多くのSUVユーザーを魅了する都市型クロスオーバー
2019年8月の乗用車販売台数ランキングで、今、人気絶大なSUVを見てみると、最上位にランクインしているのが乗用車全体で9位のトヨタRAV4(6277台)。これまで大人気だったトヨタC-HR(3608台)は17位に沈み、ホンダ・ヴェゼル(3371台)が19位、トヨタ・ハリアー(3060台)が21位、RAV4の直接的ライバルの日産エクストレイル(2184台)が22位、スバル・フォレスター(2980台)が24位、ホンダCR-Vはなんと、50位以下というありさまだ。
【試乗】トヨタ新型RAV4は本格アウトドア派にもオススメ! なんと3つもある4WDシステムを試した
そのランキングが示すように、RAV4の人気は圧倒的で、9月上旬時点での工場出荷目安はガソリン車で約2カ月、HVで約3~4カ月。実際ボクのまわりでも、何人もがRAV4の購入を検討しているほどだ。
RAV4は1994年に都市型クロスオーバーSUVとしてデビューし、以来、世界中の自動車メーカーが追従した、乗用車ベースのクロスオーバーモデルの先駆けだった。ただし、4代目は、北米メインの販売戦略もあって大型化し、日本国内ではハリアーと競合するため、導入を見送られた経緯がある。
ゆえに、古くからのRAV4ファンが待ってました! とばかりに購入に走ったから売れている……と思うのは早合点。新型RAV4には多くのSUVユーザーを魅了する、ライバルにない、さまざまなセーリングポイントがある。
まずはキャラクターだ。日本にあったRAV4は、繰り返すが都市型クロスオーバー。しかし、5代目となる新型はキャラクターを一変。オーストラリアの大自然のなかで撮影されたというカタログやTVCFのロケ地、見せ方からもわかるように、本格的なクロスカントリーモデルへと変ぼう。その思い切りタフなキャラクターがSUVファンに刺さったと思われる。
クロスカントリーらしいキャラクターはTNGAで実現した!
そのクロスカントリー性能を支えるのが、TNGAと呼ばれる新プラットフォーム。トヨタ最新の基本部分の仕上がりの良さは、カムリなどでも証明されている。さらに、新型RAV4では3種類ものAWDシステムを用意し、ユーザーの使い方に合わせた選択が可能なのも、価格帯を含め、セールスポイントになっているはずだ。
なかでも、新型RAV4のキャラクターをより色濃く反映した、2リッターガソリンのアドベンチャーグレード、およびG Zパッケージにのみ組み合わされる4WDシステムこそ、世界初、新型RAV4のために開発された「ダイナミックトルクベクタリングコントロール」。
後輪左右のトルクを別々に制御(0~100)するトルクベクタリングコントロールと、4WDを必要としない場面で後輪への動力伝達を切り離し、燃費を向上させるディスコネクト機構を備えた、じつに凝ったメカニズム。オンロード、オフロード両方での抜群の曲がりやすさ、走りの気持ち良さを実現しているのだ。ついでに言えば、2リッターガソリンを高回転まで回したときの快音も、個人的には大好きである。
そうしたクラス最高レベルの悪路走破性の高さと曲がりやすさ、走りの良さを「ダイナミックトルクベクタリングコントロール」を含む機能面で大きくアピールできているのも、新型RAV4の絶大なる強みと言えそうなのだ。雪国のユーザーはもちろん、アウトドア派にも、そのあたりのハイレベルな性能が選択の決め手になるはずである。
そしてライバルにない決定的な先進コネクテッド機能が、オプションのTコネクトナビゲーション装備による3年間通信料無料の通信機能=ナビの設定などをオペレーターが通信で行ってくれる「オペレーターサービス」、およびエアバッグが展開するような事態で、乗員が専門オペレーターの呼びかけに応じない場合に救急、消防への通報を行ってくれる「ヘルプネット」だ。
「ヘルプネット」はあおり運転被害にあったときの対策にもなる安心機能として、いま注目されているところでもある。DCM=車載専用通信機(SIM)が全グレードに標準装備されているあたりは、ライバルに対して絶対的な優位性をもたらしていること間違いなしである。
さらにアドベンチャーグレードのみとはいえ、アウトドア派にぴったりのアーバンカーキ×アッシュグレーメタリックや、ビーチリゾート派に最高のシアンメタリック×アッシュグレーメタリックといった、ライバルにない魅力的なボディカラーが用意されているのも、新型RAV4人気を後押しする要因と思える。個人的にも、このクラスでRAV4がもっともカッコいいと思っているのも本当である(上記の2色。モノトーンだといきなり地味)。
整理すると、新型RAV4に対して、フォレスターやCR-Vに足りないものは、クロスオーバーSUVにそろそろ飽きてきた人たちにもアピールする、クロスカントリーモデルらしい独自のキャラクター、存在感、カッコ良さ、存在感を引き立てるボディカラー、そしてダイナミックトルクベクタリングコントロールに代表される、悪路走破性の高さイメージできるキーワード。さらにはこうしたジャンルのクルマにも不可欠と思える、スマホ接続不要のオペレーターサービスとヘルプネットの存在だろう。古くからのRAV4ファンならずとも、魅力的に感じられ、売れて当然なのが、それらをすべて備えている新型RAV4というわけだ。
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