現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「ハーレーらしくないエンジンと、ホイールベースの長さがオフロードに適正」和泉拓がパンアメリカにライド

ここから本文です

「ハーレーらしくないエンジンと、ホイールベースの長さがオフロードに適正」和泉拓がパンアメリカにライド

掲載 6
「ハーレーらしくないエンジンと、ホイールベースの長さがオフロードに適正」和泉拓がパンアメリカにライド

今年5月以来、第二回目の開催となったビッグアドベンチャーバイク限定の走行会、BAD(BIG ADVENTURE BIKE DAY)が千葉県成田MXパークで開催された。今回は今年からビッグアドベンチャー業界に新規参入を果たしたハーレーダビッドソンが噂のパンアメリカを持ち込み、そのオフロード性能の高さをアピールした。

ビッグオフ・マイスター和泉拓がパンアメリカをテイスティング
ハーレーダビッドソンジャパンがこのイベントの講師に抜擢したのは、Off1ではお馴染みの和泉拓。スーパーモタードやエンデューロレースで実績を築き、KTMアドベンチャーを始めとした多くのビッグアドベンチャーバイクにライドした経験を持つ、仙台市にあるバイクショップ・STRANGE MOTOR CYCLEの店主だ。エンデューロにハマる以前にはハーレーダビッドソンとエンジンを共通とするスポーツバイク・Buellを駆り、エクストリームバイクチーム「アスファルトダンサー」として活動しており、ハーレーのエンジン特性は知り尽くしている。

原付二種125ccバイクの人気ランキングTOP10|オートバイ読者が選んだ2021年のベストモデル

「まずエンジンが全然ハーレーっぽくはないですね。アイドリングの時点で少し回転数が高いし、アクセルを開けるとすごく軽く回る。だけど実際に乗ると1000回転くらいから使えるくらい粘るんです。決してトルクモリモリではないし、ドコドコ感もないんだけど、低回転があれだけ粘るのは可変バルブのおかげなんだと思います。2000回転もあれば十分走れます。他のビッグアドベンチャーとはそこが大きく違いますね。それでいて高回転はちゃんと速い。例えば二人乗りしてフルパニアで総積載重量200kgくらいで高速道路で登り坂を走っている時とかでも、6速のまま追越車線で加速して追い越しができると思います。

車体については良くも悪くもホイールベースが長いです。ハンドルの切れ角はまぁまぁあるのに小回りがあんまり効かないのはこの影響かな。またホイールベースが長いのに真っ当なポジションを取らすためにハンドルがすごいセットバックしていて、ハンドルを切った時に操舵軸とグリップが離れているように感じます。スタンディングしてるとそうでもないんですけど。

ホイールベースが長いことのメリットとしては、ピッチング(左右を軸とした縦方向の動き)もヨーイング(上下を軸とした水平方向の動き)もまったりしていて、アクセルをオンオフした時にギクシャクしないので、疲れにくい。もちろん直線安定性も高いですよね。また、この手のバイクにしてはスライド感が掴みやすいと思いました。ホイールベースの割合に対して普通のバイクよりもエンジンがでかいし、その前にラジエーターがあって、フロント19インチタイヤでサスペンションストロークがあるから、ピボットから前が長くて、その真上くらいにシートがある。ネイキッドみたいなタンク形状ですし、見た目はロードバイクっぽい形なんですよね。だけど実際にアクセルターンをしてみたら、すごくスライドコントロールがしやすいんです。滑り方もゆっくりなので、フラット林道は思ったよりも走りやすいと思います。

あとパンアメリカ スペシャルに搭載されているサスペンションの車高調整機構はものすごく効きます。身長の高い僕でもその恩恵はすごく大きいです。重心が低いから停まってる時の取り回しとか、転んだ時の引き起こしも軽いですよ」と和泉はパンアメリカを評価する。

