7月8日、イタリアのモンツァ・サーキットで開催されているWEC世界耐久選手権第5戦『モンツァ6時間レース』のフリープラクティス3回目が行われ、昨年同地でデビューしたプジョー・トタルエナジーズの93号車プジョー9X8(ポール・ディ・レスタ/ミケル・イェンセン/ジャン-エリック・ベルニュ組)がトップタイムをマークした。
予選日に唯一設定されているFP3も、前日に行われた2度のプラクティスと同様に晴天に恵まれ、気温28℃、路面温度38℃というコンディション下での実施となった。
このセッションは予選前最後の走行セッションということもあり、序盤にタイムアタックを行うマシンが確認できた。プジョー・トタルエナジーズの2台はその代表的例となり、ベルニュ駆る93号車とグスタボ・メネゼスの94号車の両プジョー9X8が、いの一番に1分37秒台をブレイク。93号車はさらにタイムを縮め1分35秒878で暫定トップに立つと、そのまま首位でセッションを終えている。
姉妹車94号車も自己ベストタイムを更新し1分36秒105で2番手につけたが、同じく序盤の時間帯にタイムを出してきたミゲル・モリーナの50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)が1分35秒923というタイムでプジョー9X8勢の間に割り込んだ。
もう一台のフェラーリ、51号車は“リヤウイングレス”のマシンを上回ることができず4番手に。5番手にはセッション中盤にアレックス・リンのドライブ中に1分36秒449を記録した2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)が入っている。
トップ5の後方にはポルシェ963のカスタマーカー2台が並んだ。ハーツ・チーム・JOTAの38号車が6番手、このモンツァ・ラウンドがハイパーカークラスでの初陣となっているプロトン・コンペティションの99号車が7番手で、いずれも1分36秒台のタイムを刻んでいる。
一方、トヨタ勢はここでは爪を隠し、小林可夢偉組7号車トヨタGR010ハイブリッドが1分37秒402で8番手に。僚友の平川亮組8号車トヨタGR010ハイブリッドは13台中11番手となっている。
LMP2クラスは、28号車オレカ07・ギブソン(デビッド・ハイネマイヤー-ハンソン/ピエトロ・フィッティパルディ/オリバー・ラスムッセン組)を筆頭に上位3台が1分40秒を切ってみせ、JOTAのフィッティパルディが1分39秒621でクラストップとなった。同2番手はベクター・スポーツの10号車オレカで、トップとは0.260秒差。3番手につけたアルピーヌ・エルフ・チームの36号車オレカとのギャップは0.015秒と僅差だった。
LMGTEアマクラスでは、レッドのカラーリングで今大会にエントリーしている56号車ポルシェ911 RSR-19(エフリン・カストロ/ギリェルメ・モウラ・デ・オリベイラ/マッテオ・カイローリ組)が1分46秒762というタイムでクラス首位となり、デンプシー・プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSR-19を0.236秒差で退けた。
ポルシェ勢がトップ4を独占するなか、跳ね馬の最上位は54号車フェラーリ488 GTEエボ(AFコルセ)の5番手。同じく488 GTEエボを使用するケッセル・レーシングの木村武史/ケイ・コッツォリーノ/スコット・ハファカー組57号車は8番手となった。星野敏/藤井誠暢/キャスパー・スティーブンソン組777号車アストンマーティン・バンテージAMR(Dステーション・レーシング)は、クラストップから1.282秒遅れての12番手だ。
WEC第5戦モンツァの予選はこの後14時40分(日本時間21時40分)から行われ、各クラス15分間のセッションによって決勝グリッドが争われる。
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