大幅改良を受けた新しいマツダ「ロードスター」の特徴と魅力とは? 小川フミオが考えた。
マニュアル変速機が楽しめる希少な1台
マツダ・ロードスターが、4代目として最大の商品改良を受け、2023年10月5日に発表された。これがなかなかおもしろい内容だ。
現在のロードスターは、2015年発売であるものの、8年間のあいだに、大きな変更を受けてこなかった。
強いて思い起こすと、RAYS製軽量鍛造ホイール装着車の設定、コーナリング性能を高めるキネマティックポスチャーコントロールの搭載、足まわり、ブレーキ、エンジン性能などを高めた「990S」の設定、それに時としての車体色の追加や変更、といったぐらいか。
それでも、ロードスターには魅力がある。マツダによると「通常スポーツカーの売れ行きは初年度か2年目がピークでそれから下がり始めるところ、ND(8代目ロードスターのコードネーム)は8年目で過去最高の実績」という。嬉しい驚きなのだ。
実際、私も、楽しいクルマが欲しいという人がいれば、まずロードスターを試してみれば?と、勧めている。
マニュアル変速機にこだわるマツダの姿勢も、自動車好きからすると、まことに頼もしい。ロードスターでは8割を超えるユーザーがマニュアル変速機を選んでいるそうだ。驚くばかりである。
ロードスターの1.5リッターエンジンは、マニュアル変速機との相性がとくに良い。というのは、マニュアル変速機の醍醐味は、シフトアップもシフトダウンも気をつかうところにある。
エンジントルクが細ければ、あわててシフトアップすると、加速が鈍くなってしまう。ゆえにエンジン回転を上げ、トルクバンドに入ったことを見極めて、そこでシフトアップすると具合がよい。逆に、エンジントルクが太すぎるクルマは、上記のようなマニュアル変速機の醍醐味が味わえない。ずぼらなシフトワークをクルマが受け付けてしまうからだ。
そんなわけで、ロードスターの魅力の第1点は、マニュアル変速機が楽しめる点だ。
マツダに脱帽続けて魅力をいえば、ふたり乗りのパッケージと、ソフトトップのボディだ。初代がユーノス・ロードスターとして、1989年にデビューして以来、なにも足さない感じのストイックなコンセプトは不変。この頑固さぶりが、マツダのエラいところだ。
私は、ロードスター(日本ではロードスター、米国ではMiatta、欧州ではMX-5と車名が異なっていた)が発表された年のモーターショーのことをおぼえている。
アストンマーティンやアルファロメオ、ランチアといったスポーツモデル・ブランドのために数々のスポーツカーをデザインしたエルコーレ・スパーダ氏が、「いいですねぇ」とつぶやきながらロードスターに乗りこんでいた。
スパーダ氏といえば、さきのアストンマーティンのために「DB4GTザガート」(1960年)というスポーツカーデザインの金字塔を手がけた人物である。いってみればスポーツカーの神様だ。その神様が「いいですねぇ」だから、すごいホメ言葉ではないか。
当時、教条的なスポーツカーファンからは、ユーノス・ロードスターについて「レトロスペクティブすぎる」とか「どっかで見たカタチ」と、言われることがあったものの、結局、コンセプトを変えずに現在にいたって、そして、魅力を失っていないのだから、マツダに脱帽だ。
Vセレクション設定を考えるそういえば、ロードスターには、いっぽうで、高級化へのアペタイト(嗜好)のようなものが常にあるようだ。
初代NAには「Vスペシャル」(1990年)という、タンの革内装に、ウッドステアリングホイールに、ベージュの幌という仕様が設定された。
私は、“ロードスター”と銘打ちなら、カブリオレみたいに色つきのソフトトップを採用した上、そもそも全体のコンセプトが、なんだか英国コンプレックスというか、どこか後ろ向きな感じのVスペシャルが好きになれなかったものの、市場でのウケはとてもよかったようだ。
今回は「Sレザーパッケージ Vセレクション」なる、ちょっと似たかんじの機種が新設定された。タン色の内装とベージュ幌を持っている。あららら。
ただし、ことスポーツカーのデザインについては教条的な私なので、ベージュの幌にはいまも抵抗感こそあるものの、NAや続く2代目のNBよりぐっとモダンな顔つきのボディに、タン色の内装はなかなか似合うと認める。
新しいロードスター、写真を見ても魅力的だ。早く乗ってみたい。言ってみれば、余計なものはもたない、スポーツカーのメートル原器のような存在は、現代においてホントに貴重である。
文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)
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