フルモデルチェンジしたホンダ「ステップ ワゴン」に、今尾直樹が見て・乗って・触れた! 内外装を解説した前編に続き、後編はチョイ乗りした印象をリポートする。
見晴らしの良い後席
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小雨のなか、ホンダの栃木プルービンググラウンド内にある自動車運転教習所みたいな市街地を模したコースで、新型ステップ ワゴンのエアーと、そのあと同スパーダを体験した。どちらも、ホンダのハイブリッド、e:HEV(イー・エイチ・イー・ブイ)である。
今回の体験会のホンダの目的は、新型ステップ ワゴンの視界のよさ、運転のしやすさを訴えることにあった。試乗時間はそれぞれ30分、最高速は60km/h、だいたい40km/h程度での走行が求められたことを明記しておかねばならない。
まずは決められた走行ルートを知るために、ホンダの担当者がステアリングを握り、筆者は2列目に座った。そのあと3列目にも乗ってみて、なるほど見晴らしがたいへんよいことが確認できた。
これは「乗り物酔いしにくい視界の工夫」だそうで、2列目はフロント・シートに対して着座位置が40mm、3列目は同90mm高くなっている。新型ステップ ワゴンのフロアはリアに向かうほどスロープ状に上がっているのだ。
スッキリとしたサイド・ヴューをつくるべく、ベルトラインが水平になっているのも、新型ステップ ワゴンの開発陣のこだわりのひとつだ。前後サイド・ウィンドウの切り取り方が直線になっていて、遠近法でいうところのヴァニシング・ポイント(消失点)に向かって、天井とドアの内張のラインがストレートに伸びている。
3列目から前方を眺めると、乗合バスのいちばん後ろの席に座っているみたいに、室内を見下ろす感覚があった。
運転がとってもしやすい
走行ルートを教わったあと、運転することになった。運転席は3列のなかではもっとも地面に近いはずだけれど、そこは全高1840mmもあるミニバンである。着座位置が高めで見晴らしがよい。ダッシュボードが水平基調でつくられていて、これが視界のよさに貢献している。
「安心して運転しやすく」というのが新型ステップ ワゴンの大きなテーマのひとつで、そのためにAピラーの位置を70mm後ろに下げ、樹脂の三角パッチを廃して死角を減らし、交差点での右左折時に歩行者を見つけやすくしている。その甲斐あって、実際、視界は良好で、クルマのボディもつかみやすい。こういうベーシックな改善はまことに歓迎すべきことである。
ちなみに、水平基調のダッシュボードは、2019年発売の「フィット」以降、ホンダが採用しているデザインで、これも「安心してより運転しやすく」するためとされる。
かけ心地のよいシートは、2020年2月にホンダが発表した「ボディースタビライジングシート」である。「運転すると疲れる」という難問に取り組んだというこれは、骨盤をしっかり安定させるフレーム構造をもっている。走行中、骨盤が安定すると、体が安定し、運転操作がしやすくなって、疲れにくくなる、というわけだ。
そういえば、マツダも同様の考え方のシートを開発している。ホンダではフィット、ヴェゼルに採用しているシート構造で、新型ステップ ワゴンでは専用のクッションを用いている。ミニバン独特の運転姿勢に合わせるためで、ウレタン厚を23mmアップ、ウレタン密度を27%アップしているという。
ボディ剛性の改善のため、サイドシル断面を大型化したり、リアまわりを中心に遮音材を増やしてもいる。パワーユニットでは、e:HEVの2.0リッター直4エンジンのクランク剛性を上げて静粛性の向上を図っている。カタログの数値では、175Nmの最大トルクは同じでも、発生回転数が先代の4000rpmから3500rpmに下がっている。より低い回転で最大トルクが生み出せれば、当然静粛性も上がる。
ホンダのe:HEVは、エンジンは高速道路以外では発電に専念し、駆動はモーターがおこなう。高速道路でのみ、電気より効率のいいエンジンが駆動する、というシステムである。
街中を模した自動車教習所みたいな今回のコースでは、このシステムの優れた点が際立つ。EVのように静かで、乗り心地がよくて、運転がとってもしやすい。
原点回帰
詳細は、のちに報告するとして、注目の価格は中心モデルのe:HEV エアー、7人乗りで338万2500円也である。トヨタ「ノア」のハイブリッド、S-G 2WD、7人乗り、339万円より7500円安いことになる。
トヨタ・ノアのようにスマホでリモート駐車するというようなマネはできない。新型ステップ ワゴンは、「#素敵な暮らし」を視界や座り心地など、ベーシックなところから考え直したマジメなミニバンなのである。
そういうホンダのマジメさは今回、とりわけエアーのシンプル&クリーンなデザインにもあらわれている、と筆者は思う。ミニバン・ニュー・スタイリングを掲げたこのデザインに、ニッポンのヤンキー文化へのアンチテーゼを見る思いがして、共感を覚える方もいらっしゃるのではあるまいか。
「♯素敵な暮らし」というのは初代ステップ ワゴンへの回帰であり、もっとさかのぼると、スーパーカブ、N360、初代シビック、初代アコードなんて名前が浮かんでくる。
ホンダというのは昔から、「♯素敵な暮らし」を提案してきた自動車メーカーなのだ。
文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
素敵な〜とか丁度いい〜とか最近のホンダは価値の無い車に価値観の押し付けが過ぎる。
まあ、欲しいと思う人が買えばいいんじゃねーの?