もくじ
ー こんなに安い 登録済み未使用中古車の驚き価格
ー なぜ価格が大幅に安い? 輸入車の登録済み未使用中古車
ー 登録済み未使用中古車の注意点は何か
ー 登録済み未使用中古車には割り切りが必要
あまり売れないスポーツカー メーカーが用意するワケ 情緒と技術向上が関係か
こんなに安い 登録済み未使用中古車の驚き価格
クルマの売れ行きが伸び悩むと、登録済み未使用中古車が、中古車市場へ放出される。販売会社が新車の在庫を持ち切れなくなり、実質的に使われていない車両を登録して、中古車に卸すのだ。
そのために中古車でありながら、走行距離は5-50km程度と少ない。以前は新車と中古車の中間という意味で「新古車」という言葉も使われたが、今は誤解を招く表現だから使用が禁止されている。登録された車両だから、走行距離が少なくても、中古車にほかならない。「未使用車」という言葉もダメだ。「中古車」を使う必要がある。
それにしても、登録済み未使用中古車の価格は、新車に比べると大幅に安い。
例えばBMW 1シリーズに1.5ℓガソリンターボを搭載する118iは、現行型のスタンダードが320万円だが、2018年式の登録済み未使用中古車は230~270万円で販売される。この内、充実装備の118iファショニスタは、新車価格は382万円だが、登録済み未使用中古車なら270万円前後に収まる。
2ℓクリーンディーゼルターボの118dスポーツは250万円前後だ。上級の118dファショニスタは新車価格が407万円で、登録済み未使用中古車は280~290万円になる。1シリーズでも大雑把にいって100万円前後は安く、比率に換算すれば30%に相当する。
メルセデス・ベンツCクラスは、2018年式C180ローレウスエディションが380万円前後、C200アバンギャルドは新車価格が560万円で、登録済み未使用中古車は400万円前後だ。これも比率では約30%安い。
ミニなら2018年式クーパーSやクリーンディーゼルターボのクーパーDを270~300万円で購入できる。
このように輸入車の登録済み未使用中古車は、走行距離が新車同様に短く、なおかつ価格を安く抑えている。ブランドや車種の人気度を考えると、買い得に思われる。なぜここまで価格を安くできるのだろうか。
なぜ価格が大幅に安い? 輸入車の登録済み未使用中古車
先に述べたBMW 1シリーズやメルセデス・ベンツCクラスの登録済み未使用中古車は、2018年式の価格が、新車時に比べて30%前後も安い。そうなると新車価格が400万円前後でも、100万円以上の値引きになるわけだ。
日本車では、アルファード/ヴェルファイア、スカイライン、アテンザなどに400万円前後のグレードが用意されるが、登録済み未使用中古車の数は限られ、通常の値引きが100万円に達することもない。
BMWやメルセデス・ベンツが安くなるのは、まず輸入車が日本車とは違って基本的に在庫販売になるからだ。
メーカーと日本法人の契約に基づいて一定の台数が輸入され、必ず販売しなければならない。売れずに在庫が溜まると、保管するコストも加わるから、販売会社は早急に手放したい。
日本車も以前は在庫を持ったが、今は軽自動車を除くと、基本的にメーカーに注文を入れて卸す方法を取る。販売台数が下がり、在庫販売は効率が悪いからだ。
輸入車に話を戻すと、売れ残って在庫になった場合は処理に困り、販売会社が登録して中古車に卸すわけだ。
またBMWやメルセデス・ベンツの場合、発売から数年を経てフルモデルチェンジが近づいた車両については、メーカーが日本法人を通じて販売会社に販売奨励金を付帯する。いわゆるインセンティブで、これを原資に新車の値引きを拡大する。
そのために特にドイツ車は、モデル末期になると、Cクラスや3シリーズでも値引き額が100万円前後に達することがある。登録済み未使用中古車に卸せば、さらに安くなるわけだ。
もともと輸入車の価格には、販売会社の受け取る粗利が多く含まれ(つまり価格を高めに設定してある)、値引き額を増やしやすい。そこにモデル末期の販売奨励金まで加わると、さらに大幅な値引きが可能になり、登録済み未使用中古車が格安に流通するわけだ。
ところで未使用中古車、買う時の注意点はあるのだろうか?
登録済み未使用中古車の注意点は何か
登録済み未使用中古車には、注意点もある。
まず輸入車を大幅値引きで買った場合も含めて、数年後に、有利な条件で売却することはできない。安く買ったのだから、高く売れないのは当然だ。その意味でもモデル末期の輸入車は、大幅な値引きを引き出して買わないと損をする。
また今は2019年の中盤に差し掛かったが、登録済み未使用中古車には、2018年式も多く含まれる。1年くらい放置されていた可能性もある。2018年式を買った場合、購入したのが2019年でも、2年間使えば3年落ちになってしまう。短期間で売却するには、不利な要素が多い。
逆に登録済み未使用中古車でトクする方法は、故障が増え始めるまで使うことだ。10年くらい使えば、たとえ値引きの少ない新車を購入しても、高く売ることはできない。そうなれば登録済み未使用中古車の不利が生じにくくなる。
なお高年式の中古車を買った時は、保証継承の手続きを行いたい。保証を継承させれば、新車に付帯される保証を中古車でも利用できるからだ。この手続きは正規販売店で点検を受けて、有料で行う。
登録済み未使用中古車には割り切りが必要
業界的な話をすれば、登録済み未使用中古車は必要悪とされる。走行距離の短い高年式の中古車が低価格で流通すると、中古車価格が値崩れを起こし、普通にユーザーが使った中古車の価格まで下げてしまうからだ。
そうなるとユーザーは、愛車を高値で売却できず、自分の資産価値を減少させる。いわゆるリセールバリューの悪化で、顧客の不利益になるから好ましくない。
特にユーザーによっては、輸入車はリセールバリューが高いと信じている(今は状況が変わりトヨタ・ランドクルーザーなど国産SUVの方が高かったりする)。リセールバリューがさらに悪化すると、下取りする時に顧客との間でトラブルに発展することもある。
ちなみに昔は、売れ残った在庫車を国内の中古車市場には流通させず、海外に輸出していたこともあるメーカーもある。このような手間を掛けることで、国内のリセールバリューを守っていた。
従って登録済み未使用中古車は、自己責任で購入して、その後の面倒や価値の目減りは自分で背負う割り切りが必要になるだろう。
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