タイプ別で選ぶ軽自動車、自分のライフスタイルに合うのはどれ?
軽自動車人気は収まることなく、2019年に販売された新車の3分の1が軽自動車でした。軽自動車にもさまざまなタイプがありますが、自分のライフスタイルにはどんなモデルが合うのでしょうか? タイプ別に軽自動車のモデルを紹介していきます。
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人気のボディタイプはスーパーハイトワゴンとハイトワゴン
軽自動車はエンジンの排気量が660cc以下と決まっていますが、同時にボディのサイズにも制限があります。全長は3.4m以下、全幅は1.48m以下、全高は2.0m以下となっています。ほとんどの軽自動車は全長と全幅については、規格ギリギリのサイズなので、クルマの容積を増やそうとしたら、あとは車高をアップするしかありません。軽自動車はその歴史のなかで、どんどん車高を高めていき、現在はスーパーハイトワゴンが人気となっています。
2020年10月の軽自動車販売台数のトップ3は、ホンダ Nボックス、ダイハツ タント&タントカスタム (スバル シフォン&シフォンカスタム)、スズキ スペーシア&スペーシアカスタム&スペーシアギア(マツダ フレアワゴン&フレアワゴンカスタムスタイル&フレアワゴンタフスタイル)の順でいずれも全高が1700mmを超えて1800mmに迫る(一部車種ではグレードによって超える)モデルです。
ダイハツ ウエイク(トヨタ ピクサスメガ)、2020年2月にフルモデルチェンジした日産 ルークス、三菱 eKスペース&eKクロススペースもこのスーパーハイト系に含まれます。どのモデルも自然吸気エンジンとターボエンジンを用意。スズキ、日産、三菱はマイルドハイブリッド方式を採用しています。
また、すべてのモデルが両側スライドドアを採用し、狭い駐車場などでの乗降性を向上しています。タントは左側をセンターピラーレスにした構造で乗降性を高めているのが特徴。ホンダの場合、乗用モデルであるNボックスにはセンターピラーが存在しますが、商用モデルのNバンはセンターピラーレスモデルになっています。アウトドアレジャーなどを楽しみたいファミリー層におすすめなのがスーパーハイトワゴンです。
スーパーハイト系がヒットする前は、ハイトワゴンやトールワゴンと呼ばれるモデルが販売トップを誇っていました。このハイトワゴン系も高い人気を維持しています。車高は1600~1700mmあたりで、スーパーハイト系に比べてハンドリングが良いことも魅力です。ハイトワゴン系はリヤにスライドドアではなく、ヒンジドアを使うものが一般的で、ホンダ Nワゴン、日産 デイズ、三菱 eKワゴン&eKクロス、スズキ ワゴンR(マツダ フレア)、ダイハツ ムーヴ(スバル ステラ)がヒンジドアモデル。このクラスで唯一のスライドドアを採用するのはダイハツ ムーヴキャンバスです。スーパーハイトワゴンよりも荷物の収容力はダウンしますが、走りもユーティリティも求めるユーザーは注目です。
走りより収容力を重視するならセミキャブオーバータイプ
エンジンを床下に収めるセミキャブオーバーの商用バンをワゴン仕様としたモデルもあります。登録車の「トヨタ ハイエース」のレイアウトと同様のもので、高い収容力を誇るモデルです。現在、新車で販売されているセミキャブ軽ワゴンはスズキ エブリィワゴン(マツダ スクラムワゴン、三菱 タウンボックス、日産 NT100クリッパー)とダイハツ アトレーワゴン(スバル ディアスワゴン)の2タイプです。元々が商用車なだけに、荷物の搭載能力は非常に高く、アウトドアレジャーのベースなど、走りや快適性よりも荷物の搭載を重視したい人向きのクルマとなります。
SUV、ベーシックな5ドアワゴン、スポーツタイプ
いま世界中でヒットしているボディタイプはSUVです。スポーツ・ユーティリティ・ビークルの略で、ラフロードなども走れるように車高をアップしてグランドクリアランスを確保、ラゲッジルームの容量もある程度確保されています。軽自動車の世界でもSUV人気は高まっていて、なかでも人気なのがスズキ ジムニーです。ジムニーはSUVというよりもクロスカントリー4WD(より本格的なオフロード性能をもったクルマ)というジャンルにカテゴライズされるべきモデルですが、最近はこうした走破性最重視モデルもSUVに含まれます。
現在、ジムニーは世界中で需要が高まっていて(輸出仕様は660ccよりも大きなエンジンを積む)、納車までに1年以上かかると言われています。ジムニーよりもオンロード性能を重視したたモデルも人気で、スズキ ハスラー(マツダ フレアクロスオーバー)、ダイハツ タフトがそれに当たります。ある程度の荷物搭載を可能にしながら、クルマに個性を求める人などに人気となっています。
車高を1500mm程度とした5ドアワゴンは、もっともベーシックな軽自動車です。価格を抑えたモデルも多く、通勤・通学の足や営業車としても数が出ています。ベーシックに重きを置いたモデルとして用意されているのが、スズキ アルト(マツダ キャロル)、ホンダ N-ONE、ダイハツ ミライース(トヨタ ピクシスエポック)などです。また、こうした実用最優先のベーシックモデルをベースに、少し遊び心を加えたものあります。ダイハツ ミラトコット、ダイハツ キャスト(トヨタ ピクシスジョイ)、スズキ ラパン、スズキ ラパンモードなどがこのジャンルです。運転しやすく使い勝手に優れ、実用的な収容力をもちあわせる5ドアワゴン系は、ふだん使いに向いています。
最後に紹介するのはスポーツタイプです。軽自動車にもオープンカーが2車種あります。1台はダイハツ コペン、もう1台ははホンダ S660です。ダイハツ コペンには、ローブ、Xプレイ、セロ、GRスポーツと4タイプが存在します。ダイハツディーラーではこのすべてのモデルが購入可能ですが、GRスポーツはトヨタディーラーでも取り扱っています。また、オープンカーは用意しないスズキも、ミッションを5MT中心に設定したアルト ワークスをラインアップします。アルト ワークスには2ペダル仕様がありますが、軽自動車で一般的なCVTではなく5MTをベースに自動変速化したAGSというミッションを搭載しています。
軽自動車は自社で製造せずに、他車で製造し供給を受けるOEM方式をとるモデルが少なくありません。記事中( )内に記載したモデルはOEMモデルです。自分の家の近くに軽自動車ディーラーはないけれど、登録車ディーラーはあるという場合には、OEMモデルを選ぶのもひとつの手段でしょう。また現在、日産と三菱は共同で軽自動車の開発・製造を行っていまが、共通するパーツや機能も多いものの、細かな仕様に独自性をもたせていて、OEMとはやや異なるものとなっています。
著者:諸星陽一
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みんなのコメント
そもそも、その上位にある、「自分のライフスタイルには軽自動車は合う?」という分岐点の方が重大。
そして、ここでは「ライフスタイル」という角の立ちにくい表現を使っているが、実のところ意味するのは(以下略)
スライドドアかヒンジドアかの二択で、予算を鑑みて選ぶのです