現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > あまり知られていない事実? 意外な伝統を守っている車3選

ここから本文です

あまり知られていない事実? 意外な伝統を守っている車3選

掲載 更新 79
あまり知られていない事実? 意外な伝統を守っている車3選

■それほど重要じゃないかもしれない伝統を守っているクルマを振り返る

 半世紀にもおよぶ長い歴史を刻むクルマが存在しますが、そうしたモデルのなかにはコンセプトを守り続けているクルマがあります。

ちょいワルオヤジに乗って欲しい! シブくてナウい国産セダン3選

 たとえば、日産「フェアレディZ」は初代から一貫して6気筒エンジンを搭載するFR駆動で、ファストバッククーペのスタイルも50年以上変わっていません。

 またポルシェ「911」も、水平対向エンジンをリアに搭載するRR駆動という基本的なメカニズムを守っています。

 一方、それほど長い歴史を持っていないクルマでも、歴代でこだわっている部分があるモデルも存在。

 そこで、意外と思える伝統を守ったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●スズキ「ワゴンR」

 軽自動車は日本独自の規格であり、今も進化を続けています。その歴史を振り返ると、限られたサイズのなかで安全性と居住性を両立させなければならないという、大きな使命がありました。

 そこで、全高(室内高)を高くするのが居住性向上のひとつの手段として、商用1BOXバンをベースにした乗用タイプのモデルが登場。室内が広く使い勝手が良いモデルとしてヒットします。

 しかし、ボディ形状は商用バンのイメージが色濃く残っており、走行性能も高いとはいえず、軽自動車の主流にはなりませんでした。

 そうしたなか、1993年に「ワゴンR」が発売されると、軽トールワゴンという新たなジャンルが確立され、革新的なモデルとして大ヒットします。

 現行モデルは2017年2月に登場した6代目で、初代からボディ形状は大きく変わっておらず、リアドアもヒンジドアを継承していますが、もうひとつ初代から受け継いでいるのがMT車をラインナップしていることです。

 実は6代目ワゴンRはデビュー当初MTを設定しておらず全車CVTでしたが、2017年8月にベーシックな「FA」グレードにMTを追加設定しました。なお、先代の5代目も同様な措置が取られています。

 スズキは幅広いユーザー層のニーズに対応したとしていますが、おそらくワゴンRのMT車を買うユーザーはごくわずかでしょう。それでもスズキがMTを設定するのは、まさにユーザー本位の姿勢といえるのではないでしょうか。

 ちなみに、ワゴンRのMT車ではCVTのインパネシフトをフロアシフトに改め、パーキングブレーキを足踏み式から手動に、前席をベンチシートからセパレートシートに変更するなど、かなり改修されています。

●日産「エクストレイル」

 かつて日産は「サファリ」や「テラノ」といった本格的なクロスカントリー4WD車を販売していましたが、それらよりももっとライトなSUVとして開発されたのが「エクストレイル」です。

 2000年に発売された初代エクストレイルは「サニー」などセダン系プラットフォームをベースにしたモデルですが、どちらかというとオフロード性能を重視。

 そのためアウトドア派に高く支持されましたが、撥水性能が高い生地を使ったシートや、水拭きできる荷室なども人気となった秘訣でしょう。

 現行モデルは2013年に登場した3代目で、コンセプトは初代から変わらず、内装もマリンスポーツやウインタースポーツに適した素材を継承しています。

 さらに、初代から変わらないユニークな装備が保温保冷機能付カップホルダーで、文字通り飲み物の保温と保冷ができるというものです。

 センターコンソールの中間部に位置し、見た目は一般的なカップホルダーと変わりませんが、機能としてはエアコンの温風もしくは冷風の吹出口があり、それを利用して保温と保冷をおこなう仕組みとなっています。

 位置やスペースに違いはありますが、この保温保冷機能は初代、2代目も装備しており、ユーザーからは好評なようです。

 ちなみ同様の装備はかつてホンダ初代「シティ」や2代目「CR-V」が採用し、純粋なクーラーボックスはレクサス「LX」やトヨタ「ランドクルーザープラド」(一部メーカーオプション)に搭載されています。

■ニーズが限られているものの「フィット」が守る伝統とは?

