豊田社長自らが新型車の投入を宣言
トヨタ自動車のタイ現地法人は12月14日に行われた60周年記念式典で、新たなピックアップトラックのコンセプト「IMV0」を発表した。豊田社長自ら「お求めやすく、真にイノベーティブな新しいIMVピックアップトラックを、もう一度タイで作る」と意気込みを示したことを見ても、IMV0に対するトヨタの気合の入り方は一目瞭然。
正式な販売開始は1年以上先となるが、市販版の登場を待ちきれない人も多そうだ。そこで今回は、IMVとは何かについておさらいした上で、IMV0が国内導入された場合の価格感などを予想してみたい。
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そもそもIMVとは?
まず、IMVは「イノベーティブ・インターナショナル・マルチパーパス・ビークル」の略で、新興国向けモデルを現地の近くで生産することを目指して立ち上がったプロジェクトである。これまで日本国内の工場で生産して現地に輸出していた工程を改め、定評あるトヨタ生産方式を海外の現地工場で直接展開し、コストの低減と為替差損益の影響を下げるなどの狙いがある。
IMVは日本導入実績もあり
そして、2002年に発表されたIMVの成果として市場投入されたのがIMV1~5までの各モデルで、IMV1~3はシングルキャブからダブルキャブまでのピックアップトラック、IMV4はSUV、IMV5はミニバンのボディ形状をもつ。
モデル名は市場によって異なるものの、IMV1~3は「ハイラックス」、IMV4は「フォーチュナー」、IMV5は「イノーバ」というのが代表的な呼称だ。基本となる車両骨格は、ラダーフレーム構造に後輪駆動と全車共通で、新興国の過酷な使用環境に耐える信頼性の高さが最大の売りとなる。
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こうして誕生したIMV各モデルはトヨタの販売台数世界一獲得に大きく寄与し、今やその屋台骨を支えていると言っても過言ではない。もちろん、新興国向けながら先進国にも一部導入されており、日本でも人気のハイラックスは先に説明したIMV3に該当するモデルとなる。
そして今回、IMVの主要生産国であるタイで大々的に発表されたIMV0は「0」を名乗ることからも分かるように、IMV の原点に立ち返って再定義を図るニューモデルであり、トヨタにとってその重要性は計り知れないのだ。
新型車IMV0はどんなクルマになる?
現状、IMV0のスペックなどは全く不明だが、「TOYOTA」ロゴ付きグリルやゴツい樹脂パーツでラギッドな雰囲気を醸し出しており、式典の数日後にはタイ国内のレースにセーフティーカーとして登場したことからしても、これまでよりスポーティなイメージを打ち出してきそうだ。また、荷台のフレキシブルさも売りにしており、実用性の高さも期待できそうだ。
生産国のタイより、日本の販売価格のほうが安い!
次に、現在タイ国内で売られているIMVの価格を見ていこう。この点、最も安いのはIMV1に当たるシングルキャブのハイラックスで、当地では完全に商用車の扱いであり、55万4000バーツ(約218万円)からとなる。ちなみに、日本で売られているのと同様のダブルキャブ・2.4Lエンジン・4WDのモデルだと100万5000バーツ(約395万円)で、実は国内価格の352万7000円よりも高い。
なお、SUVのフォーチュナーは137万1000バーツ(約539万円)、ミニバンのイノーバは120万9000バーツ(約475万円)というのがスタート価格だ。
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導入が実現したら…300万円台前半での展開に期待!?
ということで、商用車仕様を除けば日本円に直しても中々の高級車となっているIMVシリーズだが、現地では経済成長の恩恵もあり若者によるカスタマイズのベース車としても本シリーズは人気になっている模様。低成長が続く日本からすると羨ましい限りだ。
もっとも、豊田社長の言葉どおりならIMV0は「お求めやすい」モデルとして登場するはずだから、乗用仕様でも日本円で300万円程度のプライスが期待できるかもしれない。
もし予想通りの価格帯でハイラックスの弟分的に国内導入されれば、ヒットは間違い無しというのはやや妄想が過ぎるだろうか? いずれにせよ、手頃なベース車両さえあれば、日本の若者にもカスタマイズブームは起こりうると思うので、トヨタの英断に期待したい。
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みんなのコメント
でも自家用で使うには一年車検とか足引っ張る要素が多すぎる
カスタマイズの前に車両本体が買えないでしょうねぇ。
それにピックアップなんて、タイパとか言ってる世代には1番相容れない種類でしょ。