7月22日、ダブルヘッダーレースとして行われるNTTインディカー・シリーズ第11戦アイオワの決勝がアメリカ・アイオワ州アイオワ・スピードウェイで行われ、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が優勝を飾った。
第2戦テキサス、インディアナポリス500マイルレースと、今シーズンのオーバルレース2戦はどちらもニューガーデンが制してきた。そして迎えたアイオワ戦、彼は今シーズン3戦目のオーバルレースでも優勝を飾った。この勝利は、アイオワスピードウェイでの彼の通算5勝目だ。
ニューガーデンが逆転で今季3勝目【順位結果】インディカー第11戦アイオワ決勝
同日レース前に行われた予選では、チーム・ペンスキーのチームメイトふたりに完敗した。ダブルヘッダーのレース1用のスターティンググリッドは3番手となったニューガーデンだが、レースのほぼ半分をかけてトップ2を走っていたふたりのチームメイト、スコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)とウィル・パワー(チーム・ペンスキー)をパスしてトップに立つと、以降はトラフィックの処理で彼らに明確な差をつけ、250周のうちの129周をリードして圧勝を飾った。
ニューガーデンはポイントランキング3位で、今週末を迎えていたが、今日の勝利でランキング2位に浮上、今日のレースで8位フィニッシュだったランキング首位のアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)との差を126点から98点へと縮めた。
パロウは自身2度目のシリーズ・チャンピオンに向けて着々とシーズンを進めてきたが、今日は2017年と2019年と、すでに2度チャンピオンになっているニューガーデンが圧倒的パフォーマンスで勝利を掴み、3度目のタイトル獲得に向けて望みを繋いだ。
「昨日のプラクティスでの我々のマシンは最高だった。しかし、今年もまたポールポジションは獲れなかった。とても悔しかった。レースでのマシンはスタートから素晴らしかった。明日も自分たちは勝つチャンスがあるだろう。しかし、今年は全チームのレベルが上がっているので油断はできない。2レース目は戦いがより厳しくなる。勝つためには自分たちが持つ力のすべて引き出す必要があるだろう」とニューガーデンは語った。
ポイントランキングについては、「今日で大きく差を縮めることができた。自分たちがチャンピオンになるためには、多くのレースで勝つ必要がある。さらに、パロウにはどこかで不運に巡り合ってもらう必要さえあるし、そういうことは起きないかもしれない。ただ、その場合でも自分たちは多くのレースで勝つことに集中するしかない。シーズンの後半戦がどんな展開になるのかはまったく予想がつかないからだ。残り6戦のすべてが重要だ。不運に見舞われては駄目だ」と話した。
今日はチーム・ペンスキーによる1-2となった。チーム内で最も若いマクラフランが予選順位と同じ2位でフィニッシュし、最終的な彼らの差は3秒3755だった。最後のスティントを迎える前に8秒近くまで開いていた差を、ピット・ストップ後にマクラフランが2秒以下まで縮めた瞬間もあったが、鋭いドライビングでトラフィックを次々処理していったニューガーデンが悠々と勝利のチェッカーフラッグを受けた。
3位表彰台を獲得したのは、予選5番手からのスタートだったパト・オワード(アロウ・マクラーレン)。昨年のアイオワ戦レース2ウイナーであるオワードは、今年も安定した速さを保ち続けてトップ3フィニッシュに漕ぎ着けてみせた。明日のレースではペンスキー勢を脅かす存在になることが期待される。さらにこのオワードの活躍により、シボレー勢にとっては今季初となる1-2-3フィニッシュを達成した。
4位に入ったのはマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)。予選10番手からのスタートだったが、6つ順位を上げる好レースを彼は戦った。しかしポイントランキングにおいては、3位でゴールしたオワードが僅か2点だが彼を上回った結果、4位から5位へとひとつ下げることとなった。
ポールポジション(PP)スタートだったパワーは、ショッキングな5位フィニッシュとなった。今朝行われた予選では計測1ラップ目も2ラップ目も出走者のなかで最速となり、ダブルポールポジション獲得を2年連続で記録する偉業を達成。
しかし、レースではチームメイトたちだけでなく、更にオワードとエリクソンにも先行を許し、非常に悔しい思いをした。明日もPPスタートの彼は、何とかしてチームメイトたちを打ち負かし、高い安定感をゴールまで保ち続けて念願のアイオワ初制覇を果たしたいところだろう。
インディ500以来、今年3レース目に出場した佐藤琢磨(チップ・ガナッシ)は、予選11番手からスタートし9位でゴールした。
レース後に琢磨は「サスペンションと空力、その両方のセッティングがマッチしておらず、20~30周走るとタイヤのグリップが下がっていました。明日のレースに向け、何をどのように変更すべきか、レース後にエンジニアと話をしました」と今日のレースを振り返った。
セカンドスティントを長くした作戦は失敗に終わるも、終盤ではスティントを短くすることで低いタイヤパフォーマンスを補い、それが有利に作用した。明日のレースでは、まずはマシンのスピードと安定感を確保し、作戦もベストのものを採用して上位フィニッシュ、さらには優勝を狙いたいところだ。
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