■いろんな理由が…フルモデルチェンジを境に生まれ変わった事情とは
フルモデルチェンジによって、新旧で別の人格に転生したかのようにキャラクターのイメージを変えてしまうクルマがあります。
“キャラ変”した理由も様々です。3つのモデルの背景に迫ります。
【画像】新旧で豹変!? フルモデルチェンジで生まれ変わった3車種を写真で見比べてみる(31枚)
●ホンダ「オデッセイ」
1994年に登場したホンダの3列シートミニバン「オデッセイ」は、低めの車高ながら十分な室内空間を確保し、大ヒット作となったモデルです。
後席ドアは、ミニバンに多いスライドドアではなく、一般的なヒンジ式でした。
箱型のミニバンにある所帯じみたイメージも薄れ、当時ヒットしていたステーションワゴン車に近いスポーティなキャラクターと相まって、オデッセイは広い世代から受け入れられたのです。
そんな初代が確立した“低車高ミニバン”というコンセプトは、その後も2008年登場の4代目モデルまで代々受け継がれていました。
しかし2013年にフルモデルチェンジした5代目(現行型)はそのキャラクターを一変。後席にスライドドアを備え、全高をおよそ150mmもアップ。箱型に近いフォルムに生まれ変わったのです。
当初は賛否両論だったものの、歴代で継承してきた低重心な走りの良さは変わらず、内外装の豪華さや広さも受け入れられ、ホンダファンの支持を集めました。
面白いことに、2020年11月におこなわれたマイナーチェンジではデザインのさらなる刷新を実施。箱型フォルムを強調する方向へと軌道修正しています。
●スズキ「アルト」
2021年末にフルモデルチェンジしたスズキの軽自動車「アルト」。1979年に登場した初代から数えて、これで9代目となります。
アルトはスズキの軽自動車のなかでもっとも廉価でベーシックなポジションに位置するモデル。このコンセプトは、初代から40年以上に渡り貫き続けているものです。
2014年末に登場した先代(8代目)はそんなベーシックカーの原点に立ち返り、直線基調のシンプルでクリーンなデザインを採用。
ボディサイズも最小限とし、低燃費性能を極めるため全高を下げ、空気抵抗を減らすためにフロントウィンドウの角度も寝かされています。
しかし新型では、シンプルで理想主義的だった8代目の路線を修正。
大人4人が余裕をもって乗車できるようにパッケージングの設計を見直し、フロントウィンドウの角度も立たせています。
デザインも、ヘッドライトの形状こそ先代のイメージを受け継いでいるものの、ボディの曲面ひとつひとつに質感を加え、全体に柔らかいイメージとなりました。
●日産「ノート」
日産を代表するコンパクトカー「ノート」。2020年末に登場した現行型(3代目)ノートは、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、デビュー早々から高い評価を集めています。
3代目ノートは通常のガソリンモデルを廃止し、ハイブリッド(e-POWER)専売化。200万円台からの価格帯となったこともあって、内外装の質感も大幅に向上。
日本の道路環境にも適した“小さな高級車”という独自のキャラクターで、派生の上級モデル「ノートオーラ」など多彩なラインナップを展開しています。
対する先代(2代目)ノートは、コンパクトながら広い室内と躍動的なスタイリングを融合させた実用性の高さが特徴。
同じく実用性の高さを誇るライバル車の人気モデル、ホンダ「フィット」を相手に善戦しました。
現行型に比べれば質感はそこそこでしたが価格も安く、カジュアルなキャラクターで幅広い層から支持を集めたのです。
※ ※ ※
フルモデルチェンジの際、従来型のイメージを継承して登場した新型車のことを「キープコンセプト」と紹介することがあります。従来型が大ヒットした場合には特に多くみられる事例です。
一方で今回紹介した3選のように、フルモデルチェンジを機に新旧でイメージが激変するケースもよくみられます。
広く浸透した車名は継承しつつも、新たなコンセプトやデザインを盛り込むことで従来型のイメージを払拭したり、従来とは異なる客層へとアピールするチャレンジが行われます。
このほかにも、過去10年以上使われていなかった絶版車の名前を改めて再使用するケースも。新旧のコンセプトにつながりがないことも多くみられます。
車名の響きや覚えやすさが再評価され、同メーカー内でリサイクルされているようです。
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みんなのコメント
それ以降、「オラ顔嫌い」と言い出す始末
笑