試乗車として用意されたパンアメリカはスペシャルとノーマルの2台。どちらもブロックタイヤに換装されてオフロードでの走破力をアップしていた。

さらに和泉はパンアメリカの足つきの良さを分析。上から見ると一目瞭然なのだが、シートの足を下ろす部分がものすごくスリムなのだ。この形状と、車高調整機構が合わさって、高い足つき性能を実現している。

ビッグアドベンチャーは取り回しがキモ
午前中には講師ごとに班に別れてスクールが開催された。路面コンディションもあまりよくなく、使えるエリアが限定されたこともあって、和泉が選んだスクール内容は「取り回し」。バイクに乗らず、押してスラロームを抜ける練習だ。

「すごく地味だけど、実際に林道などから安全に帰ってくるためには、とても重要なテクニックです」と和泉。

腰でマシンを支えられる左ターンはまだしも、右ターンでは多くのライダーが苦戦。和泉にアドバイスを求めていた。狭いスペースをたった2~3周するだけで腕がパンパンになり、マシンを支えきれなくなってしまう参加者も。

ここで和泉が披露したのはバイク屋さんならではとも言える面白テクニック。マシンを立ててさえいれば、腕に力はほとんどいらないのだ、ということがわかる。

次のテーマはバイクを降りてのアクセルターン。リアタイヤを滑らせて少ないスペースで曲がるこのテクニックは、道幅の狭い林道でUターンする時などに非常に便利だ。参加者の多くが「やりたいけどできない」テクニックだったようだ。

和泉が座学でコツを教え、実践して見せると、参加者もトライ。大きなバイクで初めてリアタイヤを滑らせる感覚に驚きつつも楽しんでいた。

転びそうになってもすぐに支えてくれるので安心して練習できる。これもスクールの良いところだ。

最後に和泉は参加者のリクエストに応え丸太超えを披露。さらに午後にはコンディションが回復したモトクロスコースが解禁され、講師らの先導車つきで希望者がコースイン。

主催の鈴木大五郎はじめ、名だたるライダーたちに支えられ、成田のダイナミックなモトクロスコースを走るテネレやアフリカツイン、GS、KTMアドベンチャーたち。

エンデューロコースは午前中からフリーライドで使われていたが、午後にはパンアメリカの試乗体験も始まり、多くのライダーがそのパフォーマンスの高さを実感していた。試乗車にはナンバーもついているので、公道での試乗も体感できた。

「タンクが大きくて見た目もあまりオフロードっぽくないので『乗れるのかな?』と思いながらエンデューロコースに入ったんですけど、全然いけますね。すごく楽しかったです。エンジンが1250ccなのでもっとパワーがドカンと出るのかなぁと思ったんですけど、オフロードモードなら全然マイルドだったので扱いやすかったです」と試乗の感想をくれたのはYouTubeでBANZAIりょ~ちゃんねるを展開するBANZAIさん。

