ホンダのレーシングスピリットを象徴するモデル「NSX-R」がオークションに登場
1990年に発売されたホンダのフラッグシップモデルである「NSX」は、欧州の高性能スポーツカーであるポルシェやフェラーリに対抗できるようなモデルとして開発されました。
【画像】国産スーパーカーといえばコレ! ホンダ「NSX-R」を写真で見る(26枚)
量産車としては世界初採用となるオールアルミモノコックボディは軽量化に貢献。
事実、ホワイトボディの重量は210kgと、従来のスチールボディに比べ、140kgの軽量化が図られただけでなく、足まわりやエンジンなどもアルミ化することで、総重量では約200kgの軽量化を実現しました。
さらにホンダのお家芸でもある、可変バルブタイミング機構のVTECエンジンを搭載します。
VTECエンジンは3リッターV型6気筒(C30A型)をミッドシップで搭載し、自然吸気ながら自主規制値の280psを発生し、世界中に大きな衝撃を与えました。
また、NSXの魅力はスペックはスーパーカー並みでありながら、サスペンションは街乗りでも快適なセッティングと懐の深さをみせます。
さらに積載スペースではフルなミッドシップであるにもかかわらず、ゴルフバッグを積載できるトランクスペースを設けたことで、幅広い層に支持を得る結果になりました。
しかし、純粋なスポーツカーとしての魅力が希薄になったとの指摘もあり、そこで投入されたのがハイパフォーマンスバージョンである「NSX-R」です。
まずNSX-Rでは運動性能の向上のため、徹底的な軽量化がおこなわれました。
軽量化の内容は多岐にわたり、遮音材の廃止、リアパーテーションガラスの変更、各種快適装備の廃止などがあげられます。
このようなグラム単位の軽量化によって、最大で120kgの軽量化に成功します。
さらにサスペンションは固められ、アルミ製ブラケットにより足回りの剛性は大幅に向上しました。
また、パワートレインのスペックこそスタンダードと変更はありませんが、クランクシャフトのバランス取りやポート研磨を熟練したメカニックがおこなうなど、レーシングエンジンさながらの体制でおこなわれていました。
このような、現在では考えられないほどのコストが掛かったNSX‐Rですが、オークション最大手の「RMサザビーズ」に出品されて話題になっています。
日本仕様の右ハンNSX-R 483台生産されたうちの1台
今回出品された個体は、1992年式の初期モデルを日本から英国に輸入したもので、ボディカラーはシャーロットパールグリーンとなっています。
またルーフは通常はブラックですが、今回の個体はボディ同色で仕上げられていました。
ホイールは、NSX-Rのイメージカラーであるチャンピオンシップホワイトの7本スポークアルミホイールに換装されていました。
インテリアは、赤のステッチが入った黒の総アルカンターラ貼りの豪華な造りで、仕様変更にかかった総額は1125万円とのことです。
さらにNSX-R専用のMOMO社製レザー巻きステアリングホイール、無垢のチタンから削り出したシフトノブ、カーボン製メータークラスター、カーボンケブラー製のレカロバケットシートなど、NSX-Rならではのインテリアは継承されています。
さらに今回の個体は無限のチューブラーマニホールド、LSD、超低速ファイナルドライブに換装される本格仕様となっています。
※ ※ ※
今回のオークションは2024年11月2日に開催されており、価格は24万英国ポンド(約4742万円)の希望価格となっています。
ホンダVTECの最高峰のモデルということに加え、走行距離はわずか3万3132kmのため、オークション終了後に販売されました。
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みんなのコメント
作った年代が違うから比べるのもアレだけど、平成初期のホンダの最高峰スポーツカーがスポーティーカー呼ばわりなのが驚きでした。