IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップは8月5日、第9戦ロード・アメリカの決勝レースが行なわれ、シリーズ最高峰のプロトタイプクラスに参戦しているマツダチーム・ヨーストは55号車マツダRT24-P DPiがフィニッシュ直前まで総合首位を走行するも最後は総合8位に。僚友77号車マツダRT24-P DPiは総合11位でレースを終えた。
2017年シーズン途中からチーム・ヨーストと提携し、今季は新たな布陣でDPiプログラムの2シーズン目に臨んでいるマツダチーム・ヨースト。チームが走らせるマツダRT24-P DPiは今戦前に更新されたBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)によって、10kgの車両重量削減、2リッター直噴4気筒ターボエンジンの最大過給圧の緩和が許されている。
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そんななか迎えた第9戦決勝、マツダはハリー・ティンクネルとジョナサン・ボマリート組の77号車が6番手、オリバー・ジャービスとトリスタン・ヌネス組55号車が総合8番手からスタートを切ると、レース序盤から積極的にポジションを上げていった。
スタートからわずか5分で表彰台圏内直下の4、5番手につけた2台のマツダDPi勢はその後、1回目のルーティンピットストップを経て迎えたレース中盤も2台揃ってトップ5圏内を走行。レース後半には77号車が総合3番手に浮上してみせる。
しかし、77号車は3番手のまま迎えた2回目のピットストップ時に、右フロントタイヤの脱着に手間どり大きくタイムロスすることに。結局このアクシデント最後まで響きジャービス/ヌネス組は11位でのフィニッシュとなった。
一方、1回のみのピットストップでレースを走る切ることを狙った55号車はレース終盤に狙い通りトップに躍り出ることに成功するも、チェッカーまで残り2周、時間にして4分となったところで再給油をせざるを得なくなり、スプラッシュ・アンド・ゴーを敢行したことで総合8位にドロップ。そのままの順位でチェッカーを受けた。
なお、優勝したコア・オートスポーツと総合2位に入ったJDC-ミラー・モータースポーツは、ともに55号車と同じ戦略で最後まで走り抜いたことで表彰台を獲得している。
「僕たちが走っていたポジションと最後の1時間の状況を考えると、1ストップ作戦に賭けたことは、勝利の可能性を最大にする判断だったと思う」と語るのは55号車マツダのボマリート。
■初優勝の可能性を高めるため、2台のレース戦略を分けていた
「最終的にはうまくいかなかったけど、あとほんの少しだけ運が良ければ表彰台には登れたはずだ。人生には時々サイコロを転がさなければならないことがあり、それがうまくいけば英雄なれる。しかし、今日は幸運には巡り会えなかったね」
「(30度を超える)暑さとタイヤの摩耗によって、最後の30分間はペース維持が大変だった。結果はともかくチームのパフォーマンスには満足しているし、今回のレース内容を次戦のラグナ・セカで活かしたいと思う」
また、マツダモータースポーツのジョン・ドゥーナン代表は「我々は、勝つためにレースに来ているとつねに公言している。今日のイベントでは、レース途中で初優勝の可能性を高めるため、2台のレース戦略を分ける決断をした」とロード・アメリカ戦を振り返った。
「2台のマツダRT24-P DPiはともに良いペースで走りそしてレースのほとんどをトップ3で走っていた。そんなか我々は(レース後半に)イエローコーションが出ることを予測して、55号車の給油量をコントロールするギャンブルを打ったが、結局願った展開にならなかったんだ。また、77号車は表彰台争いに加わっていたが、右フロントのハブナットのトラブルが起きてしまい勝機を失ってしまった」
「あと少しで初優勝が手に入るところだったこともあり、今回はチームにとって、より悔しい結果になってしまった。しかし、我々は今日のレースで非常に高い競争力をみせることができと思っている。次戦のラグナ・セカのではエネルギーのすべてを集中させるつもりだ」
マツダチーム・ヨーストが挑む次戦ウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ第11戦は9月7~9日、カリフォルニア州のラグナ・セカで行なわれる。
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