新フェアレディZ 技術詳細は非公開
世界が注目した、新型「Z」の世界発表。内田誠CEOが「ほぼ量産」、というプロトタイプだ。
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公開されたデータは、限定的だ。
ボディ寸法が、全長4382mm×全幅1850mm×全高1310mm。
パワートレインは、V6ツインターボと6速マニュアルトランスミッション。
タイヤは、前255/40R19、後285/35R19。
エンジン排気量や型式、マイルドハイブリッドなど電動化技術や、オートマティックトランスミッションの有無についても、オンライン発表会の中で日産関係者から説明はなかった。
発表会見の中では、アメリカや日本のユーザーとオンラインで結んだ質疑応答が行われたが、そのなかでも話題のほとんどがデザインについてだった。
なぜ、「ほぼデザインだけ」の発表となったのか?
一般的なプロトタイプならば、量産するかどうかを、ユーザーや販売店関係者の意見を聞いてメーカー側は検討する。
いわゆる、デザインコンセプトという類がある。
その前段として、量産の可能性が低く、ショーモデルとしての位置付けが強い、デザインスタディと呼ばれるものもある。
今回発表の「フェアレディZコンセプト」は「ほぼ量産」であるのだから、もっと「技術の日産」「走りの日産」という側面も全面に押し出してもよいと思うのだが……。
背景に「新しい経営方針」との絡み方
日産はいま、自他ともに認める極めて厳しい経営環境下にある。
2020年5月に公開した、中期経営計画「ニッサン・ネクスト」では、ルノー日産三菱アライアンスの中で、日産としての「選択と集中」を明確化した。
その「集中」の象徴が、「ほぼ量産型」として公開済みの新型EV「アリア」だ。
自動運転技術、電動化、コネクティビティなど「技術の日産」を集約したモデルである。
また「選択」の中に、日産のヘリテイジ(歴史)を活用したスポーティモデルとして「フェアレディZ」と「GT-R」がいる。
つまり、S30からZ34までのフェアレディZと、7代目となる次期フェアレディZとでは、日産の経営戦略上の立ち位置が全く違う。
次期フェアレディZの開発は、チーフプロダクトスペシャリストの田村宏志氏が今回の発表会見で明らかにしたように2017年から始まっている。
当然、その時点ではゴーン体制が一気に崩壊するとは日産関係者の誰も予想しておらず、次期フェアレディZの商品企画やデザイン作成が一歩一歩進んでいった。
ところが、2019年に事態は急変し、2020年には「ニッサン・ネクスト」を公表。
こうした中、次期「フェアレディZ」の市場に対する、見せ方/伝え方について、日産は熟考し、今回の発表となったと推測される。
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