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ホンダが、インド生産の「WR-V」をこのタイミングで日本導入する理由

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ホンダが、インド生産の「WR-V」をこのタイミングで日本導入する理由

発売は2024年春 200万円台のエントリーSUV

ホンダが新型SUV「WR-V」を披露した。正式な発表は2023年12月となり、発売は2024年春を予定してる。

【画像】ホンダ「WR-V」を撮影 内装/荷室をチェック【純正アクセサリーも】 全55枚

それにしても、ホンダはなぜ、このタイミングでWR-Vを日本に導入するのか?

しかも、生産はインドだという。

ホンダの狙いについて、同社の商品企画、デザイン、また純正アクセサリーそれぞれの部門担当者から直接、話を聞いた。

まずは、WR-Vとはどのようなクルマなのかを確認しておきたい。

カテゴリーとしては、ヴェゼルと同じコンパクトSUV。ボディ寸法は、全長4325×全幅1790×全高1650mmで、ヴェゼル(4330×1790×1580mm)とかなり近い。

パワートレインは1.5リッターガソリンのみを設定した。

注目は価格だ。車両本体価格は200万円台の前半からとしている。

グレードは「X」「Z」「Z+」の3つだが、最上級の「Z+」でも250万円程度になると予想される。

国内市場において、ホンダのSUVは300万円台から400万円台に「ZR-V」、次いで「ヴェゼル」があり、今回導入するWR-VはホンダSUVのエントリーモデルと位置付けられている。

ホンダによると、現状では「フィット」などのユーザーがSUVを購入する際、他ブランドに移行するケースが見られ、ホンダの販売店としても200万円台前半から中盤の価格設定としたSUVの早期市場導入を強く望んでいたという。

日本仕様 インドネシアのWR-Vとは別物

さて、WR-Vの日本導入についてはこれまで様々な噂があった。

例えば、インドネシアなどで販売されているWR-Vを日本に導入するのではないか、という憶測記事がネット上に広がっていた。

ところが、今回発表されたWR-Vは、そうした既存のWR-Vとは別物であることが判明した。

つまり、グローバルで見ると、ホンダWR-Vというモデル名を持つクルマが並存することになる。今回日本に導入されるWR-Vはあくまでも、“日本専用車”という位置付けなのだ。

その上で、日本に導入されるWR-Vはどういうモデルなのか?

ホンダによれば、2023年9月にインドでワールドプレミアした「エレベイト」がベースだという。同車のプラットフォームは、インド向けなどの「シティ」で、搭載する1.5Lガソリンエンジンは日本市場の場合、ヴェゼルと共通とのこと。

インドネシアなどで販売されているWR-Vと比べると、全長が長いだけではなく、デザインや車格としても“ワンランク上”という印象だ。

日本に導入するWR-Vの商品企画については、タイのバンコク郊外にあるホンダの開発拠点で行われた。開発チームは、タイ、インド、日本などアジア圏の多様な国の若手が中心となって構成された。

ホンダのグローバルSUVに対する考え方

日本に導入されるWR-Vの商品企画について、「ホンダとしてのグローバルコンパクトSUV」に対する意識は、多様な国の若手エンジニアの間で十分に共有できたという。

つまり、特にアジア圏ではコンパクトSUVに対して、ユーザーの捉え方がかなり似ているといえるだろう。

むろん、東南アジアや南アジアでは、日本と比べると経済発展の度合いや、所得水準なども違い、さらには当然ながら社会環境や風習が違う。

その上で、インドではエレベイトとして、日本ではWR-Vとして、さらにはインドネシアなどではよりコンパクトなWR-Vというふうに、ホンダとしての経営資源を上手く組み合わせて国や地域の特性に見合ったモデルを投入するという事業戦略である。

興味深いのは、純正アクセサリーパーツの商品性の違いだ。

例えば、インドのエレベイトの場合、ボディを保護するプロテクターのような部材の需要が高いという。インドでは渋滞時など、周囲のクルマとかなり接近して走行することがあり、プロテクターは日常生活の中で必需品という見方ができる。

一方、日本のWR-Vの場合、「ハイクオリティ・タフネス」をテーマとした、オフロードっぽいイメージのラギッドなボディパーツを取り揃えている(写真)。

コスパの高さを実感 じつは走りも自信あり?

最後にWR-V実車の印象を紹介する。

外観の雰囲気は200万円台前半から中盤のSUVなのだが、「もっと価格が高いクルマに見える」といった印象だ。

ボディのベルトラインが高く、フロントマスクは威風堂々としており、最低地上高も195mmとヴェゼルや他ブランドのコンパクトSUVと比べてかなり高いために、ボディ全体がより大きく見える。

インテリアも、最近のホンダ車と共通する水平基調のシンプルなダッシュボードであり、表皮や各種スイッチ類の質感が高い。

後席も車内全体の質感を実感でき、さらに角ばったボディスタイルによって車内空間の広さを実感できる。また、458Lという荷室は直感としてかなり広く感じる。

さらに注目されるのが、走りの良さだという。

今回話を聞いた複数のホンダ関係者は皆、「この価格帯のSUVとしては、走りの質感が高い」と、ホンダの真骨頂である“走りの良さ”を強調していたのが印象的だった。

以上のような、現時点で判明している情報からの受け止めとしては、日本に導入されるWR-Vの売りはコストパフォーマンスの高さである。

直近で、日本の乗用車セグメントは、「Nボックス」を筆頭とする軽2BOXが市場全体の33%を占め、これをSUV(24%)で追う展開だ。

まだまだ成長軌道にあるSUV市場、コスパの高いWR-Vが大化けする可能性は十分にあるのではないだろうか。

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