トヨタの北米法人は、9月24日にラスベガス・モータースピードウェイで開催された2021年NASCAR Camping World Truck Series(NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ)第19戦にて、来季2022年にシリーズへ投入する新型『トヨタ・タンドラTRD Pro』を公開。第7世代(Gen7)に移行する『トヨタ・カムリ』で戦うカップ・シリーズと同様に、生産車のデザインにより近づける新規定を採り入れた新型トラックで、2月のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイより新たなシーズンを開始するとアナウンスした。
この前日となる9月23日には、NASCARの運営団体より2022年に導入されるボディのアップデート規定が発表され、現在シリーズを戦う『シボレー・シルバラード』『フォードF-150』そして『トヨタ・タンドラ』の3車種に対しノーズとテールを更新して、量産モデルのトラックとデザインをさらに適合させると同時に、フロントフェイシアからAピラーにかけて「ブランド独自のアイデンティティを追加することを許可する」とした。
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この発表を受け、フォードは同日にソーシャルメディアを介して2022年型『フォードF-150』を公開。陣営内で開発ドライバーも務めるヘイリー・ディーガンが、プロモーションビデオ内で走行シーンも披露した。
一方のトヨタも、翌日には新型『トヨタ・タンドラTRD Pro』のスタジオフォトを公開したものの、シボレーはまだ新しい2022年型『シルバラード』を公にしていない状況だ。
「我々はつねに参戦マニュファクチャラーにとって、より(量産モデルのプロモーションと)関連性のある方法を探している」と説明するのは、NASCARのイノベーション兼レーシング開発担当シニア・バイス・プレジデントを務めるジョン・プロブスト。
「そのための最適な手法のひとつが、ショールームで目にするトラックのデザインと、レーストラックの造形に正確な反映をもたらすことだ。2022年にコース上に姿を現すトラックには、市販モデルの特徴がもっとたくさん見られるはずだ」
この方針に従い、北米トヨタは現地9月にラウンチしたばかりの新型タンドラTRD Proをベースに、NASCARの新形状ボディ承認プロセスを申請。前後のボディカウルに強化コンポジット材を採用した2022年モデルをアンベイルした。
■服部茂章率いるHREも、新型モデルにスイッチ予定
これによりトヨタは、カップ・シリーズに参戦予定のGen7『トヨタ・カムリ』と、同じくエクスフィニティ・シリーズに参戦する『トヨタ・スープラ』と合わせて、NASCARのシリーズ戦に3車種を投入する唯一のマニュファクチャラーという立場を継続する。
「NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズは、我々の歴史だけでなくディーラーからの視点においても、トヨタにとって非常に重要であり続けてきた」と語るのは、北米トヨタでモータースポーツ・グループマネージャーを務めるポール・ドーシャル。
「新しいタンドラの発売は、組織全体にとって本当にエキサイティングな時期でもある。そのため新型TRD Proのデザインを採用し、NASCAR仕様タンドラのスタイリングに反映することは、我々全員にとってシリーズの重要性を再認識することでもある。コース上での活動がトヨタのショールームでの活動と同じであることを、引き続き確認できる良い機会になった」
そのラウンチにも同席したトラックシリーズ・オーナーのカイル・ブッシュも、新型のパフォーマンスに期待を寄せる言葉を残した。
「我々、カイル・ブッシュ・モータースポーツの全員が、このレースチームを始めて以来、トヨタ・タンドラのバッジを持って戦っていることを誇りに思っている」と語ったカイル・ブッシュ。
「トヨタとTRDはつねに我々と協力し、レーストラックで可能な限り競争力を確保するだけでなく、タンドラのスタイリングをファンがディーラーで購入できるものと一致するように努力を重ねてきた」
「新型タンドラはとてもアグレッシブに見えるし、それが2022年シーズンのTRD Proバッジを備えたNASCAR仕様タンドラにも反映されているのを見られるのは、本当に素晴らしいことだね」
すでに登録申請を承認された『トヨタ・タンドラTRD Pro』や『フォードF-150』に加え、新型『シボレー・シルバラード』も、2022年2月18日の開幕戦デイトナにてデビューする予定となり、今季2021年は第14戦から連勝を飾っている服部茂章率いるHRE(Hattori Racing Enterprises)も、来季はこの新型モデルにスイッチする予定だ。
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