CB400SF/SBの生産終了によって、ヨンヒャクから4気筒が消える・・・・・・。しかし、カワサキが直4の新作「Ninja ZX-4R」を投入する模様! クラス史上最強のパワーと250並みの軽さを実現したスーパースポーツが誕生することになりそうだ。
米国の識別番号によると、2023年発売は「確実」な情勢。価格も100万円前後が期待できるか?
史上最強ヨンヒャクか!? 61ps超も見えてきた!? カワサキ直4SS ZX-4Rは来年確実デビューか
文/ベストカーWeb編集部、CG/SRD
消えゆく直4のCB400SFに代わり、ZX-25Rの400cc版がデビュー?
既報のとおり、2022年10月末をもってCB400スーパーフォア/スーパーボルドールが生産終了することをホンダが告知。世界唯一の400cc直列4気筒モデルが消滅するとあって、ライダーに衝撃が走った。
一方で、カワサキが400ccクラスに新たな直4モデルを投入するとの噂が。それは、現行250ccクラス唯一の直4であるNinja ZX-25Rをベースに、400cc直4を搭載した「Ninja ZX-4R」が登場するというものだ。
カワサキは現在400ccクラスに2気筒のNinja400を展開中。Ninja250の車体をベースとすることで軽量ハイパワーを実現し、デビューイヤーの2018年から3年連続で400ccトップの販売台数を記録した。
さらに、このクラスに4気筒のZX-4Rを追加すれば、カワサキは250に続いて400でもオンリーワンの4気筒を展開することに。まさに盤石のラインナップを築くことになる。
Ninja ZX-25Rをベースに、400cc直4を積む「Ninja ZX-4R」のデビューが噂されている(上記は予想CG)。初代ZXR400をリスペクトしたカラーリングにも期待!
新世代の直4で60ps台に到達? GSR400を凌駕か
ベースとなるZX-25Rは、軽量&高剛性な鋼管ダイヤモンドフレームや倒立フォークの車体を採用。ZX-4Rでは、これに400cc直4を搭載するだろう。2気筒のNinja400は、弟分Ninja250の車体に400ccエンジンを搭載し、軽量ハイパワーを実現したが、ZX-4Rも同様の手法を踏襲すると見られる。
直4ユニットはZX-25Rをスープアップするのか、完全新設計となるのかは不明。ただし最高出力は60psの大台を超える見込みだ。
国内仕様の歴代400ccクラスでは、スズキGSR400の61psが史上最強。2008年に国内馬力自主規制が撤廃されたことを受け、2009年型のモデルチェンジで61psを誇った。
ZX-4Rは、現行CB400SFの56psを上回るのはもちろん、GSR400超えにも期待がかかる。GSRが発売された当時の排ガス規制は、現代より緩い平成18年度規制(ユーロ3相当)。ZX-4Rがより厳しい排ガス規制に対応しながら、60psを突破すれば快挙だ。
2020年にデビューしたNinja ZX-25R。新設計の直4はレッドゾーン1万7000rpm以降という超高回転型で、46psを発生する
Wディスク化、ワイドタイヤなどで足まわりを重点的に強化
ZX-4Rの外装デザインは弟分のZX-25Rと変わらないようだ。しかしパワーアップに伴い、足まわりが強化されるらしい。
まずフロントブレーキはZX-25Rのシングルディスクに対し、ダブルとすることで制動力をアップか。そしてタイヤはワイド化される模様だ。ZX-25Rのフロントは110/70R17、リヤは150/60R17。68psで馬力が近いNinja650などと同様のフロント120/70ZR17、リヤ160/60ZR17になる可能性があるだろう。
マフラーはサイレンサー別体式になるとの情報。ZX-25Rでは超ショートのダウンマフラーだったが、Ninja400やZX-6R風の異型断面サイレンサーを採用するか?
2段階のパワーモード、3パターンのトラクションコントロール、ABSなどの電子制御はZX-25Rを踏襲するだろう。いずれにせよ最強400ccスーパースポーツの名に相応しい出来になりそうだ。
ZX-25Rはシングルディスク。ホイール左側には元々ディスクを装着できそうなボスが設けられている。ZX-4Rではこのホイールを流用しつつWディスク化される?