こんな記事も読まれています

合法カスタムでも「デコトラ」では仕事ができない現代! デコトラ野郎たちは「マイトラック」で楽しんでいる
合法カスタムでも「デコトラ」では仕事ができない現代! デコトラ野郎たちは「マイトラック」で楽しんでいる
WEB CARTOP
盗難車犯罪の温床「違法ヤード」 解体された自動車が海外輸出される残酷現実、規制強化で本当に防げるのか
盗難車犯罪の温床「違法ヤード」 解体された自動車が海外輸出される残酷現実、規制強化で本当に防げるのか
Merkmal
知的なアスリート──新型マセラティ グラントゥーリズモ試乗記
知的なアスリート──新型マセラティ グラントゥーリズモ試乗記
GQ JAPAN
2年目は女子クラスも新設! 大学自動車部が大手メーカーのサポートで闘う「フォーミュラジムカーナ2024」が開幕!!
2年目は女子クラスも新設! 大学自動車部が大手メーカーのサポートで闘う「フォーミュラジムカーナ2024」が開幕!!
WEB CARTOP
[VW ゴルフ 50周年]重量増加スパイラルに逆行した第7世代
[VW ゴルフ 50周年]重量増加スパイラルに逆行した第7世代
レスポンス
3億円超のアルファ・ロメオの入手方法──新型33ストラダーレに迫る!
3億円超のアルファ・ロメオの入手方法──新型33ストラダーレに迫る!
GQ JAPAN
フェルスタッペン2位「今日のノリスは飛ぶように速かった」グリップに苦しみマシンにダメージも:レッドブル/F1第6戦
フェルスタッペン2位「今日のノリスは飛ぶように速かった」グリップに苦しみマシンにダメージも:レッドブル/F1第6戦
AUTOSPORT web
最高出力800PS、最大トルクは950Nm!ランボルギーニが初のプラグインハイブリッドSUV「ウルス SE」を発表
最高出力800PS、最大トルクは950Nm!ランボルギーニが初のプラグインハイブリッドSUV「ウルス SE」を発表
@DIME
【角田裕毅F1第6戦分析】“ベストなレースタイム戦略”で7位。メルセデスも寄せ付けない走りをHRC折原GMも高く評価
【角田裕毅F1第6戦分析】“ベストなレースタイム戦略”で7位。メルセデスも寄せ付けない走りをHRC折原GMも高く評価
AUTOSPORT web
後ろからドン!はずみでドン!ドン!「玉突き事故」は誰がどう悪くなるのか
後ろからドン!はずみでドン!ドン!「玉突き事故」は誰がどう悪くなるのか
乗りものニュース
レクサスLBXに「強敵」登場!? “アルファロメオ最小のSUV”新型「ジュニア」で判明している真実とは? 「ミト後継車種」の気になる実力
レクサスLBXに「強敵」登場!? “アルファロメオ最小のSUV”新型「ジュニア」で判明している真実とは? 「ミト後継車種」の気になる実力
VAGUE
ツバメインダストリが搭乗型ロボット『アーカックス』を展示…SusHi Tech Tokyo 2024で予定
ツバメインダストリが搭乗型ロボット『アーカックス』を展示…SusHi Tech Tokyo 2024で予定
レスポンス
ホンダ「ドリーム号」第2世代は精密メカのオーバーヘッドカムシャフトを搭載
ホンダ「ドリーム号」第2世代は精密メカのオーバーヘッドカムシャフトを搭載
バイクのニュース
【このメルセデス500SECなんぼ?】今やチューニングカルト的存在 40年前のケーニッヒワイドボディ500SECの価格は?
【このメルセデス500SECなんぼ?】今やチューニングカルト的存在 40年前のケーニッヒワイドボディ500SECの価格は?
AutoBild Japan
レッドブル、フェルスタッペンのマシンに”大きなダメージがあった”と説明。しかし本人は気付かず?「僕としては変わった感じはしなかったけど……」
レッドブル、フェルスタッペンのマシンに”大きなダメージがあった”と説明。しかし本人は気付かず?「僕としては変わった感じはしなかったけど……」
motorsport.com 日本版
初代レオーネクーペや4WDのエステートバンなど…2024年春季スバルレオーネオーナーズクラブ渡良瀬ミーティング
初代レオーネクーペや4WDのエステートバンなど…2024年春季スバルレオーネオーナーズクラブ渡良瀬ミーティング
レスポンス
レイズの新世代スポーツホイール「NE24」に「ストロボデザインデカール」を配したモデルが登場
レイズの新世代スポーツホイール「NE24」に「ストロボデザインデカール」を配したモデルが登場
Auto Messe Web
癒やしの輸入車ツーリング旅は[ディーゼル+マイルドハイブリッド]上質なオールラウンダーで
癒やしの輸入車ツーリング旅は[ディーゼル+マイルドハイブリッド]上質なオールラウンダーで
グーネット

みんなのコメント

6件
  • ハーレー好きだけど、これ買うならBMWか日本車買うわ…。
  • そういう提灯記事は、その車両でパリダカなりバハ1000なりで勝ち負けしてから書けや。少なくとも、エンデューロレースやってるガチ勢は騙されんわな。
    草レースで表彰台に上がれる程度の腕を持ってるが、日本の林道でこんなケッタイなマシンを振り回す自信がない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村