレ/ロッテラー/バンスール(ポルシェ)125
2位 小林可夢偉/デフリース(トヨタ)113
2位 フオコ/モリーナ/ニールセン(フェラーリ)113
4位 マコービック/キャンベル/クリステンセン(ポルシェ) 77
5位 ブエミ/ハートレー/平川亮(トヨタ)69
2024年WEC世界耐久選手権マニュファクチャラーズランキング(第6戦終了時)
1位トヨタ 147
2位 ポルシェ 136
3位 フェラーリ 128
4位 アルピーヌ 37
5位 BMW 31
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