●ホンダ「フィット」

 2001年に発売された新世代コンパクトカー、ホンダ初代「フィット」は、センタータンクレイアウトの採用でクラストップの広い室内空間を実現し、優れた燃費性能とスタイリッシュな外観などが相まって大ヒットを記録しました。

 現行モデルのフィットは2020年2月に発売された4代目で、8ライトウインドウの基本的なスタイリングと、センタータンクレイアウトは初代から継承されており、コンパクトなボディに広い室内空間、優れた経済性も変わっていません、

 さらに、初代から一貫してこだわっているのが4m未満となる全長です。

 初代のボディサイズは、全長3830mm×全幅1675mm×全高1525mm(「W」2WD)で、4代目では全長3995mm×全幅1695mm×全高1515mm(「e:HEV BASIC」2WD)です。

 SUVタイプの「CROSSTAR」のみ全長4090mmと4mを超えていますが、そのほかのグレードではすべて全長3995mmとなっています。

 この全長4m未満というのはカーフェリーを頻繁に利用するユーザーには重要なポイントで、「自動車航送運賃」が全長3m未満、3mから4m未満、4mから5m未満などに分類されているケースではお得になります。

 運賃は運行会社や航路によって異なりますが、全長4mを境に概ね3000円から8000円の運賃増になりますから、わずか数ミリが重要です。

 通勤や買い物など普段使いを重視したクルマでは、機械式立体駐車場に対応する全高1550mm以下とするのは珍しくありませんが、全長にこだわっているクルマは珍しいでしょう。

※ ※ ※

 前述にあるフェアレディZは、とくに伝統を守っているクルマといえます。

 誕生から52年もの歴史で一度も6気筒エンジン以外を搭載しておらず、頑なにFRにこだわって4WDを設定したこともありません。

 もうすぐ7代目のデビューが控えていますが、やはり6気筒エンジンのFR車という伝統は守られそうです。こうしたブレないコンセプトが、今もファンを引きつける魅力なのではないでしょうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

欧州 CO2規制を緩和、自動運転開発にテコ入れ 「今こそ行動起こすとき」
欧州 CO2規制を緩和、自動運転開発にテコ入れ 「今こそ行動起こすとき」
AUTOCAR JAPAN
【サウジアラビア】トヨタ最新型「クラウン“マジェスタ”」がスゴイ! 約840万円の334馬力「ハイパワーモデル」! 5年ぶり復活の「高性能仕様」どんなモデル?
【サウジアラビア】トヨタ最新型「クラウン“マジェスタ”」がスゴイ! 約840万円の334馬力「ハイパワーモデル」! 5年ぶり復活の「高性能仕様」どんなモデル?
くるまのニュース
新東名‐市街間の「ボトルネック」7日ついに解消! 大井川を渡る“静岡の大動脈”に橋を追加
新東名‐市街間の「ボトルネック」7日ついに解消! 大井川を渡る“静岡の大動脈”に橋を追加
乗りものニュース
標準装備を厳選して戦略的な価格を実現したメルセデス・ベンツGLC/GLCクーペのエントリーモデルが日本デビュー
標準装備を厳選して戦略的な価格を実現したメルセデス・ベンツGLC/GLCクーペのエントリーモデルが日本デビュー
カー・アンド・ドライバー
【2025年F1チーム別プレビュー/ウイリアムズ】2026年に集中も、サインツという資産を得て上昇は必至
【2025年F1チーム別プレビュー/ウイリアムズ】2026年に集中も、サインツという資産を得て上昇は必至
AUTOSPORT web
VW、小型EV『ID. EVERY1』を2027年に市販へ…価格は2万ユーロから
VW、小型EV『ID. EVERY1』を2027年に市販へ…価格は2万ユーロから
レスポンス
サイバートラックが異次元カスタムで覚醒!? ドイツのチューニングメーカー“マンソリー”が手がけた「イーロンゲーション」とは
サイバートラックが異次元カスタムで覚醒!? ドイツのチューニングメーカー“マンソリー”が手がけた「イーロンゲーション」とは
VAGUE
外装のアクセントカラーは460億通り! 「ベントレー・コンチネンタルGT」オプションの無限の可能性
外装のアクセントカラーは460億通り! 「ベントレー・コンチネンタルGT」オプションの無限の可能性
LE VOLANT CARSMEET WEB
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
Merkmal
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
レスポンス
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
AUTOSPORT web
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ベストカーWeb
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
Auto Messe Web
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
WEB CARTOP
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
バイクのニュース
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
くるまのニュース
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
日刊自動車新聞
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

79件
  • エクストレイルは車のコンセプト自体が大きく変わってしまってるのに枝葉末節だけキープされてもな。
  • 意外な伝統?
    日産は人気車にいらぬ改良(?)を加えてダメダメにするのも伝統だよね?
    で、他社(主にトヨタ)が後追いでそのパイをまんまといただく。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172 . 0万円 250 . 7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

3 . 0万円 290 . 0万円

中古車を検索
ホンダ フィットの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172 . 0万円 250 . 7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

3 . 0万円 290 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村