レクサス初のソフトトップ・コンバーチブル
text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
レクサスは、コンセプトモデルのように流麗なクーペ、LCをマイナーチェンジした。同時に、ポルシェ911カブリオレのライバルになり得る、ソフトトップを追加。クーペ以上に、欧州では高い人気が得られそうだ。
実は、LCコンバーチブルはレクサスとして初めてのソフトトップ。これまで、ISやSCにコンバーチブルが存在してきたが、車重のかさむ折り紙のようなフォールディング・ハードトップだった。
基本的な構成は、2017年に発売されたクーペ版LCと同様。エンジンは463psの5.0L V8自然吸気か、パワーの劣る3.5L V6のハイブリッドを選べる。どちらも後輪駆動だ。
以前試乗した経験から、チタンバルブを備えるV8エンジンは、スタイリングに並ぶほどソウルフルなユニットだとわかっている。しかし最近は、ハイブリッドの方が売れ行きが良いらしい。
英国での価格は、今回試乗したスポーツ+と呼ばれるグレードでは、9万6625ポンド(1294万円)。タイヤはランフラットではなくミシュラン・パイロット・スーパースポーツで、21インチの鍛造ホイールに組み合わされる。
ちなみに基本グレードにはLSDが備わらず、ブレーキを利用したトルクベクタリング・システムが装備される。ホイールは20インチになる。
スポーツ+を選択すると、ネックウォーマー付きの堀の深いスポーツシートが付いてくる。一方でクーペで新採用となった後輪操舵システムは、コンバーチブルには装備されない。ソフトトップの収納機構に、空間が割り当てられるためだという。
好印象でエキゾチックなインテリア
トランスミッションは、トルクコンバーター式の10速AT。筆者は2速ほど、段数が多いと思う。サスペンションは、アルミニウムを用いた部品点数が増やされ、軽量化につなげている。
乗り心地で落ち着きを高めるため、フロントダンパーのストローク量が増やされている。回頭性を良くするため、リアのアンチロールバーは剛性が高められた。ほかにも、ブレーキや電動パワーステアリングも改良を受けている。
ソフトトップの開閉は、アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスターほどではないものの、充分に素早い。48km/hまでなら、走行中でも動作できる。
開閉スイッチは、トランスミッション・トンネルにある。普段は、レザー張りのリッドに隠されている。
それ以外、LCコンバーチブルのインテリアに変更はない。リアシートの広さは、大人向きではなく、子供か荷物用と考えた方が良いだろう。
キャメル色のレザー・インテリアは、特に魅力的。しかし色味に関係なく、曲面や平面の組み合わせ、エッジの立った造形は、ヨーロッパ・ブランドのものとはまったく異なる。好印象で、エキゾチックなデザインだ。
特に有機的な造形のドアの内張りパネルと、彫りの深いダッシュボードが個性的。ステアリングコラムは、個人的にさらに25mmくらい手前へ調整できれば、運転姿勢はより理想的なものになるだろう。
細部で変更を受けても、走行中に受ける印象は良し悪しが混ざる。LCの雰囲気なら、コンバーチブルの方が適している。
スタイリングほどシャープではない操縦性
シャシーはバランスに優れ、LC 500は気持ちよく向きを変えていく。車重はクーペの100kg増しとなる2035kg。ソフトな足回りは直線で良く機能するが、コーナリング中も姿勢をちゃんと抑え込んでくれる。
しかし、ドイツや英国製のライバル・コンバーチブルほど、運転にのめり込むタイプではない。クルマをドライバーが操るというより、乗せてもらうような雰囲気だ。
ステアリング・レスポンスは鋭く感じられるものの、シャープなスタイリングから想起するほど、俊敏には動かない。ボンネットを開くと、V8エンジンが理想的な位置より少し前側に載っていることがわかる。ブレーキも、少しスポンジーなタッチだ。
LCコンバーチブルは、高速道路を気持ちよく走れる。流れの速いバイパスも快適。しかし、郊外のカーブが続く道は、ほかの人に運転してもらう方が心地良いだろう。
低速域での乗り心地は、従来ほどではないものの、大径ホイールから良くない影響を受けている。可能なら、1サイズ落としたいところ。
レクサスLCの強みは、とても人当たりの良いクルーザーだという点。インテリアは個性的だし、洗練度はクラスでも随一だと思う。
低回転域でのトルクの細さを気にしなければ、V8エンジンの豊かな響きを楽しみながら、長距離移動も難なくこなせる。オーナーになれば、満足感を長い間保てるだろう。
神秘的で惹きつけられる
ランフラット・タイヤをやめ、サスペンション周りに施された数多くの変更で、LCはグランドツアラーとしての訴求力を高めている。オープンで走行しても、風の巻き込みやバッファーは、最小限でもある。
ラゲッジスペースは149Lしかなく、このクラスとしては大きい方ではない。それでも、メルセデス・ベンツSクラス・カブリオレに並ぶ、ひと回りコンパクトな選択肢として評価されても良いと思う。
ただし動的性能は、メルセデスAMGではなく、ゆったりとしたメルセデス・ベンツの方に近い。ハイブリッド版だけでなく、活発なV8エンジンでも。
大きく口を開いたフロントグリルのレクサスLCの仕上がりには、感心させられる。コンバーチブル化によって、ドライビング体験には、別の魅力的な側面が追加された。
神秘的なクルマだ。本当の実力以上に、惹きつける力を備えている。
レクサスLC 500コンバーチブル(英国仕様)のスペック
価格:9万6625ポンド(1294万円)
全長:4770mm
全幅:1920mm
全高:1350mm
最高速度:270km/h
0-100km/h加速:5.0秒
燃費:8.5km/L
CO2排出量:275g/km
乾燥重量:2040kg
パワートレイン:V型8気筒4969cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:463ps/7100rpm
最大トルク:53.9kg-m/4800rpm
ギアボックス:10速オートマティック
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みんなのコメント
絶対的な性能ってあんま意味ない気がする。
アストンもそんな感じよね。