米国では2023年型「400cc4気筒」モデルの識別コードが既に登録済み!
2023年の発売を裏付ける有力な証拠も出てきた。
米国の大手二輪メディア「MOTORCYCLE.COM」によると、3月22日付けでNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)がカワサキの車両識別番号=VINデコーダーのリストを公開。これにZX-4Rを思わせる二つのコード「ZX400PP」と「 ZX400SP」が追加されていた。
先頭の「ZX」は高性能スポーツバイクを意味し、ZX-10R(ZXT02)、ZX-6R(ZX636)などと同様。「400」はおよその排気量で、それに続く文字はバリエーションモデルを示す。つまり、ZX-25Rに標準モデルとクイックシフターを装備した上級版の「SE」があるように、ZX-4Rにも二つのグレードが用意されるのだろう。
そして末尾の「P」は「2023 年モデル」を表す。「Ninja ZX-4R」という名前はVIN デコーダーには表示されないものの、その存在と発売年に間違いはなさそうだ。
さらにリストには、エンジンの排気量、ストローク数、シリンダー数、エンジン出力 (kW)も記される。これによると「ZX400PP」と「ZX400SP」のシリンダー数は「4」で、エンジン出力はTBD(未定)。
ちなみに2023年型Ninja400 のコードは、ABS仕様が「EX400GP」、ノンABSが「EX400HP」。こちらはシリンダー数が2、最高出力36kW(48.9ps)で現行型と一致する。
「ZX400PP」と「ZX400SP」がZX-4Rの模様。Pは2023年モデルの意で、右から5項目の数字が排気量。以下、ストローク数、シリンダー数、出力を意味する。リストはMOTORCYCLE.COMより
特許で判明、ZX-25Rはそもそも400cc化が前提の設計だった!?
さらにもう一つ「400cc4気筒」を示唆する特許が存在する。
2021年3月に公開された特許情報によると、カワサキは2019年10月にエンジンの温度上昇を抑制する冷却構造について特許を申請。その中の図面に、エアダクトから走行風を導入し、効率的にエンジンを冷やすZX-25Rのサイドカウルが掲載されている。
そして特許には「例えば、4気筒400ccエンジンに本発明を更に好適に用いることができる」との文言がある。実際にカウルが採用されたのは250ccのZX-25Rだったが、元々400cc仕様を想定してZX-25Rは設計されていた……とも考えられるのだ。
カワサキが2019年、国内で出願した特許の図面。「4気筒400ccエンジン」に適した設計としているが、顔とサイドダクトの形状はZX-25Rと同様だ
価格はZX-25Rから+7万円程度? 100万円以下になれば嬉しい!
ZX-4Rが2023年発売とすれば、2022年秋のEICMA(ミラノショー)で発表があるか。その後、米国での発売に続き、もちろん日本でも投入されるハズだ。
価格にも期待したい。ZX-25Rは現在、インドネシアや日本などアジアの一部でしか販売されていないが、ZX-4Rは北米をはじめ、欧州などで販売されるグローバルモデルになるだろう。そのためスケールメリットによるコストダウンが期待できるのだ。
クイックシフター付きの現行ZX-25R SEは93万5000円(STDは84万7000円)。2気筒のNinja250と400の価格差は7万1500円となっている。これを元にした単純計算では、ZX-4RのSE仕様で100万円+α、STDで100万円を切る価格になるが、さらに安くなれば嬉しい!
Ninja ZX-4Rがクラス唯一の4気筒として登場し、なおかつ歴代ヨンヒャク最強の性能となれば話題性は抜群。なおかつ価格もZX-25Rとさほど変わらないとなれば、ヒットは確実だろう。まずは今秋と予想される正式発表が待ち遠しい!
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みんなのコメント
カラーリング等で子育て終わった世代にもビビっと来そうですね
カワサキが活気付いてくれると、ホンダが後追いで元気出るので頑張ってほしい