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まるで公道を走るフォーミュラカー BACモノ Rへ試乗 30台限定の347ps 後編

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まるで公道を走るフォーミュラカー BACモノ Rへ試乗 30台限定の347ps 後編

野蛮と表現したくなるほど荒々しい走り

BACモノ Rのエンジンをスタートさせ、発進する。走りは野蛮と表現したいほど荒々しい。半端ないほど鋭敏で荒削り。サスペンションは公道用のセットアップらしいが、乗り心地は非常に硬い。路面が僅かに乱れているだけで、逐一反応する。

【画像】公道を走るフォーミュラカー BACモノ R シリアスな競合モデルと写真で比較 全143枚

モノ Rからポルシェ911 GT3 RSへ乗り換えたら、心地良いメルセデス・ベンツのように感じるかもしれない。それくらいハードエッジだ。

何より慣れが必要なのが、エンジンが放つ激しい振動。アイドリング時でも、骨へ直接ブルブルと響いてくる。発進してしばらくは揺れで息が苦しくなり、むせって咳が出てしまったほど。4000rpm程度でも容赦ない。

6500rpmを超えると、振動は全身へ響くようになる。機械式腕時計のムーブメントに影響が出るかもしれない。ダイレクトなエンジンが、コレほどのものだとは。

鋭い加速を得るには、高めの回転数まで煽る必要がある。その領域を保てば、モノ Rは極めて意欲的に先を急ごうとする。動力性能に疑問はない。

ステアリングホイールを握る手へ僅かに力を込め、アクセルペダルを踏み込む。素晴らしいサウンドとはいえないものの、凄まじくうるさい。

軽量化された試乗車は555kgの車重に347psだから、極めて速い。ペダルとステアリングホイールは軽く扱いやすい。

濡れた路面では速く走らせることが難しい

今回は4時間ほど試乗させてもらったが、濡れたリバプール郊外の道で、アクセルペダルを目一杯踏み込めたのは2回きり。かなりの勇気が必要だった。天気が良くない限り、2度で充分。何事もなくて良かったと思う。

アクセルペダルを踏み込みにくい理由は、モノ Rが公道では速すぎるだけでなく、挙動がとてもシャープだから。一般的なモデル以上に、コーナー内側のフロントタイヤが外側より大きく切られる特性のため、極めて反応がクイックなのだ。

トラクションコントロールが装備されており、5段階から効きを選べるものの、濡れた路面では速く走らせることが難しい。サーキット前提のピレリ・トロフェオRというタイヤも、その手強さを助長している。

路面が乾いていれば、グリップ力が大幅に高まり、安定性は見違えるはず。まったく別の挙動を堪能できるのだと思う。

キャビンの幅が狭く、腕は動かしにくい。ステアリングホイールは、肩を使うようなスタイルでは回しにくい。

ワインディングでは、基本的には手首や指で繊細に操ることになり、90度も傾ければ足りるため問題にはならない。しかし、市街地の狭い交差点では扱いにくく、何度かリムを掴み直す必要がある。もう少し空間には余裕が欲しい。

走行中は進路が落ち着かず、修正舵を与える頻度も多い。挙動の角は丸めて、リラックスして運転を楽しみたいと感じるドライバーの方が多いはず。

楽しめるドライバーを選ぶモノ R

モノ Rの英国価格は、オプション抜きで19万950ポンド(約3150万円)から。気安く手を伸ばせる金額ではない。

正直なところ、少し離れた場所への日常的なドライブや、週末のお買い物へモノ Rを使いたいと筆者は感じなかった。ひたすら走りを追求するようなハードコアなドライバーなら、意に介さないのかもしれないけれど。

普段使いのしやすさや、ドライバー・フレンドリーといった視点では、ラディカルのマシンと同等。ケータハムやモーガンと同じ水準にはない。フロントの小さなボンネットを開けば、牛乳パック数本やヘルメットをしまえる荷室があるとはいえ。

筆者より小柄で、フォーミュラカーのようなクルマの運転に慣れているドライバーなら、モノ Rは公道でも素晴らしい体験を与えてくれると思う。サーキットへ向かえば、本領を引き出すことも可能だろう。

しかし雨がちの英国では、多くの人にとって乗れる時間が制限される。なくなった低脂肪牛乳のお使いには、違うクルマを選びたいところだ。

BACモノ R(英国仕様)のスペック

英国価格:19万950ポンド(約3150万円)
全長:4007mm
全幅:1836mm
全高:1085mm
最高速度:273km/h
0-100km/h加速:2.5秒
燃費:10.6km/L(予想)
CO2排出量:−
乾燥重量:555kg(ライトウエイト・オプション装備時)
パワートレイン:直列4気筒2488cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:347ps
最大トルク:33.5kg-m
ギアボックス:6速シーケンシャル・マニュアル

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