もくじ
ー FCAがテスラに払う金額は「数億ユーロ」
ー FCA自身でも電動化を推進中
EUの自動車CO2規制、2021年さらに厳格化 2つの「追い打ち」も 生き残るは4グループのみか
FCAがテスラに払う金額は「数億ユーロ」
フィアット・クライスラー・オートモービルズは、非常に厳しくなる欧州連合の排ガス規制に支払う罰金を回避するため、テスラと提携を結ぶことにした。
アルファ・ロメオ、フィアット、ジープ、マセラティを傘下に収めるFCAは、テスラの電気自動車をグループ内のCO2排出量に含める(つまり、実質的にCO2を出さない電気自動車のみを販売しているテスラから、CO2排出量の枠を買う)ことによって、EUの排ガス規制をクリアしようというわけだ。
このようなCO2排出量の取引は、「オープンプール」という選択肢として認められている。EUの規制では、自動車メーカーが販売する全新車の平均CO2排出量が、現在の130g/kmから、2021年には95g/km以下へと、さらに厳しさを増すことになっている。
EUの平均排出量は販売されるクルマによって算出される。テスラが欧州で販売しているクルマの台数は依然として少ないものの、CO2をまったく出さない。そのため、これらを含めることによるFCAの平均排出量に与える効果は非常に大きい。
欧州委員会のウェブサイトには、2月25日にFCAがテスラとプールを組んだと書かれている。
この契約によってFCAがテスラにどれだけの金額を支払うのかについては、両社ともコメントしていない。
しかし、このニュースを最初に報じたファイナンシャル・タイムズは、合計で「数億ユーロ」になると書いている。
FCA自身でも電動化を推進中
フィアット・クライスラー・オートモービルは声明の中で、この契約が「規制で承認されているオプションを活用」すると述べている。
さらに「FCAは当社の全製品が排出するガスの量を削減することに努めています。今回のオープンプールは、お客様に提供する製品の柔軟性を高めるためのものです。これによって規制を遵守しながら、コストを抑えた製品をお客様に提供することが可能になります」と加えた。
FCAは最近、電動化の推進に多大な力を入れ始めている。先月に開催されたジュネーブ・モーターショーでは、フィアットの電気自動車チェントヴェンティ・コンセプトと共に、ジープやアルファ・ロメオからプラグイン・ハイブリッド・モデルがいくつか発表された。
同社は電気自動車となる新型フィアット500の開発にも取り組んでいるものの、2021年までに発売は間に合いそうもない。
一方、テスラは今回の提携についてコメントを出していない。CO2を一切出さない電気自動車だけを生産しているテスラにとって、このEUの規制は影響がないからである。
テスラは現在、欧州でモデルSとモデルXを販売しており、最近いくつかの市場でモデル3の販売も開始したところだ。
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